ターンオーバーの乱れを正常にして美肌美人に!
更新日:2024年10月4日 金曜日私たちの肌細胞は、常に生まれ変わっています。この肌の生まれ変わりの仕組みを「ターンオーバー(新陳代謝)」と呼びます。美しい肌を保つためには、肌のターンオーバーが正常におこなわれることがとても重要です。しかし、加齢や生活の乱れ、間違ったスキンケアなどによってターンオーバーの周期が乱れることがあります。そこで今回は、“美肌づくりの要”となるターンオーバーの仕組みと、ターンオーバーを正常に維持する方法について解説していきます。
※この記事は、美容皮膚科タカミクリニック副院長の山屋 雅美医師が監修しています。
治療の相談・予約をする
ターンオーバーのメカニズム
肌の美しさを左右するターンオーバー。そのメカニズムを知っておくことは、肌の仕組みを知ることにもなり、いつまでも若々しい、美しい肌を実現するために役立ちます。
皮膚の構造と機能
まずは、皮膚の構造と機能を見ていきましょう。皮膚は表面から「表皮」「真皮」「皮下組織」の三層で構成されています。表皮は外的刺激(紫外線、花粉、細菌など)から体を守る働きと、体内から水分が蒸発するの防いでうるおいを保つ働きがあり、バリア機能を果たすなど重要な役割を担っています。真皮はコラーゲン繊維やエラスチンなどから構成され、表皮を支えています。皮下組織は脂肪などを蓄え、外からの力や刺激から体を守るクッション役を果たしています。
ターンオーバーとは
表皮は下から「基底層(きていそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「顆粒層(かりゅうそう)」「角質層(かくしつそう)」の4層構造になっており、表皮細胞は一番下の基底層で産生されます。新しくつくられた細胞は形を変えながら、徐々に表面に押し上げられ、やがて垢となって剥がれ落ちます。この表皮の新陳代謝していく営みを「角化」、または「ターンオーバー」と呼びます。
私たちの肌では、常にターンオーバーが繰り返されて、細胞が生まれ変わっているのです。そのおかげで、肌は美しさや若々しさを保つことができ、外的刺激から体を守る重要な働きを果たすことができるのです。
ターンオーバーの周期
このターンオーバーの周期は部位により異なりますが、およそ28日程度と考えられています。皮膚の厚さや血行などが関係しており、顔はほかの部位より早く、一般的に理想は28日。基底層から顆粒層までが14日、角質細胞となって剥がれ落ちるまで14日が目安となっています。ほかの部位、例えばカカトなどは遅く、顔の肌の約2~3倍かかるとも言われています。
肌のターンオーバーの周期は遅すぎても、早すぎてもよくありません。遅くなるということは新陳代謝が悪くなるということ。いつまでも古い角質が肌表面に残ることで、角質層が厚くなる「角質肥厚」を起こします。角質肥厚が起きた肌は、ゴワゴワしたり、カサカサするなど、滑らかさを失い、肌印象を下げてしまいます。
一方、肌のターンオーバーが早すぎる場合は、肌細胞が未熟なまま上に押し上げられ、正常な角化がおこなわれないことがあります。結果、正常な肌の生まれ変わりがおこなわれず、NMF(天然保湿因子)や角質間細胞間脂質などの保湿因子も十分につくられない、水分保持力がない乾燥肌や外的刺激に弱い敏感肌になってしまいます。
年齢によるターンオーバーの違い
ターンオーバーの周期は年齢を重ねるにつれて遅くなります。個人差もありますが、40代になると40日以上かかるといわれています。シミが目立ちやすくなったり、肌の傷の治りが遅くなるのは、ターンオーバーの周期が遅くなるためです。
なお、ターンオーバーの遅れによる角質肥厚は、肌の乾燥、くすみ、ニキビの発生、毛穴目立ちなどの肌トラブルにつながります。つまり美肌のためには、年齢を重ねても、できるだけターンオーバーの周期を遅らせずに、正常化させることが大切なのです。
表皮と真皮でのターンオーバーの違い
美しく健康的な肌を維持するためのスキンケアは、表皮だけでなく、真皮も含めて考える必要があります。
真皮はコラーゲン繊維やエラスチンなどで構成され、肌のハリや弾力を保ち、毛細血管により皮膚の隅々まで栄養分と酸素を届ける働きをしています。真皮も新陳代謝により生まれ変わりますが、表皮の厚さが0.2㎜に対して真皮の厚さは1.8㎜もあるため、新陳代謝の周期は表皮よりもずっと長く、3~5年かかると言われています。
なお、真皮の働きが弱まると、肌のハリや弾力がなくなり、しわやたるみや毛穴の開きが目立ってきます。栄養分の供給も十分にできなくなれば、肌は衰えていくことになります。一旦、深いしわやたるみや開き毛穴ができてしまうと、なかなか改善や修復するのが難しくなるのが現状です。
治療の相談・予約をする
お肌の敵!ターンオーバーが乱れる原因
肌のターンオーバーの正常化が「美肌づくりの要」ですが、その働きや周期を乱してしまう原因はなんなのでしょうか?その原因を大きく5つに分けて説明します。
【1】間違ったスキンケアによるターンオーバーの乱れ
まず考えられるのは、不十分な洗顔です。メイクがきちんと落とし切れていないと、その小さな積み重ねが原因で、本来剥がれ落ちるべき角質細胞が肌にとどまり、角質肥厚を起こすことがあります。また、タオルでゴシゴシ擦るのもよくありません。摩擦の刺激により、角質は防御力を高めるために強化され肥厚していきます。
一方で洗い過ぎや自己流でおこなうピーリングも問題です。刺激の強い洗浄成分やピーリング剤により角質を必要以上にとってしまうと、そこを修復しようとターンオーバーを早めてしまう可能性があります。
特にピーリングをおこなう場合は、皮膚科などの専門家のもとで肌の状態を確認したうえで、正しくおこなうことが大切です。
【2】紫外線によるターンオーバーの乱れ
海やレジャーなどで短時間に強い紫外線に当たると、肌が赤くなるサンバーン(軽い火傷状態)を引き起こします。また、たとえ日常的に浴びる弱い紫外線であっても、長期に渡って浴び続けることで、真皮にあるハリや弾力に関わるコラーゲンやエラスチンを産生する線維芽細胞が損傷されていきます。
こうした紫外線によるダメージは、肌のターンオーバーを乱す大きな原因の一つです。細胞がダメージを受けると修復を急ぐために、一時的にターンオーバーが早まることがあります。さらに、紫外線から肌を守るために角質が厚くなり、角質肥厚を引き起こします。
なお、紫外線により生成されたメラニンは、通常ターンオーバーにより自然に排出されていきますが、ターンオーバーが乱れると表皮に留まり、メラニン色素がシミとして沈着してしまいます。特に、老人性色素斑は紫外線によって発生しやすいことから別名「日光性色素斑」とも呼ばれています。
【3】精神的ストレスによるターンオーバーの乱れ
過度な精神的ストレスもターンオーバーを乱す原因になります。ストレスは、血管収縮による肌の栄養不足や、自律神経の乱れ、ホルモンバランスの乱れを引き起こし、その結果、肌のスムーズな新陳代謝を阻害してしまいます。
【4】生活習慣によるターンオーバーの乱れ
肌のターンオーバーの正常化を阻害する原因は生活習慣にも潜んでいます。
睡眠は脳や体の安息だけでなく、皮膚や内臓の修復タイムでもあります。肌のターンオーバーに欠かせない、成長ホルモンが分泌されるのも睡眠中です。つまり睡眠不足は、肌のターンオーバーを乱す元凶です。
また、栄養バランスのいい食事はターンオーバーを整えるためには必須です。特に皮膚のもとになるタンパク質を摂らないと、肌の不調を引き起こします。また、タンパク質を上手に吸収するためのビタミンやミネラルも必要です。肉、魚、乳製品、卵などと、野菜や海草、キノコ類などをバランスよく摂取することが大切です。
喫煙や過度な飲酒も、血液循環や代謝機能に影響を与えることで、ターンオーバーの乱れにつながり、肌荒れや老化肌を促進する原因の一つとなります。
【5】加齢によるターンオーバーの乱れ
前述したとおり、加齢により肌のターンオーバーは遅れていきます。それはある程度はしかたないことですが、生活習慣を改めることで、少しでもターンオーバーを正常化することができるでしょう。また、美容クリニックでのケアも多いに役に立ちます。
治療の相談・予約をする
健康的なターンオーバーを維持するための方法
日々の生活の中のちょっとした習慣の変化で、肌のターンオーバーを整えることができます。主なポイントは3つ!「正しい洗顔&スキンケア」「生活習慣の改善」「紫外線(UV)ケア」です。ちょっと意識して、一つでも実践することをおすすめします。
【1】正しい洗顔とスキンケアでターンオーバー対策
1日に何度も洗う、擦りすぎ、熱い湯での洗顔は、角質や肌の保護のために必要とされる皮脂までとり過ぎてしまいます。結果、肌のターンオーバーを乱す大きな原因に。洗浄力が強すぎる洗顔料は使用せず、よく泡立ててから肌にのせ、やさしく洗います。そしてぬるま湯で泡をしっかりと洗い流し、タオルでふくときは、押さえるようにして、決してゴシゴシ擦らないようにしましょう。
そして、化粧水で十分な保湿をおこない、乳液やクリームなどの油分で肌表面の保護をおこないましょう。毎日の正しいスキンケアで肌の保水力を高めることが、結果、ターンオーバーを整えることにつながります。
【2】生活習慣の改善でターンオーバー対策
生活習慣の中でも特に重要なのが睡眠です。肌のターンオーバーを促す働きのある成長ホルモンは、睡眠中に分泌されます。理想的な睡眠時間は6時間以上、特に成長ホルモンが多く分泌される就寝後3時間〜4時間の間に深く眠ることが重要です。質の高い深い睡眠を得るためには、毎日同じ時間帯に就寝・起床するなど、規則正しい睡眠サイクルを保ちましょう。肌の新陳代謝が睡眠中に活発におこなわれることを忘れず、良質な睡眠を心掛けることが大切です。
また、暴飲暴食を避け、栄養バランスのとれた食事を心掛け、ストレスを溜めこまない生活も、ターンオーバーを整えるために大切です。喫煙や過度な飲酒も控えましょう。日々の小さな心掛けがターンオーバーのサイクルの低下を防ぎ、将来にわたって美肌を維持してくれることを忘れないでください。
【3】UVケアでターンオーバー対策
肌へダメージを与え、ターンオーバーを乱す外的要因は紫外線。紫外線ダメージは肌老化の約8割を占めると言われています。UVケアは今や、一年を通して必要です。日焼け止めを塗ったり、日差しが強い時期には、帽子や日傘などを利用するのもいいでしょう。
治療の相談・予約をする
美容皮膚科でのターンオーバー対策
肌のターンオーバーを正常にするためには、日々の生活習慣を整えることに加え、美容皮膚科での専門的な治療も活用してみてはいかがでしょうか?
■ソフトピーリング
美容皮膚科では個々の肌の状態に合わせたピーリングが可能です。グリコール酸によるピーリング作用で角質の状態を整えることで、ターンオーバーを正常に導きます。痛みはなく、施術後に皮が剥けたり、カサカサするなどのダウンタイムもありません。
ターンオーバーを整えることで、ニキビの治療や予防、脂性肌の改善や毛穴の収縮、美白効果も期待できます。
ソフトピーリングについて詳しく見る
■タカミクリニック式イオン導入
イオン導入とは、微弱な電流を用いることで、美容有効成分を肌の深部にまで浸透させることです。ソフトピーリングにより肌表面の角層を整えた後は、浸透性が高まっているので、ここでイオン導入をおこなうとさらに効果がアップします。
ターンオーバーを正常に導き、ニキビの鎮静や軽減、毛穴の収縮、メラニン生成の抑制など、さまざまな美肌効果が期待できます。
イオン導入について詳しく見る
■ペパーミントピール
5種類のピーリング成分、3種類の保湿成分、抗しわペプチド、メントールを配合したイタリア発のピーリング製剤を肌に浸透させることで、古い角質の除去と肌細胞の再生を促す治療です。
絶妙な割合で配合されている5種類のピーリングが、古い角質を取り除いてターンオーバーを促すとともに、真皮の深層に働きかけてコラーゲン生成を活性化させます。これらの作用により、肌のハリやツヤが向上し、高い美肌効果が期待できます。
ペパーミントピールについて詳しく見る
治療の相談・予約をする
まとめ
美肌づくりの要は、ターンオーバーのサイクルを正常に保ち、皮膚の機能を維持することです。それには日々の生活習慣の改善、そして正しいスキンケアと紫外線対策がなにより大切です。しかし、肌のターンオーバーの状態は、自分ではなかなか把握できないものです。肌の調子に不安を感じたら、是非、正しい診断と適切な処置をしてくれる美容皮膚科医に相談しましょう。
タカミクリニックの「美肌へのこだわり」を見る
治療の相談・予約をする