二の腕にできるぶつぶつの原因と治療方法
更新日:2024年7月31日 水曜日二の腕にできるぶつぶつが気になって、ノースリーブを着ることができない…と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。今回は、二の腕の赤いぶつぶつ、茶色や白いぶつぶつの原因や治し方、その治療方法について詳しくご紹介していきます。
※この記事は、美容皮膚科タカミクリニック副院長の山屋 雅美医師が監修しています。
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二の腕にできるぶつぶつの症状と原因は?
【1】二の腕にできるぶつぶつの症状
二の腕にできる小さなぶつぶつ。触るとザラザラしていて、赤いぶつぶつ、茶色のぶつぶつがいくつもまとまって発生するのが特徴です。
痛みやかゆみはほとんどの場合ありませんが、二の腕がキレイに見えないのが非常に気になりますよね。一見、ニキビのようにも見えますが、顔などの皮脂の多い部分には発生せず、ひどい炎症を起こして赤く腫れ上がることもありません。症状自体は軽いものの、時間が経ってもぶつぶつがなかなか自然に治らないのが難点です。
【2】二の腕にできるぶつぶつの原因
二の腕のぶつぶつは、ターンオーバーの乱れにより古い角質が毛穴に溜まることが原因で発生します。
毛穴に角質がたまることで皮膚が盛り上がり、ぶつぶつとした見た目になってしまうのです。さらに角質だけでなく毛も一緒に詰まっていたり、軽く炎症を起こして赤みが発生したりする場合もあります。ただし根本的な原因はまだはっきりと解明されておらず、遺伝による影響もあると考えられています。またこれは一般的によく見られる皮膚疾患であり、日本の10代の30~40%に見られるといわれています。
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二の腕にできるぶつぶつの種類
【1】二の腕のぶつぶつの正体は毛孔性苔癬かも
二の腕にできるぶつぶつの正体は、「毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)」という皮膚疾患の可能性が高いでしょう。毛孔性苔癬の場合、ぶつぶつとした盛り上がりは普通の皮膚の色、または薄い赤や茶褐色をしており、外見以外の自覚症状はほとんどありません。ただし、まれにかゆみを感じることはあるようです。触るとザラザラしているため、肌触りの悪さも悩みの原因になっているのではないでしょうか。
その他、二の腕だけでなく、体では背中やヒップに、顔では頬に症状が出ることもあります。二の腕のぶつぶつがこれらの症状に当てはならなかった場合は、ほかの皮膚疾患である可能性があります。
特に、あまりにも炎症がひどかったり、痛みのあるぶつぶつが発生したり、痒みを伴う赤い斑点が発生する場合、足の甲や足の裏、脛、ふくらはぎ、前腕(肘から下の腕)などにできる場合は注意しましょう。早めに病院へ行き、適切な治療を受けることが大切です。
【2】毛孔性苔癬とは?
二の腕のぶつぶつの原因として最も多い「毛孔性苔癬」。「毛孔性角化症(もうこうかくかしょう)」とも呼ばれる遺伝性皮膚疾患です。子どもから20歳くらいまでの若い人に発生しやすく、30代以降になると自然に消えていく場合が多いです。ただし中には、40代、50代になっても治らない方もいます。
また、男性よりも女性が発症することが多いといわれています。そして毛孔性苔癬は良性の皮膚疾患であるため放置していても全く問題はなく、他人に感染することもありません。ただし、目に見える症状がありますので、若い女性の場合は精神的なダメージが大きいでしょう。
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二の腕にできるぶつぶつの治療法は?
【1】よく使われる薬
毛孔性苔癬を治すためには、二の腕の角質を柔らかくして除去する効果のある、サリチル酸や尿素を配合したクリームがよく使われます。皮膚科で処方してもらうほか、自分で市販薬を購入することも可能です。さらに、二の腕のぶつぶつは乾燥によって悪化することが多いため、保湿効果のある薬も使用されます。
また、ニキビなどの吹き出物には殺菌効果のある薬、湿疹や皮膚炎などにはリンデロンなどのステロイドや抗生剤が配合された軟膏やクリームなどの外用薬が使用されますが、毛孔性苔癬は感染や湿疹が原因で発生する皮膚疾患ではないため、使っても効果はありません。症状の見た目は似ていますが、使用する薬は異なるため注意しましょう。背中など毛孔性苔癬もニキビもできやすい部位の場合は、自己判断せずに医師による診察を受けた方が安心です。
【2】一般皮膚科の治療内容
手軽に購入できる市販薬は便利ですが、より高い効果を得るためには皮膚科を受診するのがおすすめです。サリチル酸や尿素を配合した塗り薬や、ヘパリン類似物質を配合したヒルロイドなどの保湿剤を使用することが多いでしょう。
また、クリニックによっては漢方薬が処方されることもあります。新陳代謝を改善する「ヨクイニン(ハトムギ)」や、炎症を抑え肌の状態を整える「桂枝茯苓丸加(けいしぶくりょうがんか)」、老廃物の排出を促す「ドクダミ」などが一般的です。漢方薬は体質によって合うものが異なるため、自己判断で購入せず、必ず病院で処方してもらうようにしましょう。塗り薬も漢方薬も、健康保険の範囲内でおこなうことができる治療法です。
【3】美容皮膚科の治療
保険適用となる一般皮膚科での治療は金銭的負担が少ない点が魅力的ですが、効果には個人差があります。より短期間で高い効果を得るためには、保険が適用されない美容皮膚科での治療がおすすめです。
美容皮膚科での治療方法には、いくつかの種類があります。
一つめは、二の腕の皮膚に薬剤を塗って角質を除去する「ケミカルピーリング」という方法です。余分な角質を取り除くことで皮膚の新陳代謝を高め、新しい皮膚に再生させます。ケミカルピーリングで角栓を除去するために使用するのは、グリコール酸や乳酸などの酸性の薬剤です。ドラッグストアでもピーリングコスメなどが多数販売されていますが、美容皮膚科でおこなうケミカルピーリングほどの効果は期待できません。またピーリングは肌の表面のみを改善する治療法ですので、クリニックでケミカルピーリングだけをおこなったとしても、施術をやめると元の状態に戻ってしまいます。
肌の深部にまで働きかける治療法としては、「フラクショナルレーザー」があります。皮膚にレーザーを当てて目に見えないほどの小さな傷をつくることで、肌本来の再生能力を促す治療方法です。二の腕のぶつぶつのほか、ニキビ跡や傷跡、しわなどにも効果的です。レーザーを照射するため多少のダウンタイムが必要となります。
二の腕のぶつぶつの治療法としてもう一つおすすめなのが、「ダーマペン4」と「ピーリング」を組み合わせた方法」です。先端についた極細針で目に見えない微細な穴を一時的につくり真皮から皮膚を再生させる「ダーマペン4」というマシンと、角質の溶解、剥離作用とコラーゲン活性の相乗効果を持つ「ピーリング剤」とを組み合わせることにより、肌の深くから表層まで生まれ変わりをもたらします。施術時は肌表面に麻酔を塗るため痛みはほとんど感じず、針を刺した痕が残ることもありません。こちらもある程度のダウンタイムは必要ですが、1回の施術でもぶつぶつとした丘疹をかなり減らすことができます。
二の腕のぶつぶつはホームケアでは改善が難しいお悩みです。効果的な治療を受けるため、美容皮膚科を受診される方が年々増えています。
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二の腕のぶつぶつを治すのに気をつけるポイントは?
【1】二の腕のぶつぶつの治療の後
美容皮膚科でケミカルピーリングやフラクショナルレーザ―、ダーマペン4などの施術を受けた後はダウンタイムが必要です。施術後の肌は非常に敏感な状態になっているため、紫外線対策と乾燥対策が必須となります。外出時には低刺激の日焼け止めをしっかりと塗り、朝晩のスキンケアで十分と保湿をすることが大切です。肌への負担が少ないスキンケアアイテムや化粧品を選び、なるべく刺激を与えないようにして、術後のケアを徹底しましょう。
また、施術後に皮むけが起こることがありますが、手でこすって無理に剥がそうとするのはNGです。保湿を欠かさずこすらずに、自然に治癒するのを静かに待ちましょう。個人差がありますが、2~3週間程度で皮むけが収まり、キレイな肌に生まれ変わっています。
施術直後は赤みや腫れが発生し、少し見た目が気になりますので、長期休暇時など外出の予定や、近日中に大切なイベントなどがない日に治療を受けることをおすすめします。紫外線量の多い夏を避けるなど、色素沈着のリスクが高まる季節を考慮して施術スケジュールを組むのも良いでしょう。ダウンタイムや術後ケアを踏まえると、二の腕が洋服で隠せて紫外線量が少なくなる秋から冬にかけて治療をするのがおすすめです。
【2】生活習慣
二の腕のぶつぶつにはクリニックによる治療が効果的ですが、それだけでなく普段の生活習慣も非常に大切です。
毛孔性苔癬はターンオーバーが乱れた肌や乾燥した肌に発生しやすいので、スキンケアで保湿を心掛け、食事やサプリメントなどで肌に栄養を与えるようにしましょう。また、肌の代謝を上げるためには睡眠時間をしっかりと確保することも大切です。睡眠が足りないと肌のターンオーバーを促進してくれる成長ホルモンが分泌されなくなり、肌の状態が悪くなってしまいます。また成長ホルモンは深い眠りであるノンレム睡眠時に多く分泌されるため、就寝前は飲酒やPC・スマートフォンの使用を避け、深く質の良い睡眠ができるようにしましょう。
そして、湯船にゆっくりと浸かったり、適度に運動をして汗を流したりすることも重要です。これによって体が温まり代謝がアップするので、肌の老廃物をスムーズに排出できるようになります。
その他、ぶつぶつを潰したり、固いタオルなどでゴシゴシとこすったり、引っ掻いたりしないよう注意しておきましょう。触るとザラザラとしているためどうしても気になってしまいますが、潰したりこすったりすると色素沈着などの跡が残ってしまう可能性があります。早くキレイに治すためにも、二の腕のぶつぶつには刺激を与えず、やさしく保湿ケアをすることが大切です。
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まとめ
気になる二の腕のぶつぶつは、毛孔性苔癬という皮膚疾患の場合がほとんどです。人体に悪影響を及ぼす病気ではありませんが、やはり見た目が気になりますので、早めに皮膚科を訪れ適切な治療をしてもらうと良いでしょう。塗り薬や漢方薬ではあまり効果が出ない場合は、美容皮膚科での施術がおすすめです。保険適用外の治療のためやや費用はかかりますが、素早く高い効果を得ることができます。
特にフラクショナルレーザーやダーマペン4の場合は、数回クリニックに通うことで、症状の改善を期待できるでしょう。多少症状が改善する程度で良い場合は、市販薬や保険適用内の治療でも良いかもしれません。また毛孔性苔癬の原因は肌のターンオーバーの乱れであることが多いので、普段から代謝を高めるような生活を心掛け、予防をすることが大切です。
二の腕のぶつぶつは露出が増える夏に気になることが多いですが、角質がたまりやすいのは乾燥する冬ですので、季節を問わず二の腕のケアをおこなうようにしましょう。
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