肝斑の原因と効果的なケア・対策
更新日:2024年8月16日 金曜日美を追い求める女性にとって、肌のトラブルは深刻な問題です。なかでも年齢とともに増え、濃くなるシミは、多くの女性にとって悩みのたねです。そして30代になってから肌に現れたシミは単なるシミではなく、スキンケアで対処が難しいとされる肝斑の可能性もあります。肝斑は通常のシミとは異なるため、注意が必要ということを皆さんはご存じでしょうか。
今回は、肝斑を見極めるために必要な基礎知識、肝斑の症状と肝斑ができる原因、そして肝斑の悪化を防ぐための対策をご紹介します。さらに、美容皮膚科での根本的な肝斑の治療法もご紹介していきます。肌のトラブルを減らし、透明感のある肌を手にいれるためには、肝斑の原因を知り、適切な対策を講じることが大切です。
※この記事は、美容皮膚科タカミクリニック副院長の山屋 雅美医師が監修しています。
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いつの間にかできていた…肝斑の症状と原因とは
いつの間にかシミができていた……。気づかないうちにシミが増えている……。そんな経験はありませんか?
それは単なるシミではなく肝斑かもしれません。そこでまずは肝斑を見極めるために、症状や特徴、原因、肝斑とシミの違いについて細かくチェックしていきましょう。
【1】症状・特徴
「肝斑」というシミの種類があることは知っていても、肝斑がどういうシミなのか詳しく知らないという方が多いのではないのでしょうか。一般的なシミと間違えやすい“肝斑”には大きな特徴があります。肝斑は基本的に左右対称で、顔の中心を境に、両側に同じような形状、大きさもほぼ同じサイズで現れます。肝斑は小さな点のシミではなく、比較的広い範囲に現れ、輪郭自体もはっきりとしておらず、輪郭がぼやけた形であることが特徴です。肝斑の一般的な色は薄茶色で、特に肝斑が現れやすい部位は頬骨の付近です。目の下あたりを縁取る形で現れるのが最も多いパターンですが、額、鼻の下、口周りにも現れます。
【2】原因
肝斑ができる原因は完全には解明されていませんが、妊娠や経口避妊薬(ピル)の服用がきかっけで発症したり、閉経後に薄くなったりする傾向あることから、女性ホルモンのバランスが大きく関係していると言われています。肝斑は20代から50代の日本人を含むアジア人の女性に多くみられ、特に30代から40代と妊娠中や更年期にかけてのタイミングで肝斑が現れやすくなっています。また、洗顔の際にゴシゴシと肌を洗うなど、肌を擦るといったスキンケア時の摩擦や、紫外線などの刺激によってメラニンが過剰に生成されることに加え、ストレスによるホルモンバランスの乱れで肝斑の症状が悪化します。
【3】普通のシミとの違い
肝斑とシミの違いは、主に発生部位にあります。肝斑は、頬骨上や頬、鼻の下、額、口周りなどの特定の部位に左右対称に現れます。一方、いわゆる一般的なシミとして知られる老人性色素斑(日光性色素斑)は、顔のさまざまな部位に現れるだけでなく、手の甲や前腕、背中など体にも現れることがあります。さらに、形状や大きさも普通のシミと違います。肝斑は輪郭がぼんやりとしており、大きさも比較的広範囲です。一方、老人性色素斑は境界がはっきりとしていて、米粒大から数センチ程度の円形をしています。
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肝斑を悪化させないためにも対策が大切
女性のホルモンバランスの崩れから30代に現れやすいこと、肝斑と一般的なシミとの違いが理解できたら、次は大切な対策方法をチェックしていきましょう。肝斑と普通のシミの原因や形状の違いについて説明しましたが、肝斑を悪化させないためには、様々な方法を知って総合的に対策することがポイントになります。
【1】 スキンケア
肝斑の発生には女性ホルモンのバランスが大きく関与していると述べましたが、肝斑を悪化させない予防法や、肝斑を薄くする方法としてスキンケアは非常に効果的です。肝斑は刺激によって悪化し、濃くなるため、まずは肝斑を悪化させるスキンケアを中止することも必要です。肌に摩擦や刺激を与える恐れがあるスクラブの使用や強いマッサージの中止、そして化粧水を塗るときも肌へ刺激を与えないようコットンは使用せずに手で塗るようにしましょう。洗顔時の肌への摩擦を抑えるための質の良い弾力泡がつくれる洗顔料のセレクトや泡立てネットの使用など、効果的に予防ケアできる化粧品を取り入れましょう。また、肝斑は紫外線の刺激によっても悪化します。紫外線ダメージを受けないために1年を通して必ず日焼け止めを塗るように習慣づけましょう。メラニン色素の生成を抑えるといわれている「ハイドロキノン」と呼ばれる成分が入ったクリームなどの外用剤も肝斑に有効とされていますが、その分肌への刺激も強く、使用の際には注意が必要です。最近では、ハイドロキノンよりも刺激が少なく、より強力な脱色作用をもつ「システアミン」という成分を配合した化粧品も開発されています。どちらも試してみたい方は、医師の指導やアドバイスを受けると安心です。
肝斑が発生しやすい30代になる前の20代のうちから予防を兼ねてスキンケアの見直しをすることが大切です。
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【2】 漢方で肝斑対策
肝斑に効果があるとされている漢方薬は、「加味逍遥散」や「桂枝茯苓丸」が知られています。「加味逍遥散(かみしょうようさん)」は血流を改善しホルモンのバランスを整えて肝斑に効くとされています。また、悩みのタネである便秘や更年期障害にも効果的とされていて、女性にとっては万能な漢方薬として人気があります。一方の「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」は血行を改善する漢方薬。生理痛や産後にも適していて、体内環境を整えることにより肝斑に効果的とされています。基本的に東洋医学の漢方は科学的に肝斑を治すというよりも、人間の内面的な部分から体のバランスを整えていく方法です。そのため、漢方薬には急な効果は見込めませんが、じっくりと時間をかけて体調やホルモンバランスを整えるといった意味での対策方法になります。
【3】 内服薬で肝斑対策
肝斑治療には、「ハイドロキノン」「システアミン」などの美白外用剤などを使用して、肌を外側からケアをしていく方法だけではなく、体の内側からケアをしていく方法もあります。効果的な方法としては、肝斑の改善薬として効果を認められている「トラネキサム酸」が入った薬の内服です。トラネキサム酸は、シミの原因となるメラニン色素を生成する細胞であるメラノサイトを活性化するプラスミンという物質の働きを抑えることにより、過剰なメラニン産生を防ぐ効果があります。抗酸化作用の働きがあるビタミンCや、メラニンを抑制する働きのあるアミノ酸L-システインなども配合されているトラネキサム酸が主成分のOTC医薬品(一般用医薬品)も薬局やドラッグストアで購入することができますが、トラネキサム酸は血栓症や透析療法を受けている方、経口避妊薬(ピル)を服用中の方、長期の連続服用を避けるなど、服用に関して注意が必要なため、使用する場合は医師や薬剤師などの専門家に相談をすると安心です。
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【4】 美容皮膚科で肝斑対策
肝斑は治療内容によっては悪化するリスクがあるため、症状をしっかりと見極めてから治療をしていくことが重要です。
はっきりとした根本原因が解明されておらず、診断や治療が難しいと言われている肝斑だからこそ、肌の専門家である美容皮膚科を受診すると安心して治療が受けられます。
美容皮膚科では、安全な専用レーザーを使ってメラニンを減らしていく、「レーザートーニング」や「ピコトーニング」、エレクトロポレーション治療「メソフェイシャル」、処方薬などを使用した総合的な方法を推奨しています。外面と内面の様々なアプローチから施術をおこない、肝斑をトータル的に減らしていくのが美容皮膚科の方法です。
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美容皮膚科の肝斑治療方法とは
それでは総合的なアプローチで肝斑を減らしていく、美容皮膚科の治療法を詳しくチェックしていきましょう。
気になるシミが肝斑なのかといった基本的な判断はもちろん医師に任せますが、美容皮膚科に訪れる際には事前に自分でも情報を調べておくことが大切です。例えば「レーザートーニング」というレーザー治療はどういった施術なのか、肝斑に効く薬にはどんなものがあるのか美容皮膚科を訪れる前にしておくことがあるか、といったこともチェックしておくべき大切なポイント。
不安な気持ちではなく安心して肝斑治療を受けるためにも、必ず目を通しておきましょう。
【1】シミ診察
一般的なシミと肝斑の違いを判別ことは一見しただけでは難しいため、メイクをしていると医師でも見分けがつきません。正確な判断をおこなうため、美容皮膚科ではメイクを落とした状態で肌を医師がチェックします。そして肌状態を見極めたうえで、一人ひとりに合った肝斑治療を提案します。肝斑は、老人性色素斑と重なって発生している場合など見落としてしまうケースもありますので、シミ治療の経験が豊富な医師がいる美容皮膚科を選ぶと良いでしょう。
【2】レーザー治療
ひとえに肝斑の「レーザー治療」といっても、様々な方法や医療機器があります。
一般的な高出力のレーザーを使用すると、肌に対する刺激によってメラノサイトが活性化してしまうため、肝斑を悪化させてしまう可能性があります。そのため、美容皮膚科では低出力の専用レーザーを使って治療をおこないます。
美容皮膚科でおこなう肝斑治療の「レーザートーニング」は、高度な医療専用に開発された「Qスイッチヤグレーザー」を使用。人体に対する安全性はもとより、広範囲にわたり刺激の少ないやさしいレーザーを照射できるため、肌へのダメージを最小限に留めます。
また、「レーザートーニング」はメラニン色素を緩やかに除去し、メラニンが蓄積されている層まで深く届くことも特徴。そして刺激が少ないというメリットがあるため、「ダウンタイム」もほとんどなく、皮膚にかさぶたができるなどの心配も少ない、安心して受けられる治療です。肝斑の症状によっては、ピコ秒レーザーを使用する「ピコトーニング」をおこなう場合もあります。どちらも痛みもほとんどなく、美容皮膚科での肝斑治療後は、すぐに化粧をして帰宅できます。
【3】内服薬(飲み薬)・外用薬(塗り薬)による治療
肝斑治療は、トラネキサム酸などの内服と美白外用剤での治療が基本となります。そのため、肝斑と診断されると、レーザートーニングなどの院内施術と併用して、内服薬や外用薬が処方されます。飲み薬を処方された場合は規定量を忘れずに飲み、クリームなどを処方されたら必ず塗りましょう。院内での治療ではなく複数の側面からアプローチすることで、より早く効果的に肝斑を改善することができます。
【4】治療後に気をつけること
肝斑の治療中に気をつけてほしいことがあります。
肝斑と診断されると、レーザートーニングの処置や薬の処方だけでなく、スキンケアや日常生活のアドバイスを受けます。肝斑はスキンケア時の摩擦や刺激によって悪化してしまうこともあります。せっかく美容皮膚科で施術を受けても日常のケアで悪化させてしまっては意味がないため、スキンケア方法などもしっかりと指導してもらいましょう。「レーザートーニング」や「ピコトーニング」は一度で終わるわけではないので、決められたペースで継続的に受診してレーザー治療を行い、内服薬と外用薬での自宅治療と肝斑を悪化させないスキンケア、生活習慣を継続して、美しい肌を目指しましょう。
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まとめ
肝斑の原因と対策を紹介しましたが、いかがでしたか。まず大切なのは肝斑とシミの違いを理解することです。肝斑とシミの見分け方も紹介しましたが、自分で見極めることが難しい場合や、シミケアをしても改善せずに悪化していく場合は、美容皮膚科へ受診し、悩んでいるシミが「老人性色素斑(日光性色素斑)」なのか、「肝斑」なのか医師に見極めてもらうことが重要です。そのうえで、肝斑を自分で治したい方は、悪化させないための対策ケアや、肝斑に効くとされているトラネキサム酸が配合されている飲み薬、化粧品などを取り入れてみるのも一つの方法です。美容皮膚科であればトータルにケアをサポートしてもらえます。もちろん、レーザー治療の「レーザートーニング」「ピコトーニング」も含めて、医学的な治療も安心して受けることができます。また、肌にできてしまった肝斑の改善だけではなく、今後の悪化を防ぐための予防も可能です。もし肝斑のようなシミを見つけたら、早めにトータルケアが可能な美容皮膚科を受診することをおすすめします。
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