あなたの肌悩みに医師がお答えします
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急にできやすい口周りのニキビの原因と対策、美容皮膚科での治し方

更新日:2023年2月27日 月曜日

大人になってから、ニキビが口周りにできやすくなっていませんか。口周りのニキビは突然できるうえに、治しても治しても繰り返しできる厄介者です。口周りにニキビができて悩んでいる方のために、口周りにニキビができる原因や特徴、自分でできる予防法を解説します。ニキビ対策で気を付けるケアのポイントや治療方法についても知り、口周りのニキビをスッキリきれいに解消しましょう。

 

※この記事は、美容皮膚科タカミクリニック副院長の山屋 雅美医師が監修しています。

 

口周りにニキビができるのはなぜ?
 

口の周りは、大人ニキビができる代表的な場所です。20代以降にできる大人ニキビは思春期の頃よりも治りにくく同じ場所に繰り返しニキビができやすい特徴があります。ホルモンバランスの乱れやストレス、生活習慣、間違ったスキンケアなどいくつもの原因が複雑に絡み合ってニキビをつくります。

思春期を過ぎた男性の口周りにヒゲが生えることからも分かる通り、口周りは性ホルモンの影響を受けやすい部位です。男性の場合、性ホルモンの影響に加えて、ひげそりによる刺激も口周りにニキビができる要因のひとつです。
女性の場合は、婦人科系の疾患や冷え性、生理前などで女性ホルモンのバランスが乱れると口の回りにニキビができることがあります。

胃腸の働きが弱っているときやストレスや疲れがたまっているときにも、男性ホルモンの分泌を促すコルチゾールなどのホルモンが活発化して口周りにニキビが増えます。
ほかにも、産毛が濃い人は毛穴が詰まりやすいためニキビが発生する可能性が高いでしょう。

 

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口周りにニキビができる原因
 

口周りのニキビは、いくつかの要因が絡まりあって発生すると先にお伝えしましたが、主な要因をひとつひとつ解説します。

 

【1】胃腸の不調

口周りのニキビは、胃腸の機能低下と深い関わりがあり、胃腸の不調は口周りのニキビの原因になると考えられています。

胃腸の不調といえば、まず思い当たるのが食べ過ぎや偏食など食生活の乱れではないでしょうか。

また、ストレスを抱えているときも胃腸の動きが鈍くなって不調を感じたことがあると思います。そのほか、スパイスやアルコールなど刺激物や脂っこい食べ物を摂り過ぎた時、抗生剤や鎮痛剤など胃に負担をかける薬を頻繁に服用している場合も、胃腸が弱まって口周りにニキビができることがあります。

胃腸が弱ると消化不良が起こり、腸内の便や老廃物がスムーズに排出されなくなって有害物質が発生します。腸内の有害物質は血液にのって皮膚にも運ばれていき、ニキビや肌荒れとなって表れます。
さらに、腸内環境の悪化は免疫力や抵抗力を低下させてしまうため、ニキビを治りにくくさせます。

 

【2】摩擦

口周りは他の部位と比べて皮脂を分泌する皮脂腺が少なく、皮膚が薄くて乾燥しやすいこともあって刺激に弱い部位です。そのうえ、口元は人とのコミュニケーションや飲食でよく動かす場所。しゃべりながら無意識に手で口元を触ったり、食べたあとに口元を拭ったりと何気なく「摩擦」が加わりやすい部位でもあります。
刺激を受けやすくなっているところに様々な摩擦が加わることで、毛穴周囲の角質が厚くなる、雑菌が繁殖しやすくなる、などニキビができやすい肌状態となってしまい、口周りのニキビを引き起こします。

また、感染予防や仕事のためにマスクをよく着用している方は、マスクを着脱する際の摩擦やムレ、繊維による刺激なども口周りのニキビの原因になっていることがあります。

 

【3】ホルモンバランスの乱れ

ニキビは性ホルモンと深い関わりがありますが、特に口周りは男女ともに性ホルモンの影響を受けやすい部位です。

そもそも男性ホルモン(アンドロゲン)が多い人はニキビができやすいのですが、これは男性ホルモンの働きによって角質が厚くなったり、皮脂の分泌量が増えるためです。

角質が厚くなることによって毛穴の出口が狭まるうえ、皮脂腺から過剰に皮脂が分泌されることで、毛穴内部にアクネ菌の餌となる皮脂が溜まりニキビとなるのです。

女性の場合は、「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という男性ホルモンに似た働きをする女性ホルモンが増えることが原因です。もう一つの女性ホルモンである「エストロゲン(卵胞ホルモン)よりもプロゲステロンが優位になると、ターンオーバーが乱れる上に皮脂も増え、口周りにニキビができやすくなります。

女性は生理前にプロゲステロンの量が増えるなど、月経周期に応じてホルモンのバランスが変化します。生理前に口周りのニキビが繰り返しできる方は、ホルモンの影響を受けている可能性があるでしょう。

また男女ともに、ストレスや生活リズムの乱れから自律神経が崩れると、ホルモンバランスが乱れて口周りのニキビを招きます。

 

【4】髭剃り・産毛剃り

髭剃りや顔そりにカミソリを使っていると、肌に直接刃が触れて角質を傷つけるため肌に大きな負担がかかります。髭剃りや顔そりをした後の肌は、バリア機能が低下して感染・乾燥しやすい状態で、ケアを間違えると簡単にニキビができます。

ましてやカミソリを不衛生に管理していると、刃に雑菌が繁殖して剃ったときに毛穴に雑菌が入り込んでニキビへと発展するでしょう。カミソリを使用した後に十分な保湿ができていない場合は、ニキビ以外の肌トラブルも招きます。

 

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口周りのニキビを防ぐ毎日のケア・対策のポイント
 

口周りのニキビを予防して悪化させないためには、正しいスキンケアや体調を整える生活を知り、行動することが大切です。日常生活でできるニキビ対策のポイントをお教えしましょう。

 

【1】食事のバランスに気をつける

食事では、胃腸に負担をかけないメニューを意識して摂りましょう。暴飲暴食や偏食を避けるのはもちろんですが、ビタミン類やミネラル、タンパク質といった肌の働きをサポートする栄養素を豊富に含んだ食べ物を積極的に摂ることが大切です。

これらの栄養素は体の中で作り出せないため、意識して摂取していないと不足して肌のターンオーバーが乱れたり肌のバリア機能が低下したりと、ニキビができやすい肌になります。

外食が多い人や偏食気味な人など食事からまんべんなく栄養を取るのが難しい場合には、マルチビタミンなどのサプリメントを取り入れて、肌に必要な栄養素を補うといいでしょう。

 

【2】洗顔はやさしく丁寧に

毛穴に汚れや皮脂をためないようにと、顔を何度も洗う、ゴシゴシこすり洗いするなど、顔の洗い過ぎは逆にニキビをつくる行為となるためNGです。

ブラシを使ったりスクラブが入ったアイテムでこすり洗いするのは肌を傷つけるだけなので避け、しっかりと泡立てた弾力泡で優しい洗顔を心掛けます。

洗顔の際は、泡で顔全体を包み込むように。乾燥を避けるためにも額や鼻など皮脂の多い部位から泡をのせ、皮脂が少ない口周りは最後の方にして20秒~30秒程度で洗い流します。必要な皮脂まで落としてしまわないように、洗顔料を使うのは朝晩の2回までとし、日中に汗をかいたり顔がテカるときは34℃~36℃程度のぬるま湯で汚れを洗い流す程度にしましょう。

 

3】保湿ケアは十分にする

肌の乾燥はバリア機能の低下を招き、肌の潤いを失うだけでなく紫外線や摩擦、雑菌などの刺激にも敏感になり、ニキビを引き起こす要因となります。また、肌の乾燥を放置していると、ニキビにとどまらず湿疹や皮膚炎などの肌トラブルにもつながります。

乾燥している時は肌が敏感になっているからと、シンプルに化粧水だけで保湿ケアを済ませてしまうのは逆効果です。化粧水で保水をしても直後から水分は蒸発し始めてしまうため、肌を保水したら、その上から軽めの油分で膜を張ってあげると潤いがキープできてニキビを防げます。

油分の多いクリームやオイルはアクネ菌のエサになる可能性があるため、顔全体には油分の軽い乳液やゲルを用いて保護します。ニキビが出来にくい目元にはクリームなどを部分的にプラスすると、肌を乾燥とニキビから守ることができます。

 

【4】ムダ毛処理は清潔な環境で行う

産毛が濃くて日常的に顔剃りをしているのであれば、顔脱毛をするとニキビができにくくなることがります。

男性の髭剃りには、できるだけ肌を傷つけないようにシェービングフォームや切れ味のよいカミソリを使用したり、刃をこまめに交換して衛生管理を整えたりするのも効果的です。
カミソリそのものの刺激を避けるには、電気シェーバーを使って髭剃りをするようにしましょう。

 

5】ストレスを溜めないようにする

ストレスや不規則な生活リズムは、自律神経のバランスを崩しホルモンバランスの乱れに繋がります。忙しさのあまり、夜更かしや食事を抜くなど不規則な生活を送っていると、体内リズムが崩れてホルモンバランスが乱れます。

ストレスを溜めないように適度な運動や趣味に没頭する時間を生活に取り入れ、うまくストレスを発散させましょう。また、睡眠不足にならないように、毎日同じ時間帯にベッドに入って起きるリズムを心掛けると、睡眠の質が上がって徐々にホルモンバランスも整いやすくなっていきます。

 

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口周りのニキビが治らない場合は口唇ヘルペスの可能性も!
 

口周りのニキビがなかなか治らない場合には、口唇ヘルペスの可能性があります。

口唇ヘルペスは、ニキビとは違い、単純ヘルペスウイルスによる感染症のひとつで、くちびるや口の周りに小さな発疹や水ぶくれができるのが特徴です。
疲れや睡眠不足などで免疫力が低下しているときに発症し、ピリピリ・チクチクと痛みを感じることもあります。

口唇ヘルペスができると、どんなにニキビ対策をしても治っていきません。対策が遅れて化膿すると跡になることもあるため、早めに皮膚科を受診して口唇ヘルペス用の薬を処方してもらいましょう。

 

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美容皮膚科での口周りのニキビの治し方
 

食事や生活リズムなど日常生活でいろんなことに注意していてもニキビができてしまう場合や、即効でニキビを治したいときには美容皮膚科でニキビに特化した専門的な治療を受けるのがおすすめです。
美容皮膚科で受けられる代表的なニキビ治療を5つ紹介します。

 

【1】ピーリング

ピーリングでターンオーバーを促して肌のバリア機能を高め、肌生まれ変わりをサポートします。新しいニキビができにくくなり、炎症の起こった赤いニキビや痛いニキビ、ニキビ跡の色みの改善にも役立ちます。

タカミクリニックには、自宅治療用のピーリング薬が21種類あり、一人ひとりのニキビの症状や肌質に合わせて医師が処方しています。

院内施術では、イオン導入の前にソフトピーリングを行っています。ピーリングの作用によってイオン導入の効果をさらに高め、有効成分を効率的に肌へと届けニキビを改善させることが可能です。

 

【2】イオン導入

イオン導入は、電気の力を使うことで、普通に肌に塗布する30倍~100倍近い浸透率で有効成分を肌に浸透させることができる治療です。

タカミクリニックでは、抗男性ホルモン薬やビタミンCE誘導体、ビタミンC誘導体などニキビの原因や症状に合わせて導入液を選択できます。また、独自開発したイオン導入器を用いることで、刺激を最小限にしながらも効率的にニキビの有効成分を肌の奥へと浸透させるため、高い効果が期待できます。

ターンオーバーの正常化や過剰な皮脂分泌の抑制、毛穴の引き締め、アクネ菌の増殖抑制など、初期のニキビから痛い炎症性ニキビに対してもさまざまなアプローチが可能です。ニキビを治しながら、同時にニキビが出来にくい肌質へと改善していきます。

 

【3】LED治療

タカミクリニックのLED治療は、「ヒーライトⅡ」というLED治療器を使用しています。

炎症性ニキビに加えてニキビ跡の色みの改善、エイジングケアもしたい方にヒーライトⅡを使います。

ヒーライトⅡにはアクネ菌の増殖を抑制することでニキビの炎症を鎮静したり、コラーゲン生成や肌のターンオーバーを促す作用もあります。

イオン導入メソフェイシャル、レーザー治療と併用すると、相乗効果を発揮します。

 

【4】ニキビ圧出(面ぽう圧出)

専用の面ぽう圧出器を使って、ニキビの中にある皮脂や膿を取り除く方法です。初期のニキビである面ぽうに圧出治療行うと、ニキビを進行させることなく早い段階で治すことができます。症状が進行して膿を伴ったニキビでは、慎重に膿を出してあげることでより早くニキビを改善させます。

タカミクリニックではニキビ圧出をLED治療イオン導入と組み合わせて行うことで、より高い殺菌効果や炎症抑制効果を発揮させ、ニキビの悪化を早期に防ぎニキビ跡を最小限に抑えるアプローチをしています。

 

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まとめ
 

口周りのニキビは身体の不調サインの場合もあることをお伝えしました。できる範囲で食事や生活スタイルの改善をしながら、スキンケアも見直していきましょう。生活習慣やスキンケアの見直しによってニキビが改善できることもよくあります。体調を整えるという意味でも口周りのニキビケアを始めてみましょう。
口周りは特に目につきやすい部分なので、ニキビの跡を残さないためにも、できるだけ早くきれいに治すためにも、美容皮膚科でニキビの専門的な治療を受けるのがおすすめです。

 

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