気になるほうれい線はどう扱えばいい?ほうれい線の原因と対策まとめ
更新日:2024年8月19日 月曜日加齢とともに線が深くはっきりとして目立つようになり、気になってしまうほうれい線。一般的には30代前後、場合によっては20代から気になりはじめる人もいるようです。ほうれい線は、見た目年齢に影響を与えるため「ほうれい線を消したい」と思う方も多いのではないでしょうか。
ここでは、ほうれい線の原因とその対策についてご紹介します。
※この記事は、美容皮膚科タカミクリニック副院長の山屋 雅美医師が監修しています。
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ほうれい線の原因とは?
小鼻の両脇から口角の両端に向かってハの字に伸びる「ほうれい線」。しわの代名詞とも言えるほうれい線ですが、一般的なしわとは異なり、医学的には鼻唇溝(びしんこう)と呼ばれるしわのように見える頬と口元の境界線の溝です。
ほうれい線ができる原因は大きく分けると2つ、皮膚の弾力低下と表情筋の衰えによるものです。
まずは、皮膚の弾力低下が原因となるほうれい線から詳しくみていきましょう。
【1】皮膚の弾力の低下
皮膚の弾力が低下すると皮膚がたるみ、ほうれい線ができやすくなります。皮膚の弾力の低下というのは、肌内部のコラーゲンやエラスチンといった繊維状タンパク質が紫外線ダメージや加齢などによって変性したり、減少することで起こります。弾力が低下すると、肌はハリを失い、しわやたるみが生まれやすくなります。さらに、紫外線ダメージや加齢、乾燥によって肌本来が持っている機能が衰えると、細胞へ栄養分や酸素が十分に行き届かなくなったり、血流の流入が少なくなったりすることから、健康な細胞が生まれずに皮膚の保水機能も低下します。これらが重なることでほうれい線が生じるのです。
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【2】表情筋の衰え
顔の表情筋は手足の筋肉と異なり、骨だけでなく皮膚に直接くっつき、皮膚の土台を形成しています。そのため、加齢により表情筋が衰えると皮膚全体を支えきれず、重力に負けて下へ垂れ下がることでたるみを引き起こます。また、生活習慣によって表情筋が衰えることもあります。
例えば、日頃マスクを着用する機会が多く無表情になりがちだったり、食事の際に柔らかいものばかりを食べて筋肉を使わなかったりした場合に、表情筋が衰えることがあります。
皮膚を支えている表情筋が衰えると、皮膚の脂肪が垂れて皮膚のたるみに繋がり、ほうれい線ができやすくなってしまうのです。
これらが、30代以降にほうれい線ができやすい主な原因です。
ただし、20代であっても骨格や生まれつきの皮膚が柔らかさ、急激な体重の増減が原因となってほうれい線が目立つことがあります。
骨格
20代でほうれい線が目立ってしまう主な原因として「生まれ持った骨格」が考えられます。
「頬骨が高い」、「上顎の骨が出ている」場合は、ほうれい線が出現しやすい傾向があります。これらは日本人に多い骨格で、当てはまる人ほど年齢に関係なく、若い頃からほうれい線が目立ちやすくなります。
肌質
生まれつき柔らかい肌の方は、重力や表情筋の影響を受けやすいため、20代でもほうれい線が現れることがあります。
急激な体重の増減
頬はもともと皮下脂肪が多い部分です。体重が増加すると頬の脂肪も増えて、頬と口元の間に高低差が生じ、影ができることでほうれい線が目立つことがあります。また、過度なダイエットによって短期間で体型を減らすと、皮膚がたるみやすくなり、ほうれい線ができやすくなります。20代はダイエットを繰り返しやすい年代でもあるため、注意が必要です。
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ほうれい線対策あれこれ①
では、どのようにしてほうれい線を消したら良いのでしょうか?
ここでは、ほうれい線を改善するための対策ケアをご紹介します。
【1】化粧品選びからのほうれい線対策
ほうれい線の原因「皮膚の弾力低下」を招く紫外線ダメージや加齢、乾燥の対策として、まずはスキンケアを見直してみるのはいかがでしょうか。
エイジングケアというと高価な化粧品が必要なのかと思われますが、決してそうではありません。エイジングケアの基本は
①メイクや汚れを“優しく落とす”
②十分に保湿して“うるおいを補う”
③紫外線から肌を“しっかり守る”
の3つです。
まずはメイクや汚れを優しく落とすケアについてご紹介します。優しく落とすことがほうれい線対策につながる理由は、肌への摩擦がたるみの進行の原因になるからです。特に、クレンジングや洗顔時には、多くの方が知らず知らずのうちに肌へ摩擦を与えてしまっています。肌への摩擦を防ぐ対策として、指と肌の間にクッションをつくり摩擦を軽減するゲルタイプのクレンジング剤や、濃密な泡がつくれる洗顔料を選ぶことが大切です。濃くなりがちなアイメイクは、専用リムーバーを使用して落とすなど、肌に負担をかけずにメイクや皮脂汚れを落とすケアを心掛けましょう。
次はほうれい線をつくる原因となる乾燥を改善するたっぷり補う保湿ケアについてご紹介します。
乾燥している肌は、肌の水分量を保つNMF(天然保湿因子)と細胞間脂質の量が減少している状態です。NMF(天然保湿因子)と細胞間脂質の主成分であるセラミドが高配合されている美容液や化粧水を使い、肌内部がきちんと保湿できる肌状態に整えましょう。また、化粧水の後にゲルやミルクなどの保護アイテムを使用し、肌に薄い膜をつくり補ったうるおいをしっかりと留めましょう。
最後は紫外線からしっかり守るケア。肌老化の約8割を占めると言われている紫外線ダメージ。たるみを進行させないためにも、夏以外の季節も紫外線対策をしっかりとおこなうことが大切です。たるみの原因となるUVA(紫外線A波)は、窓ガラスを通過するため、外出をする予定がない日でも朝から日焼け止めを塗るように心掛けましょう。
【2】表情筋の衰えによるほうれい線
筋力の衰えによってほうれい線ができてしまっている場合、衰えた筋肉を鍛えることも有効です。筋肉を鍛えてほうれい線を解消するためのエクササイズとして、例えば、舌回し体操が良いとされています。舌回し体操とは、舌を唇側の歯茎の表面に合わせて、口の中で歯茎に沿って舌を回す体操です。左回しに20周して右回しに20周することを1セットとし、これを3セット続けることでほうれい線を消す効果があると言われています。
舌を回すことで表情筋を鍛えられるので、たるみをなくしてほうれい線を消すことが期待されています。 ただし、顔の筋肉を鍛えるエクササイズは余計なしわをつくる原因になってしまうこともあるため、エクササイズ中に余計なしわが入っていないか鏡でチェックしながらおこなうことが大切です。
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ほうれい線対策あれこれ②
ほかにもさまざまなほうれい線対策をご紹介します。
【1】猫背の改善
体内のさまざまな箇所に悪影響があると言われている猫背ですが、実はほうれい線につながる場合もあります。 猫背になり首が前に出ると顔の皮膚が引っ張られますが、これが皮膚にたるみをつくる原因となるのです。 したがって、猫背の人は、猫背を改善することがほうれい線対策につながります。 スマートフォンを使用するときの下を向く姿勢もたるみに繋がるので長時間の使用を避けるようにするなど心掛けましょう。
【2】食生活の改善
コラーゲンの生成に必要とされる栄養素が不足している場合、食生活を見直すことでほうれい線対策ができる場合もあります。 コラーゲンの生成に必要な栄養素のうち、特に注意しておきたいのが必須脂肪酸、必須アミノ酸、ミネラル、ビタミンです。これらは人体が生成できるものではないため、食事によって摂取する必要があります。 食事のみで摂取しきれない場合、サプリメントで補うことも有用です。 不足がないよう栄養素を十分に摂取することが、ほうれい線対策につながります。また、糖分の摂りすぎは糖化を招き、肌の弾力や柔軟性が失われたるみを招きます。糖分の多い食品(炭水化物、甘い食べもの、甘い飲み物など)を摂りすぎないように気をつけましょう。
【3】血行の改善
血行が悪ければ、必要な栄養素が皮膚に行き届かず、ほうれい線の原因となり得ます。 適度な運動や湯船に入ることを習慣づけ血行の改善を促すこともほうれい線対策となります。
【4】ツボを押す
ツボを押すことで美容改善にいいと言われている場所がありますので、ご紹介します。下関(げかん)耳の付け根からほほ骨に沿って凹んだ場所で、口を開けると骨が持ち上がる部位です。ここは、やさしくゆっくりと押し上げてマッサージするようにします。顔面の血行促進に効果があり、筋肉を引き上げる効果があるといわれています。 巨りょう(こりょう)黒目から下におろして小鼻の両脇のあたりにあるツボです。ここは、ほほのむくみや口、目のゆがみにも効果的だといわれています。 地倉(ちそう)口のすぐ横にある、ほうれい線に近いツボです。気のめぐりをアップさせて口角がアップすると言われています。その他にも顔のむくみやツヤ、ハリにも効果的だと言われています。強すぎるマッサージはコラーゲンを破壊してたるみの原因になることも考えられますので、セルフケアをおこなう場合はツボ押しがおすすめです。
【5】エステ機器を使ったほうれい線対策
エステ機器を使ったほうれい線対策をご紹介します。 例えば、高周波や超音波を発生させる美顔器を使ったほうれい線対策です。 これは、高周波で顔を温めたり、超音波で皮膚を振動させて皮膚の細胞を活性化することによってほうれい線対策をおこなうものです。 美顔器にはさまざまな種類があり、ほうれい線対策として、美顔器毎にそれぞれのアプローチ方法があります。また、低周波を発生させるEMSという機器を使うのも有効です。 EMSは、低周波を発生させることによって皮下の筋肉を動かすことができ、これによって表情筋を鍛えてほうれい線対策をすることができます。
【6】美容医療によるほうれい線対策
ほうれい線をしっかりと改善するなら、美容医療による治療をおすすめします。高密度焦点式超音波のマシンを使った「HIFU(ハイフ)治療」、医療用の溶ける糸を皮下に挿入してたるみを引き上げる「スレッドリフト」、ほうれい線治療の定番「ヒアルロン酸注入(注射)」など効果的なメニューが豊富に揃っており、医師がしっかりとほうれい線の原因を見極め、症状に応じた適切な治療を受けることができます。
■HIFU治療
HIFU治療は超音波による熱エネルギーを使ってたるみを引き締めて、リフトアップ効果や小顔効果をもたらす人気の治療です。皮膚を支える土台ともいえる「筋膜(SMAS)」にアプローチできるため、たるみが原因となっているほうれい線の改善に効果的です。
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■スレッドリフト
皮膚の下に安全性の高い医療用の溶ける糸を挿入することでメスを使わずにたるみを引き上げる治療法です。施術直後からリフトアップ効果を実感できるたるみ治療です。糸が吸収される過程で持続的にコラーゲンの生成が促進されるため、肌のハリや弾力も高まります。たるみが原因のほうれい線に効果的です。
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■ヒアルロン酸注入(注射)
もともと生体内に存在している成分であるヒアルロン酸を主成分とする製剤を注入することで、皮膚を持ち上げてほうれい線のしわをごく自然に目立たなくすることができます。肌のハリや弾力の低下に加え、皮下脂肪が急激に落ちるなど肌内部のボリュームロスなどが原因のほうれい線に特に効果的です。
高見院長のヒアルロン酸注入について詳しく見る
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■EMS顔筋リフト
ほうれい線の原因の一つである表情筋を電気の力で効率よく鍛えて引き締める治療です。ご自身で鍛えるのが難しい顔の筋肉も、美容医療による治療では新たなしわをつくることなく、自然なリフトアップが実現します。
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■脂肪溶解輪郭注射
ほうれい線のたるみの原因になっている頬の余分な脂肪を分解してボリュームダウンする注射治療です。メディカルハーブを主成分とした溶剤を直接脂肪層に注射することによって、気になる部分の脂肪細胞のみを分解、排出させ脂肪を減少させることができる治療です。皮下脂肪の増加が原因で目立っているほうれい線に効果的です。
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NGなセルフケア
間違ったケアはほうれい線を悪化させる原因にもなります。
NGケアについて知っておきましょう。
【1】強すぎるマッサージ
たるみ改善のセルフケアとして人気があるマッサージ。マッサージによってたるみが改善される、ほうれい線を解消できる、小顔になれるといったイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。
しかし、間違ったマッサージは、たるみを悪化させる原因となってしまいます。強すぎるマッサージは真皮層でネット状に張り巡らされ肌のハリや弾力を支えているコラーゲンやエラスチンなどの繊維状タンパク質を壊してしまうからです。強く押したり、肌を強くこすたっり、肌が引っ張られるような強めのマッサージをしている人、過度なマッサージをしている人はすぐに中止を。しわやたるみ以外にも、シミや肝斑の原因にもなり得ます。
【2】自己流表情筋エクササイズ
顔の筋肉を鍛える表情筋エクササイズは、たるみ改善に非常に効果的ですが、間違った方法でおこなうと、ほうれい線を強調させ、たるみを目立たせてしまったり、新たなしわをつくってしまう可能性があります。専門家の指導のもとで正しいエクササイズを学ぶことが大切です。
まとめ
加齢とともに皮膚のたるみや顔の筋肉の減少、脂肪の蓄積でほうれい線がはっきりと目立ってしまいます。
これを改善するために、顔の筋肉を鍛えて脂肪の燃焼を促し、血行を良くすることでコラーゲンを生成する能力を高める、新陳代謝を高めるなどの効果を謳った、さまざまな美顔器が発売されています。予防目的でケアに美顔器や化粧品を取り入れることは良いと思いますが、できてしまったほうれい線をセルフケアで改善することは困難です。高額な化粧品や美顔器を使用して長時間時間をかけるよりも、美容皮膚科に通うほうがすぐに効果が出て、時間的にも金銭的にも得な場合があります。ただし、効果がでるからと言って安易に治療を決定するのではなく、医師に相談し、ご自身の症状に合った方法を選択するようにしましょう。
また、10代や20代の若い方でも、スマートフォンの使用時間が長く、うつむく姿勢が多いと、ほうれい線が進行しやすくなります。20歳をすぎるとコラーゲンの減少がはじまるため、スキンケアや生活習慣の見直しによるほうれい線対策をおこない、ほうれい線予防をしましょう。
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