「そばかす」の原因は?シミや肝斑との違い、治療法について
更新日:2024年10月19日 土曜日ふと鏡を見たときに、なにかと気になる肌の「そばかす」。
小学生や中学生など、子供の頃から悩む方が多いそばかすは、シミや肝斑と混同されがちですが、そばかすはシミや肝斑とは異なる症状で、原因や特徴が異なります。
そばかすは一体どうしてできてしまうのでしょうか。この記事では、そばかすと間違えやすいシミなどほかの症状との違いを踏まえつつ、その原因や治療法について解説していきます。
※この記事は、美容皮膚科タカミクリニック副院長の山屋 雅美医師が監修しています。
タカミクリニックのシミ治療を詳しく見る
治療の相談・予約をする
そばかすの症状と原因、できやすい人の特徴
まずは、そばかすの症状と原因、できやすい人やそばかすがある人の特徴について解説してきます。
【1】症状
そばかすとは、医学的には「雀卵斑(じゃくらんはん)」と呼ばれ、肌にできた茶色の3mm~5mmの斑点のことです。多くの場合、細かな斑点が鼻と左右のほほを中心に点々と現れます。顔以外にも胸元のデコルテや肩、首など、普段から紫外線を浴びやすい場所にできるという特徴があります。
そばかすが現れる時期は幼少期からで、10代の思春期にかけて徐々に濃くなっていくものの、それ以降は加齢に伴い薄くなっていくこともあるのが特徴です。
【2】原因
そばかすの主な原因は遺伝ですが、紫外線を浴び続けることによって、色が濃くなるなど症状が悪化することがあります。
また、女性ホルモンの変化もそばかすに影響するため、妊娠中の女性はそばかすの症状が悪化したり、そばかすができやすくなる傾向があります。このほかにも、ストレスや寝不足などがそばかすを悪化させる原因となることもあります。
【3】できやすい人の特徴
そばかすの原因は遺伝的要因が強いため、両親や祖父母など家族内でそばかすがみられる場合は、子供もそばかすが出る可能性が高いと言えるでしょう。また、日頃から紫外線をよく浴びる人は、そばかすの症状が悪化しやすい傾向にあります。そばかすのある人の特徴として、白人に多く見られるほか、日本人では特に色白の方に多いことが挙げられます。
治療の相談・予約をする
シミとそばかすの違いは?
一般的なシミとそばかすの一番の違いは、「遺伝性かどうか」です。
シミは日頃から紫外線を大量に浴びる生活をしていたり、加齢によって肌の機能が低下したりすることによって引き起こされる「後天的」な症状です。
一方、そばかすは遺伝的な要素が強い症状のため、シミとは違って日頃からスキンケアをするだけでは、症状の発生を防ぐことは難しいのです。
ただ、「シミとそばかすは別物」というわけではありません。あくまで「シミの中の一種に、そばかすというものがある」というように捉えておくと良いでしょう。
シミの種類を詳しく見る
治療の相談・予約をする
肝斑とそばかすの違い
肝斑は、そばかすと同じく、「シミの一種」として紹介されることが多い症状です。境界がぼんやりしていて地図のような形をしているのが特徴です。普通のシミ(日光性色素斑)は顔のさまざまな場所にできるの対して、肝斑は頬骨あたりや目元など特定の場所に左右対称に現れるという特徴があります。肝斑ができる原因は完全には解明されていませんが、妊娠や出産後、ピルの服用中に症状が悪化しやすいことから、女性ホルモンが大きく影響していると考えられています。また、ほかのシミと同じく紫外線や肌への摩擦も、肝斑を悪化させる要因となります。
治療の相談・予約をする
そばかすを隠すためのメイク術
そばかすは遺伝的な要素が強いため、スキンケアだけで無くすのは難しい症状です。そのため、そばかすが気になる人は、それを隠すためのメイク術を覚えておくと良いでしょう。
【1】ファンデーションの選び方
そばかすを隠すのであれば、肌に密着するクリームタイプのファンデーションがおすすめです。クリームタイプは保湿力も高く、乾燥肌の人にも最適です。
ただ、クリームタイプは油分が多いため、ニキビなどがある人は使用を控えた方が良いでしょう。オイリー肌気味な人はパウダータイプが、オイリー気味ではないけども、油分が多いのものを避けたい場合はリキッドタイプがおすすめです。
【2】コンシーラーの選び方
そばかすの範囲が狭く、部分的にコンシーラーを使いたい人はスティックタイプ、逆に広範囲をカバーしたい人はクリームタイプがおすすめです。
また、コンシーラーの色は、ファンデーションと同系色、もしくはそれよりもやや暗い色を使うと、うまくそばかすを隠してくれます。
【3】コンシーラーとファンデーションをつける順番
メイクのベースとなるコンシーラーとファンデーションですが、ファンデーションのタイプでつける順番が変わってきます。
リキッド系のファンデーションであれば、「ファンデーション」→「コンシーラー」の順、パウダー系であれば「コンシーラー」→「ファンデーション」の順でつけるようにしましょう。
【4】コンシーラーの使い方
メイク崩れを防ぐためにも、コンシーラーは一気に塗るのではなく、少量ずつ伸ばしていくと良いでしょう。一度、指もしくは筆で馴染ませると、スムーズにメイクできるはずです。また、ぼかすときは、コンシーラーを塗った部分ではなく、「その周り」をぼかすように注意してください。
【5】ファンデーションの使い方
ファンデーションを塗るときは、ムラにならないようにしっかりと伸ばすようにしてください。特にリキッドタイプのファンデーションは、コンシーラーよりも先に塗るため、念入りに伸ばしましょう。ファンデーション用のメイクスポンジを使ってトントンと軽く叩くようにのばすとキレイに仕上がります。
治療の相談・予約をする
そばかすにはどんな治し方がある?
「そばかすは遺伝だから、治せない」というわけではありません。完全に消し去ることは難しいですが、専門の治療をおこなえばある程度目立たなくすることは可能です。
【1】内服薬で内側から治す
内服薬でそばかすの軽減に効果のある成分を摂取し、内側から治していく方法です。そばかすの原因となるメラニンを抑制する働きのあるアミノ酸の「L-システイン」、肌のコラーゲンの生成をサポートや抗酸化作用などの働きがある「ビタミンC」、色素沈着を抑える働きのある「トラネキサム酸」などが代表的な有効成分です。
【2】外用薬で外側から治す
外用薬(塗り薬)では、以下のふたつが代表的な有効成分です。
1:トレチノイン(レチノイン酸)
トレチノインはメラニンを体の外に出したり、古い角質を落として肌のターンオーバーを促したり、肌トラブルのもととなる皮脂の過剰分泌を抑制したりしてくれます。美容皮膚科やエステなどでよくおこなわれる「ピーリング」のような効果が期待できる成分です。
2:ハイドロキノン
ハイドロキノンはメラニンを抑制し、肌を白くする働きがあります。効果が高い反面、人によってはアレルギー反応を起こす場合もあるため、日本では医師の処方が必要となっています。
【3】美容皮膚科で専門の治療を受ける
シミやそばかす、しわといった肌の悩みに対して、専門的な治療をおこなっている美容皮膚科を受診するのも一つの選択肢です。
自宅でのセルフケアでは効果がない場合や、「メイクで隠すのではなく根本から治したい」と思う人は、一度治療を受けてみてはいかがでしょうか?
タカミクリニックのシミ治療を詳しく見る
【4】日常の中でできる「予防」
そばかすの発生はある程度仕方がないものですが、その症状を悪化させないために、日常生活でも以下の点には気をつけておきましょう。
1:紫外線対策をおこなう
そばかすのもとであるメラニンは、紫外線を浴びることによって活性化します。日焼けだけでなく、そばかすの進行を食い止める意味でも、日焼け止めを塗ったり、紫外線を浴びないように日傘をさしたりといった紫外線対策はしっかりとしてください。
2:ストレスを溜めない
ストレスを溜め込むと、女性ホルモンがバランスを崩してしまいます。女性ホルモンの中でも、プロゲステロンはストレスや疲労が溜まると分泌が増えて色素細胞を刺激するため、そばかすの症状が悪化してしまいます。
3:食生活に気をつける
メラニンを抑制したり、肌の代謝をサポートしてくれたりする、ビタミンC・Eやコラーゲン、L-システインが含まれた食品を積極的に摂るようにしましょう。
ビタミンC:レモン、グレープフルーツ、小松菜、いちご など
ビタミンE:ナッツ類、うなぎ、たらこ、アボカド など
コラーゲン:鳥軟骨、手羽先、フカヒレ、もつ など
L-システイン:大豆、はちみつ、牛肉、さけ など
治療の相談・予約をする
美容皮膚科でおこなわれている治療方法
美容皮膚科では、そばかすに対してどのような治療がおこなわれているのでしょうか?代表的な治療法をご紹介します。
【1】 フォトフェイシャル(光治療)
フォトフェイシャルとは、IPLという光を当てることによって生じる熱エネルギーでメラニンにダメージを与え、皮膚の代謝によってシミやそばかすを排出させる治療法です。施術時間は10〜30分と短く、術後のダウンタイムもほとんどない、気軽におこなえる治療となっています。また、コラーゲンの活性化を促したり、赤みに反応させることもできるため効果はそばかす治療だけではなく、毛穴引き締め、肌の弾力アップ、小じわの改善、ニキビ跡(赤み)の改善など、多岐に渡ります。
フォトフェイシャルについて詳しく見る
【2】 レーザー治療
レーザー治療は、フォトフェイシャルと並んでポピュラーなそばかすの治療法で、即効性が高いという特徴がありますが、従来のナノ秒レーザーを使用した場合、施術後にテープで患部を保護する必要がありました。しかし、新たなレーザー技術であるピコ秒レーザーを使用したそばかす治療では、照射後に薄いカサブタができるものの、テープによる保護は不要です。そのため、広範囲に広がるそばかすに対しても効果的な治療がおこなえます。
ただし、いずれにしてもレーザー治療は高い効果が期待できる一方で、皮膚の奥まで影響が及ぶためダウンタイムがあります。そばかすの症状や肌質によっては、逆にダメージを与えてるリスクもあるため、治療を受ける際は担当医と十分に相談したうえでおこなうことが大切です。
レーザー治療について詳しく見る
【3】 内服薬・外用薬
美容皮膚科でも、先に紹介したような内服薬や外用薬の処方をおこなっている施設はあります。ほかの治療法と組み合わせることによって、より高い美白効果を得ることができるでしょう。
シミ治療メニューを詳しく見る
治療の相談・予約をする
まとめ
そばかすはシミの中でも遺伝の要素が強い症状です。そのため、日頃のスキンケアでは「進行を食い止める」「メイクで目立たなくする」ことはできても、「消す」といったことは難しいでしょう。
そこまで気にしていないのであれば、日頃のメイクを工夫すれば良いですが、「どうしても気になる」という人は、美容皮膚科での専門治療を検討してみるのも一つの選択肢です。
タカミクリニックのシミ治療を詳しく見る
治療の相談・予約をする