あなたの肌悩みに医師がお答えします
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ほくろ除去の疑問と正しい方法。自分でするのは危険!

更新日:2023年9月13日 水曜日

ほくろに悩んでいらっしゃる方は多いのではないでしょうか。

見た目的にコンプレックスを感じるだけでなく、ほくろの数がどんどん増えたり、ほくろがだんだん大きくなったり盛り上がってくると、やはり心配せずにはおれないでしょう。ただのほくろだと思っていたものが、実は何かの病気の可能性もあるので注意が必要です。

ほくろはメスを使わずに簡単に取れたり、また、以前は取りにくかったようなほくろでも簡単に取れるようになってきました。そこで、そもそもほくろはなぜできるのか?、また、ほくろを取り除く最良の方法は何なのか?とほくろに悩んだり、ほくろ除去を考えている方のために、正しい知識とおすすめの除去方法について解説します。

 

※この記事は、美容皮膚科タカミクリニック副院長の山屋 雅美医師が監修しています。

 

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ほくろはなぜできる?シミとの違いはなに?
 

一言でほくろといって、さまざまな種類・特徴があります。まずは、ほくろの仕組みを紹介します。

 

そもそもほくろって何?

一般的なほくろは、医学的には「母斑細胞母斑(ぼはんさいぼうぼはん)」、もしくは「色素性母斑(しきそせいぼはん)」と言います。メラニン色素を作り出すメラノサイトという細胞が変質した「母斑細胞」が繁殖した良性の腫瘍です。

ほくろの種類は様々ですが、ほくろ(母斑細胞)が増殖している場所により、次の3タイプに分類されます。

 

・「境界母斑」:皮膚の表皮と真皮の境目の部分で母斑細胞が増えるもの。
・「真皮内母斑」:真皮内で母斑細胞が増えるもの。
・「複合母斑」:表皮と真皮の境目部分と真皮内の両方で母斑細胞が増える複合型です。

 

その他にも、特殊なほくろとして、爪の根元にできる爪甲線条母斑や、ほくろの周囲が白く色が抜けたサット母斑、青黒い青色母斑などがあります。

 

ほくろとシミの違いは?

ほくろとシミは、見た目にもメラノサイト(メラニン色素)が関係している点でも似ていますが、実際はまったく別のものです。シミはメラノサイトが生成するメラニン色素が沈着してできたもの。一方、ほくろは、メラノサイトが変質した母斑細胞が増殖してできたものです。そのため、ほくろはシミよりも色が濃く、盛り上がっている場合もあります。黒色で隆起したもの、肌色で隆起したもの、または毛が生えているものや頭皮にできたものなどが、さまざまな形態があります。
黒いものがほくろ、茶色いものがシミと大別できますが、シミだと思っていたら、実は茶色いほくろだったということも。実際はプロでも見極めが難しい場合があります。シミ以外にほくろと間違えやすいものにイボや色素沈着があります。

 

ほくろが増える理由は?

ほくろには先天性(生まれつき)なものと、後天性なものがあります。ほくろが増える原因の多くは紫外線の影響だと考えられています。紫外線の刺激でメラニン色素だけでなく、メラノサイト自体が増えることで、ほくろ増殖につながるケースが少なくありません。ただし、ほくろの増殖理由はまだはっきり解明されていないのが実情です。

 

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除去する必要はある?除去して大丈夫?
 

では、ほくろは除去する必要があるのでしょうか? 除去しても大丈夫なのでしょうか?

 

見た目で気になる場合

良性腫瘍のほくろの場合、本人が気にしないのであれば除去する必要はありません。また、ほくろがだんだん盛り上がってくることがありますが、これはほくろの老化現象で、病気や悪性腫瘍ではありません。もし、ほくろが目立ち、審美的に気になるのであれば除去しても問題はありませんが、自分で除去するのは危険です。ほくろを傷つけると、炎症をおこしたり悪性化するきっかけになる可能性もあります。

ただし、単なるほくろかと思っていたら、実はメラノーマと呼ばれる皮膚癌(悪性黒色腫)であることもあります。その場合は手術が必要です。「左右非対称でいびつな形をしている」「直径6㎜以上ある」「短期間で大きくなっている」「色が均一でない」「色が以前より変わった」「短時間で硬くなっている」「表面から血や体液が出る」「足裏や爪の中など、通常できないような部位にある」などの特徴が見られる場合は注意が必要です。

また、生まれつきの大きな色素性母斑(ほくろ、あざ)は将来的に悪性化する可能性が通常より高いため、早めに皮膚科に相談することをおすすめします。

 

病気の場合

ほくろが悪性黒色腫(悪性黒子型黒色腫、表在拡大型黒色腫、末端黒子型黒色腫、結節型黒色腫など)の場合は、当然、しっかりと検査して、確実に除去する必要があります。

また、その他にも、ほくろと区別がつきにくい病気は、脂漏性角化症、血管腫、皮膚線維腫などいろいろあります。ほくろの状態に不安を感じたら、まずは一度皮膚科で診てもらいましょう。

 

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ほくろ除去は自分で?皮膚科で?
 

自分で除去して大丈夫?

既にお話したとおり、ほくろを自分で除去するのはおすすめしません。ほくろ取りのクリームやもぐさのお灸を用い、自分で行う人もいるようですが、それはとても危険です。こうした独自の方法で除去を試みたことで、火傷や皮膚が化膿して、ひどい傷跡になる事例が多数報告されています。

また、中にはエステティックサロンでレーザーやオゾン、針や薬剤などでほくろ除去を行っているケースもあるようですが、ほくろが何らかの病気である可能性もあります。ほくろの検査や除去は、必ず信頼できるクリニックで行ってください。

それでは、クリニックで行う良性のほくろの除去方法をご紹介します。

 

一般的な手術によるほくろ除去

一般的な手術(切除縫合法)では、メスを使用してホクロを切除し、縫合し、抜糸します。しかしこの方法では、ホクロの数倍程度の皮膚を切除し、縫合するため、傷跡が残ってしまうケースも少なくありません。最近は、この後ご紹介する電気メスやレーザーによる治療が増えていますが、ほくろの大きさや深さが一定以上(5ミリ以上)の場合は、切除縫合法でほくろを除去します。

 

電気メスやレーザー治療によるほくろ除去

最近の主流は電気メスやレーザーを用いた治療です。 電気メスではほくろを高周波の電気電気メスで削り取るように除去します。出血も少なく、治療時間が比較的短く済みます。しかし、鋭利なメスで皮膚をえぐる切除縫合法と同様に、患部をえぐることには違いはなく、焦げ目ができるので、底の辺りが黒くなったり、皮膚が陥没するなどの傷跡を残すこともあります。

現在の治療のメインは「炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)」です。これは皮膚に含まれる水分を蒸散し、ほくろの原因となる母斑細胞を焼き切る方法です。局所麻酔を行い、狙った箇所だけにアプローチできるため、肌へのダメ―ジも最小限の範囲にとどめ、患部の治癒も比較的早く、メスで切除した場合よりもキズ跡が残りにくい治療法です。ただし、大きなほくろや、皮膚の深いところにあるホクロには、レーザーだけでは対処できません。

電気メスによる手術もこのレーザー治療も、出血が少なく、患部を糸で縫う必要もないので、患者様の心身への負担が少ないのが大きなメリットと言えます。

 

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タカミクリニックでの新たなレーザー併用の治療とは?

当院が行う、良性のほくろ除去を目的としたレーザー治療についてもご説明します。当院では、「炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)」に、ほくろの色となっているメラニン色素だけに反応する「Qスイッチルビーレーザー」を併用して行っています。

まず炭酸ガスレーザーでほくろを小さく削ります。これだけで取り切ろうとすると、広めに削らなければならず、皮膚にくぼみを残す原因になります。一般的にはこれだけで除去しようとするところがほとんどです。

ところが、黒い色だけに反応するレーザーを併用して、メラニン色素だけを蒸発させることで、周囲の正常な細胞にはダメージを与えず、最小限の処置でほくろだけを除去することができます。この施術を行っている医療機関は、まだごく一部であり新しい治療法といえます。

この施術時間の目安は、ほくろ1個につき3~5分(大きさや深さにより多少変わます)。顔だけでなく、首にできたほくろも簡単に取ることが可能です。

毛が生えたほくろの場合には、脱毛用のレーザーで毛根を死滅させてから行います。また、ほくろが大きく盛り上がっている場合は、数回に分けて施術することもあります。レーザーで除去できる目安は5㎜くらいまで。それ以上の大きさの場合は、手術による切除も検討する必要があります。

 

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皮膚科のほくろ除去施術に関する悩み
 

いざ、クリニックでほくろ除去施術を受けようと思っても、いろいろな治療法があるため、治療法のメリット・デメリットや、また、どの医療機関にお願いすればいいのか、費用や治療回数はどうなるのかなど、いろいろと悩まれることでしょう。

ほくろの大きさや深さ、また盛り上がり具合によっては、電気メスやレーザー治療では対応できない場合もあります。まずは医療機関のホームページなどで治療内容や費用を確認しましょう。そして実際に訪れたら、しっかりしたインフォームドコンセント(正しい情報、治療の効果、かかる費用などについて説明を受けて、患者が納得して合意すること)を行うことが重要です。不安な点があったら、遠慮なく質問をして確認をしましょう。

またアフターフォローが充実していることも、医療機関を選ぶ基準にするといいでしょう。後悔を残さないためにも、納得して施術を受けることが、なにより大切です。

費用面では、美容目的の場合は自己負担になります。悪性の場合や明らかに体の負担になっている場合には、保険が適応にあるケースもあります。ただし、医療機関により違うため、こちらも事前に確認するようにしてください。

 

ほくろ除去施術のリスク・危険性は?

前述したとおり、メスによる切除手術や炭酸ガスレーザーだけで治療した場合は、治療跡や皮膚の陥没などが残ることがあります。また、ほくろの大きさや深さによって、数回治療を行う必要があることもあります。ほくろが再発する可能性もゼロではありません。

こうしたリスクは、ほくろの状態や医療機関の技術や経験により、差があるのが現状です。受診の際には、デメリットについても確認をするようにしましょう。

 

ほくろ除去の治療に必要な回数

ほくろの種類によりますが、皮膚の深くまで色素があるような場合、レーザーでは一度で取り切れない場合もありますが、逆に、術後の陥没を残さないためにも複数回に分けて施術が行われる場合があります。当院でも、治療跡をより目立たずきれいに仕上げるため、複数回の来院を推奨しています。

このあたりもほくろの個体差や個人差がありますので、自分のケースがどうなのか、しっかり医師に確認してください。

 

ほくろ除去の施術の痛み

治療法にもよりますが、基本的に部分麻酔を行いますので、施術中に痛みを感じることはありません。個人差がありますが、施術後の痛みもほとんどありません。

また、レーザー治療では、麻酔注射ではなく、麻酔クリームが利用される場合もあります。

 

ほくろ除去の施術の経過

レーザーで除去した部分は赤くなり、その後カサブタになります。炎症を抑える軟膏を塗り、テープで保護し7~10日はそのままに。その上からメイクをしてもOKです。その後は患部の赤みはなくなり、少しくぼんだ部分も次第に盛り上がってきて、1~3ヵ月ほどできれいになります。

なお、当院では、施術後の傷の治りを早め、色素沈着を防ぐために、レチノイン酸ゲルとハイドロキノンクリーム(いずれも医師の元で処方されるもの)などでケアを行うことをおすすめしています。

 

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まとめ
 

ほくろと一言で言っても、さまざまなものがあり、それによりコンプレックスを抱えてしまうこともあります。もしも、それを除去することで、明るい未来が訪れるのなら、十分その価値はあります。

そんな美容的な観点でほくろの除去を考えている場合は、その大きさや深さなどにより、どのような処置が最適なのかを、きちんと診察してもらう必要があります。治療方法や費用も医療機関によって違いがありますので、事前のリサーチやインフォームドコンセトが必須。後悔のない治療を受けるためにも、慎重に選んでください。

 

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