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ニキビの場所別・症状別・タイプ別の原因と予防、あなたはどれに当てはまる?

更新日:2024年9月6日 金曜日

「またこんなところにニキビが…」

年齢や性別を問わず、多くの人を悩ませるニキビ。ニキビは一体どうしてできてしまうのでしょうか?
ニキビは「これだけをすれば治る!」といった単純なものではなく、さまざまな要素が複雑に絡み合って発生する症状です。
ただ、ニキビができる場所や症状、タイプごとに「こうした原因でなりやすい」という特徴はあります。まずはニキビができる原因について解説します。適切な治療・予防をするためも、基本的なニキビの知識を学んでおきましょう!

 

※この記事は、美容皮膚科タカミクリニック副院長の山屋 雅美医師が監修しています。

 

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ニキビができる仕組みと治る仕組み
 

ニキビは、毛穴が詰まり、皮脂が毛穴に溜まる「白ニキビ」からはじまり、毛穴に溜まった皮脂を栄養にアクネ菌が増殖し炎症を起こした状態の「赤ニキビ」へと進行していきます。ニキビは症状が進行するにつれ、色も徐々に変化していき、最終的に炎症が悪化し、膿が溜まった状態の「黄ニキビ(膿胞ニキビ)」になります。

ニキビができる主な原因は、毛穴の詰まり、皮脂の過剰分泌、毛穴に中にあるアクネ菌(=ニキビ菌)の増殖の3つです。毛穴の詰まりが生じる要因は、肌のターンオーバーの乱れや外部刺激など何らかの原因によって角質が肥厚することです。

ニキビを治すには、古い角質を専用の薬液を使って除去して毛穴が詰まらないようにしたり、皮脂の過剰分泌を抑えたり、アクネ菌の増殖を抑制する薬を使用して炎症を抑える必要があります。ただし、ニキビの症状が進行し重症化するとニキビ跡になってしまうリスクが高まるため、ニキビ跡をつくらないためにも早め早めの治療が重要になります。

 

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【場所別】ニキビの原因
 

ニキビは顔や体のさまざまな場所に現れます。ニキビができる原因は基本的には同じですが、場所や位置によってニキビを悪化させてしまう要因が異なる場合があります。そのため、ニキビができる場所・位置別でケアを変えてみるのも、ニキビを治す方法のひとつです。
ここでは、ニキビができる場所別の原因をご紹介します。

 

【1】おでこ(額)・こめかみのニキビの原因

おでこ(額)やこめかみの場所にできるニキビは、シャンプー剤や洗顔料の洗い残し、スタイリング剤の油分や汚れの肌表面への付着、前髪による肌刺激などが原因で発生しがちです。特におでこは白ニキビが大量ができやすい特徴があります。
思春期のホルモンバランスの乱れにより皮脂が多い10代~20代前半は、おでこやこめかみにニキビができやすくなっていますが、20代後半以降でもニキビができてしまうなら、肌の乾燥が招く皮脂の過剰分泌、オイルやクリームなど油分過剰な化粧品の使用、擦りすぎなどの間違ったスキンケアが原因になっている可能性があります。
バリア機能を低下させるようなスキンケアのやり方やアイテムを見直しましょう。特に前髪がある方は、前髪のスタイリングにオイルやワックスを使わない、スプレーを使用する際はおでこにかからないように注意することも必要ですが、ニキビがひどい時は前髪あげる、髪型を変えるなど、おでこやこめかみに刺激を与えないようにする工夫が必要です。また、こめかみは凹みやクレーターのようなニキビ跡が残りやすい傾向にありますので、炎症がひどい赤ニキビや、膿がたまった黄ニキビができた場合は注意が必要です。

 

【2】鼻・眉間(Tゾーン)のニキビの原因

顔の中でも、両眉毛の上とその間の眉間、そして鼻はもっとも皮脂腺が多い場所です。
鼻・眉間(Tゾーン)を含めた鼻の周りの場所にできるニキビは、ほとんどが過剰な皮脂分泌が原因で、元からオイリー肌(脂性肌)の人や、思春期でホルモンバランスが安定していない10代の方などにできやすいという特徴があります。鼻は目立ちやすい場所であるため、知らず知らずのうちに触ってしまっていること(触りぐせ)や、角栓が気になってゴシゴシ擦ったり、爪で引っ掻いていると、指先や爪から細菌が入り赤ニキビができやすくなります。

 

【3】頬のニキビの原因

頬のニキビは、他のニキビと同様、生活習慣の乱れや偏った食生活、そしてホルモンバランスの乱れなどが原因で発生します。
また、頬のニキビは目立ちやすいため、気になって触ることにより炎症が悪化したり、頬に髪がずっと触れているなど髪型でニキビが進行してしまったりすることもあります。右頬だけに繰り返す、左頬だけニキビが治らないなど、片側のほっぺにだけニキビができる方は、触りぐせや髪型に特に注意してください。。

 

【4】顎(あご)・フェイスラインのニキビの原因

顎(あご)やフェイスラインにできるニキビは、いわゆる「大人ニキビ」と言われ、ホルモンバランスの乱れや寝不足など不規則な生活習慣、さらには「頬づえなどの直接的な刺激」が原因で発生します。
顎やフェイスラインは髭が生える場所ですから、男性ホルモンの影響が強いと言われています。産毛が濃かったり、乾燥対策に使っているクリームなど油分の多い化粧品が毛穴詰まりの原因になってしまうこともあります。鼻の下(人中)を含めた口周りにできるニキビも同様に、髭や濃い産毛、毛穴を塞ぐスキンケアが原因のひとつとして考えられます。
顎や顎裏、フェイスラインのニキビは、特にホルモンバランスが原因でできることが多いため、どうしても同じ所に繰り返しできやすく、繰り返すうちに炎症部分がニキビ跡になりがちです。

最近では、長時間のマスク着用が日常的でなくなったものの、依然としてマスクを使う場面はあり、その際に生じる「擦れ」や「蒸れ」、またはマスク着脱にともなう「肌の乾燥」が、顎やフェイスライン、そして鼻の下(人中)のニキビの一因になることがあります。

 

【5】背中のニキビの原因

男女問わず、悩んでいる方が多い「背中のニキビ」。背中は顔の鼻やおでこといった部分と同様に皮脂腺の多い場所です。そのため、油っこいものばかりを食べていたり、生活習慣が乱れていたりすると、皮脂が過剰分泌されニキビができてしまいます。
また、食生活や生活習慣以外にも、シャンプーやボディーソープの流し忘れが毛穴に詰まって炎症を起こし、ニキビになってしまうパターンもあります。さらに、汗腺も豊富で汗をかきやすく、衣類などで通気が悪く蒸れやすいことや、衣類の摩擦による刺激も背中ニキビ発生の要因になります。
その他にも、背中にできるニキビは顔にできるニキビと違って、原因となる菌が「アクネ菌」ではなく「マセラチア菌」というカビの場合もあります。

 

【6】デコルテ(胸)・首のニキビの原因

体の中で皮脂腺が多いデコルテ(胸)や首は、体ニキビの好発部位となります。顔ニキビ同様、ホルモンの影響による皮脂分泌の増加、角質肥厚による毛穴のつまりが要因となります。
顔の皮脂分泌が多い人はデコルテや首も同じようにニキビができやすい傾向があります。また、体は顔と比べターンオーバーが遅く、ニキビ跡が残りやすいため注意が必要です。デコルテや首などの体ニキビは、アクネ菌の繁殖が原因で起こるニキビ以外に、マラセチアというカビの一種が増殖する「マラセチア毛包炎」にもなりやすい部位です。

 

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【症状別(進行度別)】ニキビの原因 
 

ニキビは、その進行度に合わせて、さまざまな色の種類で呼ばれます。ニキビを進行度で分類したときの、それぞれの原因についてみていきましょう。

 

【1】 白ニキビの原因

白ニキビとは、毛穴周りの角質が厚くなって毛穴が塞がれ、皮脂や古い角質が毛穴に詰まり、ブツブツと白く盛り上がっている状態です。ニキビのできはじめで「面ぽう」や「コメド」とも呼ばれます。ニキビのもっとも初期の段階で、痛みや腫れといった症状はほとんどありませんが、そのまま放っておくとどんどん症状が進行していくので、白ニキビを見つけたらすぐにケアをする必要があります。
小さな白ニキビが、顎やおでこに急に大量発生することもあります。

 

【2】 黒ニキビの原因

白ニキビをそのままにしていると毛穴が開き、毛穴に詰まった皮脂が空気に触れて酸化することにより黒く変色し、「黒ニキビ」となります。黒ニキビは、間違ったスキンケアや偏った食生活、不規則な生活習慣で悪化してしまうので注意してください。白ニキビ同様、にきびの初期段階で炎症は起こっていない状態です。

 

【3】 赤ニキビの原因

いわゆる、一般的にニキビと呼ばれる「赤く腫れあがった状態」が「赤ニキビ」です。白ニキビや黒ニキビが進行すると、毛穴に溜まった皮脂を栄養にアクネ菌が増殖して炎症を起こし、皮膚も赤く腫れあがってしまいます。この状態になると、自宅でのセルフケアだけでは炎症を鎮めることが難しく、治った後にニキビ跡の色みが長引いてしまう可能性もあるので、専門のクリニックで治療することをおすすめします。

 

【4】 黄ニキビ(膿胞ニキビ)の原因

赤ニキビの炎症がさらに進行し、膿まで発生させてしまうと「黄ニキビ(膿胞ニキビ)」となります。この状態になると、炎症が皮膚の奥の方まで達してしまうので、治った後もニキビ跡になる可能性が高いだけでなく、クレーターのように肌に凹凸ができてしまうリスクもあります。

ニキビは進行段階によって症状が異なります。ニキビの種類によっては、凹みやクレーター状のニキビ跡を残してしまう可能性があるため、どのような段階を経て、ニキビが悪化していくのかを知っておくことも、ニキビの予防改善に必要です。

 

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【タイプ別】ニキビの原因
 

ニキビの原因は、年齢や性別によっても多少の違いがあります。

 

【1】大人ニキビの原因

20歳以上の人がなる「大人ニキビ」は、顎(あご)やフェイスライン、口の周りといった、いわゆる「Uゾーン」や首、胸元のデコルテにできやすいという特徴があり、「吹き出物」とも呼ばれます。
主な原因はストレス、生活習慣の乱れ、偏った食生活、間違ったスキンケアや乾燥肌です。思春期のニキビと比べて治りにくく、再発しやすいので、大人ニキビに悩まされている人はスキンケアだけでなく生活全体を見つめ直す必要があるでしょう。

 

【2】思春期のニキビの原因

思春期のニキビは、皮脂腺の多いTゾーンやおでこや頬にできやすいのが特徴です。中学生・高校生の頃、一度は悩んだことがあるはずです。
主な原因は、成長期におけるホルモンバランスの乱れに伴う皮脂の過剰分泌で、20歳以上になると落ちつく傾向にあります。ただ、思春期にできたニキビは炎症を起こして赤ニキビや黄ニキビになりやすいので、ニキビ跡を残さないようにちゃんとケアをする必要があります。

 

【3】女性に多いニキビの原因

女性の中には、生理中や妊娠中にニキビが出来てしまう人がいます。これは体内の女性ホルモンのバランスが乱れているのが主な原因です。女性ホルモンの中でも「プロゲステロン」は皮脂を分泌する作用があり、このホルモンが多くなると、皮脂が過剰分泌されてニキビを引き起こしてしまうのです。

 

【4】男性に多いニキビの原因

男性のニキビができる主な原因として、男性ホルモン(テストステロン)の影響があります。男性ホルモン(テストステロン)には、皮脂分泌を促し、角質を厚くする働きがあるため、男性ホルモンの分泌が多いと、毛穴が詰まり過剰に分泌された皮脂が毛穴に溜まってニキビが発生します。また、男性はスキンケア習慣が不足していることも毛穴を詰まらせる原因になります。

年齢、男女を問わず、繰り返しできるニキビや炎症の強いニキビは、ニキビ跡を残す可能性が高いため、美容皮膚科での治療を選択肢の1つに加えることをおすすめします。

 

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ニキビの原因になりやすい行動と習慣、予防方法
 

ニキビに悩んでいる人は、無意識にしている行動・習慣などの普段の何気ない生活の「クセ」が、もしかするとニキビの原因になっているかもしれません。ニキビになりやすい行動・習慣を知り、日頃の生活からニキビを防いでいきましょう。

 

【1】睡眠不足

睡眠不足は肌に大敵です。睡眠は成長ホルモンが分泌し、肌のターンオーバーを促してくれるという働きがあります。
「肌のゴールデンタイム」として知られる22時〜翌2時の間に寝ることを以前は推奨されていましたが、必ずしもその時間帯に眠らなければいけないということはありません。肌の新陳代謝を促す働きのある成長ホルモンは、眠りはじめてから3~4時間の間に多く分泌されため、この時間に深く眠ることが大切です。

肌の再生と生まれ変わりを促すためには、毎日同じ時間帯に就寝、起床することが大切です。最低でも6時間程度の睡眠時間を確保し、質の高い眠りを心がけましょう。

 

【2】偏った食生活

油分の多い食事や糖分、そして過度なスパイスやコーヒー、紅茶といった刺激物ばかり食べていると、栄養が偏り肌の調子は悪くなってしまいます。皮脂の分泌を調節してくれる働きのあるビタミンB群、代謝をよくするビタミンA、抗酸化作用のあるビタミンC、E、そして食物繊維などの栄養素は積極的に摂るようにしましょう。

 

【3】紫外線対策をしていない

日焼け予防のためだけでなく、ニキビの予防ケアとしても紫外線対策はおこなうようにしましょう。ニキビに紫外線を浴びることによって、ニキビの悪化だけでなくそのままニキビ跡(色素沈着)なってしまうこともあるからです。

 

【4】肌に不要な刺激を与えている

肌に余計な刺激が加わると、ニキビの炎症がなかなか引かず、ニキビを長引かせたり悪化させる原因になります。
例えば、髪型。前髪を伸ばして下ろしていると、おでこに不要な刺激を与えてしまいます。頬に髪が当たるような髪型も同様です。おでこや頬にニキビが出来やすいという方は、髪が肌にあたっていないかも見直してみましょう。
また、洗顔後にタオルでゴシゴシ顔を拭く、ニキビ部位にマスクがあたって擦れているなど、自分では気付かないレベルで無意識に肌に刺激を与えて炎症を悪化させていることもありえます。
特に「刺激に弱い肌質」と自覚している人は、何気ない普段のしぐさや行動が肌に刺激となっていないか、振り返ってみましょう。

 

【5】ストレスの多い生活

ストレスはホルモンバランスを乱す原因になりますし、肌だけでなく体のあちこちに不調をきたしてしまいます。自分なりのストレス解消法を見つけておくようにしましょう。

 

【6】刺激の強いスキンケア

「ニキビを治すには肌を清潔にしなくちゃ!」と思うあまり、過度な洗顔や、刺激の強い洗顔料を使う人がいますが、これは逆効果です。もちろん肌を清潔に保つことは大切ですが、洗顔をし過ぎると肌が乾燥して皮脂が過剰に分泌されてしまいますし、刺激の強い洗顔料は肌を傷つけ炎症を悪化させてしまうこともあります。
ニキビのスキンケアは、肌にかかる負担をなるべく少なくすることを心がけてください。

 

【7】肌に合っていない化粧品の使用

人にはそれぞれ肌質があり、乾燥肌気味の人もいれば、脂性肌気味の人もいます。どんなに高価な化粧品でも、自分の肌質に合っていなければ、肌の健康は損なわれてしまうでしょう。使っていてちょっとでも違和感のあるものは、すぐに使用を中止してください。

ニキビの要因となる間違ったスキンケアや生活習慣など、日常生活の行動や習慣についても、タカミクリニックでは診察時にアドバイスをおこなっています。

 

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まとめ
 

ニキビができてしまう原因は、場所や症状、年齢や性別に応じてさまざまです。そのため、自分のニキビの原因に合ったケアをしないと、逆に症状が悪化してしまうケースもあるでしょう。ニキビは早めにケアをしておけば、その後のニキビ跡に悩まされることもありません。ニキビに気付いたら、その原因を把握し、適切なケアをおこないましょう。

どうしても改善されない、ニキビを同じ場所に繰り返してしまう、効果が出ずにどんどん悪化していく場合は、美容皮膚科での専門治療をおすすめします。

 

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