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ニキビの芯の正体は何?正しい出し方とは?

更新日:2023年10月5日 木曜日

肌にポツンとできたニキビをよく見ると、芯のような白い塊が。芯があるとニキビが目立って見えることもありますよね。ニキビを早く治そうと、自分でニキビを潰して芯を出してしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ニキビの芯の正体と芯を取る際のNG行為から、芯のあるニキビの正しい治し方や美容皮膚科での治療方法まで詳しく紹介しています。ニキビの芯で困っている方は跡が残らないようにきれいに治しましょう。

 

※この記事は、美容皮膚科タカミクリニック副院長の山屋 雅美医師が監修しています。

 

ニキビの芯の正体って何?
 

ニキビの芯の正体とは、毛穴の中に溜まっている皮脂や角質、炎症によって生じる膿などです。
一般的に硬くなって塊になった皮脂や角栓を「ニキビの芯」と呼ぶことが多いのですが、ニキビの芯に関しては医学的な定義がないため、黄ニキビのように炎症が生じているニキビでは、膿を含むニキビの内容物全般を指す場合もあります。

つまり、軽度のニキビでも、悪化したニキビでも、ニキビの中央にあるものが「芯」として表現されており、ニキビの芯が何を指すのかは、ニキビの症状や進行具合によって変化すると考えられるでしょう。

 

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ニキビの芯はなぜできるのか?
 

ニキビの芯ができる理由は、ニキビができる原因と過程にあります。
ニキビは毛穴におこる皮膚の病気で、〈毛穴がつまる〉→〈毛穴の中に皮脂が溜まる〉→〈アクネ菌が増殖する〉という過程を経て発生・悪化していきます。

ニキビの初期段階である白ニキビは、角質肥厚やメイク汚れの詰まりなど何らかの要因で毛穴がふさがり、皮脂腺から作り出される皮脂が毛穴の中に溜まってしまっている状態です。毛穴の中にたまった皮脂や古い角質の厚みのせいで皮膚の表面がポツっと膨らんでいます。
この段階では、ニキビの芯は、毛穴の中につまった皮脂や古い角質だと考えられます。

白ニキビを放っておくと、毛穴の中に溜まった皮脂を餌としてアクネ菌が増殖し炎症が起こり、腫れや赤みを伴う赤ニキビへと進行します。赤ニキビのあとには、アクネ菌などに対抗して戦った白血球の残骸が膿となり肌表面に透けて見える黄ニキビとなります。
この段階では、溜まった膿などがニキビの芯になります。

このように、ニキビの芯はニキビをつくる原因そのものであり、ニキビが悪化した過程でつくられる産物なのです。

 

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ニキビに芯があるときに見られる症状とは?
 

ニキビは症状の進行度によっていくつかの種類に分類されます。ニキビの芯も、ニキビの種類や進行段階によって見た目や硬さに違いがあります。どの段階でどのような芯ができているのかチェックしておきましょう。

 

白ニキビ・黒ニキビの芯

白ニキビは、毛穴周りの角質肥厚などによって毛穴の入り口が完全にふさがって、毛穴内に溜まった皮脂によって皮膚が盛り上がっている状態です。一方で黒ニキビは、毛穴の入り口が完全にはふさがっておらず、毛穴の中につまっていた皮脂や古い角質が空気にさらされ酸化し黒ずんで見える状態です。いずれも、ニキビの初期段階でほとんど炎症は起こっていない状態です。

白ニキビや黒ニキビでは、いずれも毛穴の中にある白色やクリーム色の「皮脂の塊」がニキビの芯となります。また、古くなった角質と皮脂が絡み合って硬い「角栓」が形成されている場合、角栓もニキビの芯になります。

 

赤ニキビの芯

赤ニキビは、毛穴に溜まった皮脂を餌として過剰に増殖したアクネ菌が炎症を起こし、ニキビや周りの皮膚が赤く腫れた状態です。

赤ニキビの段階では、皮脂や細菌などを含む内容物が芯となり、皮膚の内側の深いところに芯があるため、芯を押し出そうとしても中身は出てきません。無理にいじっていると、炎症が強くなって悪化させてしまうでしょう。

 

黄ニキビの芯

赤ニキビができて3日~4日くらいたつと、ニキビの内側では膿がつくられ始めます。黄ニキビは、赤く腫れたニキビの中央に膿が溜まっているのが透けて見えた状態で、さらに膿の量が増えると黄色く膨れていきます。

黄ニキビの段階では、中央に見える膿がニキビの芯となります。自分でニキビを潰して黄色い膿をピュッと出したくなりますが、傷跡をつくってしまうケースが多いので我慢が必要です。

 

硬いニキビの芯

硬いニキビを「しこりニキビ」と呼ぶことがあります。しこりニキビは、炎症ニキビを繰り返した部分が一時的に線維化することで硬く盛り上がってしまった状態で、同じ場所に強い炎症を繰り返すことで現れます。

しこりニキビの場合は、ニキビ全体が硬く盛り上がっているので中に大きくて硬いニキビの芯があるように感じるかもしれませんが、しこり状になったニキビの中には皮脂や角質、膿といった内容物が入っているわけではないため、潰そうとしても芯は出てきません。それどころか、触るとますます硬くなって悪化していきます。

また、赤く硬く腫れあがった顔のできものは、ニキビではなくいわゆるおできや面疔の可能性もあります。おできや面疔は黄色ブドウ球菌が原因で痛みを伴うことが多いのですが、この場合もニキビの芯は出てきません。

 

臭いニキビの芯

ニキビが独特の腐敗臭(ふはいしゅう)を発生させていて臭いと感じる時は、ニキビではなく「紛瘤(ふんりゅう)」の可能性が高いです。紛瘤は、毛穴の中に皮脂やアクネ菌が溜まっていくニキビとは異なり、皮膚の下にできた袋状の構造物の中に本来なら剥がれ落ちていくはずの垢(あか)や皮脂などの老廃物が溜まって大きくなっていく良性の腫瘍です。

紛瘤は、強く押すと中からドロッとした臭い中身がでてくることがあります。ニキビの芯は臭わないので、臭い場合は粉瘤の可能性が高いでしょう。粉瘤の場合も無理に潰したりはせず、医療機関を受診して適切な処置をしてもらいましょう。

 

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ニキビの芯を自分で出したい、潰してよい?
 

触ると硬くコロンとした塊のような芯や、柔らかで黄色く透けて見える芯の場合、ニキビをつまんだり押し出したりすれば、ニキビの芯を簡単に出すことができてニキビの治りが早くなると思っている方や、ニキビの芯を押し出すとゴッソリ取れて気持ちいいと感じる方も多いかもしれませんが、自分で無理やりニキビを潰して芯を出すのはやめましょう。

自分でニキビの芯を出す方法として、指やピンセットで潰す方法や針で刺すことが多いようです。なかには「コメドプレッシャー」という市販の器具を使って芯を出している方もいます。
しかし、自己流ではどんな方法を使っても傷口が大きくなりやすく、雑菌が傷口に入って化膿させてしまうリスクが高くなります。とくに指には雑菌が多く付着していて、傷口から雑菌が入り込んで感染を引き起こすことがよくあります。

 

白ニキビや黄ニキビは、皮膚の表面に芯の原因となる角質や膿が見えているため、自分でも上手く取り出せそうに思うかもしれません。しかし、不潔な指や器具で無理やりニキビを潰してニキビの芯を残さずきれいに出しきることは難しく、何度もニキビをつまんだり、力強くニキビを押すことで、ニキビの炎症を悪化させてしまいます。

仮に、清潔な指や器具を使ったとしても、自己流のつぶし方だと、医療機関でニキビをつぶす方法よりも傷が大きく周囲の組織まで傷つけてしまうことになるので、結果として肌に色素沈着や凹みなどニキビの跡が残りやすくなります。

もし間違ってニキビをつぶしてしまったら、跡になる前に美容皮膚科や皮膚科など専門性のあるクリニックで適切な治療を受けることが大切です。

 

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ニキビの芯を出す正しい方法
 

そもそもニキビができている肌は、バリア機能が弱まって刺激を受けやすいとてもデリケートな状態です。そのような状態のなかで、芯を出すという行為を行うのですから、当然、肌に極力ダメージを与えない慎重さが求められます。

特にニキビの炎症が強い段階で芯を出すときは、慎重に行わないと、さらに炎症が重症化したり、周りの肌細胞を傷つけてクレーター状のニキビ跡をつくってしまう可能性があります。

一刻も早くニキビの芯を出して治したいのであれば、皮膚科や美容皮膚科など専門のクリニックに相談してニキビの段階に合わせた正しい治療を受けましょう。

 

美容皮膚科で行うニキビの芯を出す治療

タカミクリニックではニキビの芯を出す方法として「ニキビ圧出(にきびあっしゅつ)」を行っています。

 

ニキビ圧出

ニキビ圧出とは、ニキビの中央に滅菌した微細な針で小さな穴を開け、面皰圧出器(めんぽうあっしゅつき)と呼ばれる専用の器具でニキビの内容物を残さず取り出す治療です。
さまざまな段階のニキビに対して行えますが、炎症を起こす前の白ニキビの段階で行えると悪化させずにきれいに治せます。
ニキビの芯を自己流で出そうとすると、無駄な力が加わって与えるダメージが大きくなりがちです。しかし、医師や看護師など専門知識を持った技術者が専用の器具を使ってニキビの芯を出すことで、肌へのダメージを抑えながらきれいに膿を出せます。
ニキビの芯である角栓や膿などの内容物を適度に排出させることで、ニキビの炎症を早く落ち着かせることが可能です。

「ニキビの芯を出して1日でも早く治したい」「跡を残さずニキビをきれいに治したい」と考えている方にはとても魅力的な治療方法です。とはいえニキビ圧出は、あくまでニキビの芯を排出させるものなので、より高い炎症抑制効果と殺菌効果を発揮させるため、タカミクリニックでは「LED治療」や「イオン導入」と組み合わせてニキビ圧出を受けていただいています。このコンビネーション治療によって、ニキビのできにくい肌へと整えていくことができます。

 

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まとめ
 

ニキビには症状によって段階があり、ニキビの芯である内容物も段階によって変化します。自分でニキビの芯を出すのは、ニキビの芯が残ったり周囲の組織を傷めてしまい、ニキビの悪化やニキビ跡を招く可能性が高くなるため避けましょう。

ニキビはできるだけ触らずに清潔な状態に維持するケアが必要ですが、どうしてもニキビの芯が気になる場合には、肌をきれいに治すためにも皮膚科や美容皮膚科などのクリニックを受診することをおすすめします。

適切な処置を受けられれば、ニキビができたときの対症療法だけでなくニキビができにくい肌へと導くことが可能です。ニキビでお悩みの方は早めにニキビを専門とする医師に相談して、ニキビで悩まない肌にしていきましょう。

 

 

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