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気になるほうれい線はどう扱えばいい?ほうれい線の原因と対策まとめ

更新日:2023年10月6日 金曜日

加齢とともに線が深くはっきりとして目立つようになり、気になってしまうほうれい線。一般的には30代前後、場合によっては20代から気になり始める人もいるようです。

ここでは、ほうれい線の原因とその対策についてご紹介します。

 

※この記事は、美容皮膚科タカミクリニック副院長の山屋 雅美医師が監修しています。

 

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ほうれい線の原因とは?
 

小鼻の両脇から口角の両端に向かってハの字に伸びる「ほうれい線」。一般的なシワとは異なり、医学的には鼻唇溝(びしんこう)と呼ばれるシワのように見える頬と口元の境界線の溝です。

ほうれい線ができる原因は大きく分けると2つ、皮膚の弾力低下と表情筋の衰えによるものです。

まずは、皮膚の弾力低下が原因となるほうれい線から詳しく見ていきましょう。

 

【1】皮膚の弾力の低下

皮膚の弾力が低下すると皮膚がたるみ、ほうれい線ができやすくなってしまいます。皮膚の弾力の低下というのは、肌内部のコラーゲンやエラスチンといった繊維芽細胞が紫外線ダメージや加齢などによって減少することで起こります。弾力が低下すると、肌はハリを失い、しわたるみが生まれやすくなります。さらに、紫外線ダメージや加齢、乾燥によって肌本来が持っている機能が衰えると、細胞へ栄養分や酸素が十分に行き届かなくなったり、血流の流入が少なくなったりすることから、健康な細胞が生まれずに皮膚の保水機能も低下します。これらが重なることでほうれい線が生じるのです。

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【2】表情筋の衰え

顔の表情筋は手足の筋肉と異なり、骨だけでなく真皮層に直接くっつき、皮膚の土台を形成しています。そのため、加齢により表情筋が衰えると皮膚全体を支えきれず、重力に負けて下へ垂れ下がることでたるみを引き起こます。また、生活習慣によって表情筋が衰えることもあります。

例えば、日頃マスクを着用する機会が多く表情を変えなかったり、食事の際に柔らかいものばかりを食べて筋肉を使わなかったりした場合に、表情筋が衰えることがあります。

皮膚を支えている表情筋が衰えると、皮膚の脂肪が垂れて皮膚のたるみに繋がり、ほうれい線が出来やすくなってしまうのです。

これらが、30代以降にほうれい線ができやすい主な原因です。ただし、20代であっても骨格や生まれつき皮膚が柔らかい場合は、ほうれい線ができる場合があります。 その考えられる原因の一つとして、急激な体型の変化が挙げられます。 例えば過度なダイエットによって、短期間で体型を急激に変化させると皮膚が余ってたるみ、ほうれい線ができてしまうのです。

 

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ほうれい線対策あれこれ①
 

では、どのようにしてほうれい線を消したら良いのでしょうか?

ここでは、対策をいくつかご紹介します。

 

 【1】化粧品選びからのほうれい線対策

紫外線ダメージや加齢、乾燥によってできるほうれい線。まずはスキンケアを見直してみるのはいかがでしょうか。

エイジングケアというと高価な化粧品が必要なのかと思われますが、決してそうではありません。エイジングケアの基本は①メイクや汚れを“優しく落とす”、②十分に保湿して“うるおいを補う”、③紫外線から肌を“しっかり守る”の3つです。

まずは優しく落とすケアについてご紹介します。クレンジングや洗顔時は、皆さんが思っている以上に肌へ摩擦を与えています。肌への摩擦はたるみ進行の原因になります。肌に摩擦を与えないよう、クレンジングはゲルやミルクのものを選ぶ、アイメイクは専用リムーバーを使用する、洗顔料は濃密な泡が作れるタイプを選ぶなど、肌に摩擦を与えずにメイクや皮脂汚れを落としましょう。

次はほうれい線をつくる原因となる乾燥を改善するたっぷり補う保湿ケアについてご紹介します。

乾燥している肌は、肌の水分量を保つNMF(天然保湿因子)と細胞間脂質の量が減少している状態です。NMF(天然保湿因子)と細胞間脂質の主成分であるセラミドが高配合されている美容液や化粧水を使い、肌内部がきちんと保湿できる肌状態に整えましょう。また、化粧水の後にゲルやミルクなどの保護アイテムを使用し、肌に薄い膜をつくり補った潤いをしっかりと留めましょう。

最後は紫外線からしっかり守るケア。肌老化の約8割を占めると言われている紫外線ダメージ。たるみを進行させないためにも、夏以外の季節も紫外線対策をしっかりと行うことが大切です。

 

【2】表情筋の衰えによるほうれい線

筋力の衰えによってほうれい線ができてしまっている場合、衰えた筋肉を鍛えることも有効です。筋肉を鍛えてほうれい線を解消するためのエクササイズとして、例えば、舌回し体操が良いとされています。舌回し体操とは、舌を唇側の歯茎の表面に合わせて、口の中で歯茎に沿って舌を回す体操です。左回しに20周して右回しに20周することを1セットとし、これを3セット続けることでほうれい線を消す効果があると言われています。

舌を回すことで表情筋を鍛えられるので、たるみをなくしてほうれい線を消すことが期待されています。 ただし、顔の筋肉を鍛えるエクササイズは余計なシワをつくる原因になってしまうこともあるため、エクササイズ中に余計なシワが入っていないか鏡でチェックしながら行うことが大切です。

 

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ほうれい線対策あれこれ②
 

他にも様々なほうれい線対策をご紹介します。

 

【1】猫背の改善

体内の様々な箇所に悪影響があると言われている猫背ですが、実はほうれい線につながる場合もあります。 猫背になり首が前に出ると顔の皮膚が引っ張られますが、これが皮膚にたるみを作る原因となるのです。 したがって、猫背の人は、猫背を改善することがほうれい線対策につながります。 スマートフォンを使用する時の下を向く姿勢もたるみに繋がるので長時間の使用を避けるようにするなど心がけましょう。

 

【2】食生活の改善

コラーゲンの生成に使用される栄養素が不足している場合、食生活を見直すことでほうれい線対策ができる場合もあります。 コラーゲンの生成に使用される栄養素のうち、特に注意しておきたいのが必須脂肪酸、必須アミノ酸、ミネラル、ビタミンです。これらは人体が生成できるものではないため、食事によって摂取する必要があります。 食事のみで摂取しきれない場合、サプリメントで補うことも有用です。 不足がないよう栄養素を十分に摂取することが、ほうれい線対策につながります。また、糖分の摂りすぎは糖化を招き、肌の弾力や柔軟性が失われたるみを招きますので、甘いお菓子を食べ過ぎないようにしましょう。

 

【3】血行の改善

血行が悪ければ、必要な栄養素が皮膚に行き届かず、ほうれい線の原因となり得ます。 適度な運動や湯船に入ることを習慣づけ血行の改善を促すこともほうれい線対策となります。

 

【4】ツボを押す

ツボを押すことで美容改善にいいと言われている場所がありますので、ご紹介します。下関(げかん)耳の付け根からほほ骨に沿って凹んだ場所で、口を開けると骨が持ち上がる部位です。ここは、やさしくゆっくりと押し上げてマッサージするようにします。顔面の血行促進に効果があり、筋肉を引き上げる効果があるといわれています。 巨りょう(こりょう)黒目から下におろして小鼻の両脇のあたりにあるツボです。ここは、ほほのむくみや口、目のゆがみにも効果的だといわれています。 地倉(ちそう)口のすぐ横にある、ほうれい線に近いツボです。気のめぐりをアップさせて口角がアップするといわれています。そのほかにも顔のむくみやツヤ、ハリにも効果的だといわれています。強すぎるマッサージはコラーゲンを破壊してたるみの原因になることも考えられますので、セルフケアを行う場合はツボ押しがおすすめです。

 

【5】エステ機器を使ったほうれい線対策

エステ機器をつかったほうれい線対策をご紹介します。 例えば、高周波や超音波を発生させる美顔器を使ったほうれい線対策です。 これは、高周波で顔を温めたり、超音波で皮膚を振動させて皮膚の細胞を活性化することによってほうれい線対策を行うものです。 美顔器には様々な種類があり、ほうれい線対策として、美顔器毎にそれぞれのアプローチ方法があります。また、低周波を発生させるEMSという機器を使うのも有効です。 EMSは、低周波を発生させることによって皮下の筋肉を動かすことができ、これによって表情筋を鍛えてほうれい線対策をすることができます。

 

【6】美容クリニックでの処置

ほうれい線をしっかりと改善するなら、美容クリニックでの治療をおすすめします。高密度焦点式超音波のマシンを使った「HIFU(ハイフ)治療」、医療用の溶ける糸を皮下に挿入してたるみを引き上げる「スレッドリフト」、ほうれい線治療の定番「ヒアルロン酸注入(注射)」など効果的なメニューが豊富に揃っており、医師がしっかりとほうれい線の原因を見極め、症状に応じた適切な治療を受けることができます。

 

■HIFU治療

HIFU治療は超音波による熱エネルギーを使って肌をリフトアップさせてほうれい線の改善と小顔効果も得られる人気の治療です。皮膚を支える土台ともいえる「筋膜(SMAS)」にアプローチできるため、たるみが原因となっているほうれい線に効果的です。

 

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■スレッドリフト

膚の下に安全性の高い医療用の溶ける糸を挿入することでメスを使わずにたるみを引き上げる治療法です。施術直後からリフトアップ効果を実感できるたるみ治療です。糸が吸収される過程で持続的にコラーゲンの生成が促進されるため、肌のハリや弾力も高まります。

 

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■ヒアルロン酸注入(注射)

ともと生体内に存在している成分であるヒアルロン酸を注入することで、皮膚を持ち上げてほうれい線のしわをごく自然に目立たなくすることができます。肌のハリや弾力の低下に加え、皮下脂肪が急激に落ちるなど肌内部のボリュームロスなどが原因のほうれい線に特に効果的です。

 

高見院長のヒアルロン酸注入についての詳細はこちら
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■EMS顔筋リフト

ほうれい線の原因の1つである表情筋を電気の力で効率よく鍛えて引き締める治療です。ご自身で運動させるのは難しい顔の筋肉も、新たなしわを作ることなく、自然なリフトアップが実現します。

 

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■脂肪溶解輪郭注射

ほうれい線のたるみの原因になっている頬の余分な脂肪を分解して落とす注射、メディカルハーブを主成分とした溶剤を直接脂肪層に注射することによって、気になる部分の脂肪細胞のみを分解、排出させ脂肪を減少させることができる治療です。

 

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NGなセルフケア
 

間違ったケアはほうれい線を悪化させる原因にもなります。

NGケアについて知っておきましょう。

 

【1】強すぎるマッサージ

たるみ改善のセルフケアとして人気があるマッサージ。マッサージによってたるみが改善される、小顔になれるといったイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。

しかし、間違ったマッサージは、たるみを悪化させる原因となってしまいます。強すぎるマッサージは肌のハリや弾力を支えているネット状のコラーゲン・エラスチン繊維を壊してしまうからです。

 

【2】自己流表情筋エクササイズ

顔の筋肉を動かす表情筋エクササイズは、たるみ改善に非常に効果的ですが、間違った方法で行うと、ほうれい線を強調させ、たるみを目立たせてしまったり、新たなしわを作ってしまう可能性があります。専門家の指導のもとで正しいエクササイズを学ぶことが大切です。

 

まとめ
 

加齢とともに皮膚のたるみや顔の筋肉の減少、脂肪の蓄積でほうれい線がはっきりと目立ってしまいます。

これを改善するために、顔の筋肉を鍛えて脂肪の燃焼を促し、血行を良くすることでコラーゲンを生成する能力を高める、新陳代謝を高めるなど、様々な美顔器や化粧品が発売されています。予防目的でケアに取り入れることは良いと思いますが、できてしまったほうれい線をセルフケアで改善することは困難です。高額な化粧品や美顔器を使用して長時間時間をかけるよりも、美容皮膚科に通うほうがすぐに効果が出て、時間的にも金銭的にも得な場合があります。ただし、効果がでるからと言って安易に治療を決定するのではなく、医師に相談し、ご自身の症状に合った方法を選択するようにしましょう。

 

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