あなたの肌悩みに医師がお答えします
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ターンオーバーの乱れを正常にして美肌美人に!

更新日:2022年11月30日 水曜日

私たちの肌細胞は、常に生まれ変わっています。この肌の生まれ変わりの仕組みを「ターンオーバー」と呼びます。美しい肌を保つためには、ターンオーバーが正常に行われることがとても重要です。しかし、加齢や生活の乱れ、間違ったスキンケアなどによってターンオーバーの周期が乱れることがあります。そこで今回は、“美肌づくりの要”となるターンオーバーの仕組みと、正常に維持する方法について解説していきます。

 

※この記事は、美容皮膚科タカミクリニック副院長の山屋 雅美医師が監修しています。

 

 

ターンオーバーのメカニズム
 

肌の美しさを左右するターンオーバー。そのメカニズムを知っておくことは、肌の仕組みを知ることにもなり、いつまでも若々しい、美しい肌を実現するために役立ちます。

 

ターンオーバーとは

まずは、皮膚の構造とメカニズムを見ていきましょう。皮膚は表面から「表皮」「真皮」「皮下組織」の三層から成り立っています。表皮は外的刺激から体を守る働きをしています。真皮はコラーゲン繊維やエラスチンなどから構成され、表皮を支えています。皮下組織は脂肪などを蓄え、外からの力や刺激から体を守るクッション役を果たしています。

 

表皮は下から「基底層(きていそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「顆粒層(かりゅうそう)」「角層(かくそう)」の4層構造になっており、表皮細胞は一番下の基底層で産生されます。新しく作られた細胞は形を変えながら、徐々に表面に押し上げられ、やがて垢となって剥がれ落ちます。この表皮の新陳代謝していく営みを「角化」、または「ターンオーバー」と呼びます。

私たちの肌では、常にターンオーバーが繰り返されて、細胞が生まれ変わっているのです。そのおかげで、肌は美しさや若々しさを保つことができ、外刺激から体を守る重要な働きを果たすことができるのです。

 

ターンオーバーの周期

このターンオーバーの周期は部位により異なりますが、およそ28日程度と考えられています。皮膚の厚さや血行などが関係しており、顔はほかの部位より早く、一般的に理想は28日。基底層から顆粒層までが14日、角質細胞となって剥がれ落ちるまで14日が目安となっています。ほかの部位、例えばカカトなどは遅く、顔の肌の約2~3倍かかるとも言われています。

ターンオーバーの周期は遅すぎても、早すぎてもよくありません。遅くなるということは新陳代謝が悪くなるということ。いつまでも古い角質が肌に残ることで、角層がゴワゴワと厚くなる「角質肥厚」を起こします。

一方、早すぎる場合は、肌細胞が未熟なまま上に押し上げられ、正常な角化が行われないことがあります。結果、正常な角化が行われず、NMF(天然保湿因子)や角質間細胞間脂質などの保湿因子も十分に作られない、水分保持力がない乾燥肌や外刺激に弱い敏感肌になってしまいます。

 

年齢によるターンオーバーの違い

ターンオーバーの周期は年齢を重ねるにつれて遅くなります。個人差もありますが、40代になると40日以上かかるといわれています。シミが目立ちやすくなったり、肌の傷の治りが遅くなるのは、ターンオーバーの周期が遅くなるためです。

なお、ターンオーバーの遅れによる角質肥厚は、肌の乾燥、くすみなどの肌トラブルにつながります。つまり美肌のためには、年齢を重ねても、できるだけターンオーバーの周期を遅らせずに、正常に働かせることが大切なのです。

 

表皮と真皮でのターンオーバーの違い

美しく健康的な肌を維持するためのスキンケアは、表皮だけでなく、真皮も含めて考える必要があります。

真皮はコラーゲン繊維やエラスチンなどで構成され、肌のハリや弾力を保ち、毛細血管により皮膚の隅々まで栄養分と酸素を届ける働きをしています。真皮も新陳代謝により生まれ変わりますが、表皮の厚さは0.2㎜に対して真皮の厚さは1.8㎜もあるため、新陳代謝の周期は表皮よりもずっと長く、3~5年かかると言われています。

なお、真皮の働きが弱まると、肌のハリや弾力がなくなり、シワやたるみや毛穴の開きが目立ってきます。栄養分の供給も十分にできなくなれば、肌は衰えていくことになります。一旦、深いシワやたるみや開き毛穴が出来てしまうと、なかなか改善や修復するのが難しくなるのが現状です。

 

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お肌の敵!ターンオーバーが乱れる原因
 

肌のターンオーバーの正常化が「美肌づくりの要」ですが、その働きや周期を乱してしまう原因はなんなのでしょうか?実は、それは日々の生活習慣にあります。

 

【1】間違ったスキンケアによるターンオーバーの乱れ

まず考えられるのは、不十分な洗顔です。メイクがきちんと落とし切れていないと、その小さな積み重ねが原因で、本来剥がれるべき角質細胞が肌にとどまり、角質肥厚を起こすことがあります。また、タオルでゴシゴシ擦るのもよくありません。摩擦の刺激により、防衛力を高めようと角質を強化しようと肥厚していきます。

一方で洗い過ぎや自己流で行うピーリングも問題です。刺激の強い洗浄成分やピーリング剤により角質を必要以上にとってしまうと、そこを修復しようとターンオーバーを早めてしまう可能性があります。

特にピーリングを行う場合は、皮膚科などの専門家の元で肌の状態を確認したうえで、正しく行うことが大切です。

 

【2】紫外線によるターンオーバーの乱れ

強い紫外線(UVB)に当たると、肌が赤くなるサンバーン(軽い火傷状態)を起こします。また、たとえ日常の弱い紫外線(UVA)であっても、長期に渡って浴び続けることで、真皮のハリや弾力に関わる線維芽細胞が損傷されていきます。

こうした肌へのダメージもターンオーバーを乱す大きな原因です。細胞がダメージを受けると、修復しようとしてターンオーバーを早めてしまいます。そして、紫外線から肌を守るために角質を厚くしてしまいます。

なお、紫外線により再生されたメラニンは、本来はターンオーバーとともに排出されますが、ターンオーバーが乱れて表皮に留まると、メラニン色素がシミとなって沈着してしまいます。

 

【3】精神的ストレスによるターンオーバーの乱れ

過度な精神的ストレスもターンオーバーを乱す原因になります。ストレスは、血管収縮による肌の栄養不足や、自律神経の乱れ、ホルモンバランスの乱れを引き起こし、その結果、肌のスムーズな新陳代謝を阻害してしまいます。

 

【4】生活習慣によるターンオーバーの乱れ

肌のターンオーバーの正常化を阻害する、大きな原因は生活習慣にも潜んでいます。

睡眠は脳や体の安息だけでなく、皮膚や内臓の修復タイムでもあります。肌のターンオーバーに欠かせない、成長ホルモンが分泌されるのも睡眠中です。つまり睡眠不足は、ターンオーバーを乱す元凶です。

また、栄養バランスのいい食事はターンオーバーを整えるためには必須です。特に皮膚の元になるたんぱく質を摂らないと、肌の不調を引き起こします。また、たんぱく質を上手に吸収するためのビタミンやミネラルも必要です。肉、魚、乳製品、卵などと、野菜や海草、キノコ類などをバランスよく摂取することが大切です。

喫煙や過度な飲酒も、血液循環や代謝機能に影響を与えることで、ターンオーバーの乱れにつながり、肌荒れや老化肌を促進する一大原因です。

 

【5】加齢によるターンオーバーの乱れ

前述したとおり、加齢によりターンオーバーは遅れていきます。それはある程度はしかたないことですが、生活習慣を改めることで、少しでも正常化に導くことができるでしょう。また、美容クリニックでのケアも多いに役に立ちます。詳しくは下記で紹介します。

 

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健康的なターンオーバーを維持するための方法
 

日々の生活の中のちょっとした習慣の変化で、ターンオーバーを整えることができます。主なポイントは3つ! 「正しい洗顔&スキンケア」「生活習慣の改善」「紫外線(UV)ケア」です。ちょっと意識して、ひとつでも実践することをおすすめします。

 

【1】正しい洗顔とスキンケアでターンオーバー対策

1日に何度も洗う、こすり過ぎ、熱い湯での洗顔は、角質や肌の保護のために必要な皮脂をとり過ぎてしまいます。結果ターンオーバーを乱す大きな原因に。洗浄力が強すぎる洗顔料は使用せず、よく泡立ててから肌にのせ、やさしく洗います。そしてぬるま湯で泡をしっかりと洗い流し、タオルでふくときは、押さえるようにして、決してゴシゴシ擦らないようにしましょう。

そして、化粧水で十分な保湿を行い、乳液やクリームなどの油分で肌表面の保護を行いましょう。毎日の正しいスキンケアで肌の保水力を高めることが、結果、ターンオーバーを整えることにつながります。

 

【2】生活習慣の改善でターンオーバー対策

特に重要なのが睡眠です。理想的な睡眠時間は6時間以上、かつ成長ホルモンが分泌されやすい22時~深夜2時の間に十分な睡眠時間を確保したいものです。肌の新陳代謝は寝ている間に行われるということを忘れないようにしましょう。

また、暴飲暴食を避け、栄養バランスのよい食事、ストレスを溜めこない生活が、ターンオーバーを整えるために大切です。喫煙や過度な飲酒も控えましょう。小さな積み重ねが、ターンオーバーのサイクルの低下を防ぎ、将来にわたって美肌を維持してくれることを忘れないでください。

 

【3】UVケアでターンオーバー対策

肌へダメージを与え、ターンオーバーを乱す外的要因は紫外線。紫外線ダメージは肌老化の約8割を占めると言われています。UVケアは今や、1年中必要です。日焼け止めを塗ったり、日差しが強い時期には、帽子や日傘などを利用するのもいいでしょう。

 

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美容皮膚科でのターンオーバー対策
 

ターンオーバーを正常にするためには、日々の生活習慣を整えることに加え、美容皮膚科での専門的な治療も活用してみてはいかがでしょうか?

 

ソフトピーリング

美容皮膚科では個々の肌の状態に合わせたピーリングが可能です。グリコール酸によるピーリング作用で角質の状態を整えることで、ターンオーバーを正常に導きます。痛みはなく、施術後に皮が剥けたり、カサカサするなどのダウンタイムもありません。

ターンオーバーを整えることで、ニキビの治療や予防、脂性肌の改善や毛穴の収縮、美白効果も期待できます。

 

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タカミクリニック式イオン導入

イオン導入とは、微弱な電流を用いることで、美容有効成分を肌の深部にまで浸透させることです。ソフトピーリングにより肌表面の角層を整えた後は、浸透性が高まっているので、ここでイオン導入を行うとさらに効果がアップします。

ターンオーバーを正常に導き、ニキビの鎮静や軽減、毛穴の収縮、メラニン生成の抑制など、さまざまな美肌効果が期待できます。

 

タカミクリニック式イオン導入の詳細を見る

 

マッサージピール

専用のピーリング薬剤を肌にやさしく押し込むようにマッサージしながら浸透させ、線維芽細胞を活性化させることによりコラーゲン増生を図り、肌にハリや弾力をもたらしていく治療です。

施術を受けた直後からお肌のハリやツヤの違いを実感でき、また同時に、コウジ酸のメラニン生成抑制作用によりシミやくすみも改善していきます。
キメの乱れやたるみからくる毛穴目立ちや毛穴のざらつき改善効果もあります。

 

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まとめ
 

美肌づくりの要は、ターンオーバーのサイクルや働きを正常に維持することです。それには日々の生活習慣の改善がなにより大切です。しかし、肌のターンオーバーの状態は、自分ではなかなか把握できないものです。肌の調子に不安を感じたら、是非、正しい診断と適切な処置をしてくれる美容皮膚科医に相談しましょう。

 

タカミクリニックの「美肌へのこだわり」
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