オンライン診療とは?メリットとデメリットを医師が解説
更新日:2023年5月10日 水曜日スマホやタブレットを使って医師の診察が受けられるようになった近年。新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに直接対面しない診療の需要が増え、多くの医療機関でオンライン診療が導入されました。オンライン診療は利便性が高く、上手に活用すると時間や費用を節約できます。受診を考えている方は、オンライン診療を利用するメリット・デメリットや上手な活用方法などを、事前に理解しておきましょう。
美容皮膚科タカミクリニック副院長の山屋 雅美医師が監修しています。
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オンライン診療とはどんなサービス?
オンライン診療とは、スマホなどの情報通信機器によるビデオ通話やWEB会議システムを通じてリアルタイムに医師の診察を受けられる遠隔医療サービスです。
コロナ禍でオンライン診療が急速に全国の医療機関に普及しましたが、収束した今後も高齢化や多様性の社会でさらにニーズが高まっていくことが予想されます。
厚生労働省が示している「遠隔医療の更なる活用について」によると、オンライン診療には3つの目的があります。
要約すると
・患者の日常生活に関する情報も得て、医療の質を向上させていくこと
・医療が必要な患者がよりよい医療を受ける機会を増やすこと
・患者が治療に自ら進んで参加することで治療効果を最大限に引き出すこと
です。
離島や過疎化地域など、住んでいる環境によって必要な医療や希望する治療を受けられない医療格差は今の時代にもあります。
オンライン診療は、離れた地域やアクセスしづらい医療機関への通院を可能にし、一人ひとりがニーズに沿った医療を受けられるシステムです。
オンライン診療の予約はホームぺージやアプリなどで行い、予約した時間に通信して医師の診察を受けます。薬や処方箋は郵送されるため、自宅など事前に登録した場所で受け取り、受診後の会計までインターネットの環境があれば、スマホやパソコンひとつで完結します。
通信方法や支払方法、薬や処方箋の受け取り方はクリニックが導入している方法に合わせて行うため、事前に確認しておくと安心です。タカミクリニックの場合はスマホで専用のアプリをダウンロードする方法なので、予約から会計まで受診に必要な流れがすべてスマホで行え、初めての方でもスムーズにオンライン診療を受けることができます。
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オンライン診療のメリット
対面診療をオンラインにするメリットはいくつもありますが、何がいいかは人によって異なります。オンライン診療を受けるかどうか迷っているなら、自分にとってどんなメリットがあるかを先に調べることをおすすめします。
対面と比べてメリットが多いと感じたら、オンライン診療を試してみる価値があるでしょう。
メリット①
近隣にない専門のクリニックの治療が受けられる
住んでいる地域によっては、専門的な医療や先進的な治療を受けるのは難しいものです。高度な医療を求めて遠方のクリニックを受診しても、通院には時間やお金がかかり、スケジュールの調整といった手間もかかるため長期間通う場合には根気がいるでしょう。オンライン診療であれば居住地を問わず、全国どこにいても質の高い治療を受けることが可能です。
メリット②
24時間いつでも、どこからでも予約ができる
オンライン診療の予約は、ホームページやアプリの予約ページから自分で空いてる時間枠を見つけて予約を入れる方法です。電話と違って、夜中でも早朝でも思い立ったときにスマホなどの端末からアクセスすれば、24時間いつでも予約ができます。
通常、対面診療の予約をするには受付窓口へ電話をかけることが多いですが、営業時間外だったり話し中だったりとなかなか通じないこともあります。オンライン診療なら通勤中の電車内や仕事の合間など、声を出せない状況でもインターネットがつながる場所であればどこでも予約可能です。
メリット③
通院の手間や待ち時間が解消される
遠方のクリニックや2つ以上のクリニックを受診しようとすると、1日かかることも珍しくありません。そのため、診察そのものにかかる時間は10分程度だったとしても、通院時間や待ち時間まで含めると何時間もかかってしまいます。忙しい現代人にとって、プライベートの時間を移動や順番待ちに使うのは大きなストレスです。
また、体調が悪いときの通院はつらいものですが、オンライン診療なら予約時間までベッドで横になれて、診察のときだけ通信するので体への負担も少なくとても便利です。
オンライン診療はそもそも通院しないので、行き帰りの移動がなく、クリニックや薬局での待ち時間もありません。短い時間で効率的に診察が受けられ、小さな子供や高齢者の付き添いで受診してもストレスを感じにくいでしょう。
メリット④
気軽に受診ができる
「症状がひどい」などで困っていれば受診を希望するのは当然ですが、それほど症状がひどくない状態では誰でもついつい受診を後回しにしてしまいがちです。
クリニックを受診するには仕事やプライベートなどの調整や費用がかかることもあり「わざわざ受診するのは面倒だな」と気が進まないこともあります。とくに定期的な受診が必要な慢性疾患では、自覚症状がないと通院が面倒に感じてしまうものです。
オンライン診療だと移動がなく一連の流れがスムーズなので、対面診療より気軽に受診しやすいでしょう。また、家にパソコンやタブレット端末がなくても、スマホさえあれば受診ができる手軽さも受診しやすい理由のひとつです。
メリット⑤
受付が必要なく、他人と対面せずに診察が受けられる
受診の際には最初に受付をしますが、オンライン診療では受付のわずらわしさがありません。ロビーや待合室で待たずに診察を受けられるので、知り合いとばったり顔を合わせる心配もなくプライバシー対策にもなります。
身近になったとはいえ、女性でも男性でも自宅近くの美容皮膚科を受診するのは抵抗を感じやすいものです。「知り合いにプライベートを知られたくない」といった女性や「たくさんの女性の中で過ごす待ち時間が苦手」といった男性ならではの悩みのニーズにも応えられます。
また、泌尿器科や婦人科などセンシティブなお悩みがあって通院する場合にも、対面しないシステムのおかげで人目を気にせずリラックスして受診ができます。
メリット⑥
交通費などのコストが抑えられる場合がある
対面診療を受診をすると、診察料や薬代など診療にかかる費用以外に往復の交通費もかかります。クリニックが遠方であればあるほど、受診のたびに交通費がかさみ金銭的な負担を感じやすくなります。
オンライン診療にかかる費用は対面診療と大きく変わりませんが、通院の必要がないので往復の交通費は発生しません。電車やバス、タクシーの乗車賃はもちろん、車やバイクの燃料費など通院による費用が抑えられます。
ただし、オンライン診療には対面では発生しない「通信費」や、処方箋もしくは薬を郵送で受け取る場合は「送料」などの費用がかかります。徒歩で通える範囲のクリニックを受診する場合には、必ずしもオンライン診療でコストが下がるとは言えないため、注意が必要です。
メリット⑦
薬が自宅に郵送される
オンライン診療では、クリニックごとに薬の受け取り方が違います。基本的には、処方箋や薬を自宅に郵送してもらうことがほとんどです。受診後に薬が直送されるクリニックなら、わざわざ調剤薬局へ足を運ぶ面倒がなく、処方箋の有効期限を気にしたり、薬ができるのを待ったりする必要もありません。
タカミクリニックでは、オリジナルの治療薬やコスメなどをご自宅に郵送しています。
しかし、医療機関によっては処方箋が届けられ、有効期限内に近くの薬局に行って薬を受け取らなければなりません。せっかくオンライン診療を受けたのに、薬局へ行く手間や時間がかかってしまうのは少しもったいないです。
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オンライン診療のデメリット
オンライン診療は情報通信機器の利用が必要不可欠であり、あまりインターネットを利用したことがなく、機械の操作が苦手な方にはハードルが高く感じられるのが難点です。また、オンラインだからこそ発生する不便な面もあるため、メリットと合わせてデメリットも確認しておきましょう。
デメリット①
スマホやパソコンの操作が必要
オンライン診療を受けるには、スマホやパソコンを使ってプロフィールの登録、予約や問診の入力を行います。普段からスマホやパソコンを使い慣れている方にはそれほど難しい操作ではありません。
しかし、ある程度はシステムの仕組みを理解していないと情報通信機器が操作できないので、オンライン診療を受診するのは難しいでしょう。自分ひとりでは操作ができないのであれば、操作方法を教えてくれる人や操作を代行してくれる人の協力が必要です。
また、情報通信機器を問題なく操作できたとしても、音声や画像が乱れていてはお互いの情報をうまく伝え合うことができません。リアルタイムで情報を共有するには、安定した通信環境が整っていることも必須条件です。
デメリット②
オンライン診療では診察や処方が難しいことがある科目(疾患)がある
受診したい医療機関がオンライン診療を導入していても、病気によっては対面での診察を求められることがあります。
患者さんに直接触れて症状の把握や疾患の診断をするケースでは、オンライン診療は不向きです。自覚症状や画面越しの情報だけでは疾患の特定が難しく、採血やレントゲンなど詳しい検査が必要な科目があります。また、科目に関係なく、注射やレーザー照射など何らかの処置を行う場合は対面診療になります。
タカミクリニックのオンライン診療においても、「顔のニキビ」のみの診察となります。画面越しで症状の確認がしにくい体のニキビや、クリニックでの処置や施術が必要なニキビ跡などの症状は、残念ながらオンライン診療では対象外となります。
デメリット③
クレジットカード決済などが必要な場合が多い
オンライン診療ではすべての手続きがインターネット上で行われるため、支払いもクレジットカードやキャッシュレスアプリなどを使った電子決済がほとんどです。
クレジットカードを持っていない方や電子決済をあまり利用したことがない方は、手続きの流れや支払えたかどうかが分からず、ネットでの支払いに不安を感じるかもしれません。
何度か経験して慣れてしまえば便利に感じられる電子決済ですが、どうしても心配なら家族や友人に同席してもらうと心強いでしょう。
オンライン診療のポイントは対面診療との使い分け
実は、オンライン診療自体は以前からありましたが、対象となる患者さんの条件が限られていて、導入している医療機関はわずかでした。今ではオンライン診療を受けられる医療機関が増え、新しい医療の形が確立しつつあります。
有名なクリニックや専門的な治療ができるクリニックが近くにない場合や、受診する時間が取れない・人に会わずに受診したいなど、オンライン診療は様々なニーズに対応できる、とても便利なツールです。また、高齢者や精神疾患、運動障害など一人で外出ができない方、皮膚疾患の他、糖尿病や生活習慣病など慢性症状で定期的な通院が必要な方にも利用しやすくおすすめです。
ただし、オンライン診療には限界もあり、病状や受診する目的によっては対面診療が必要なケースもあります。普段の通院にはオンライン診療を活用し、必要に応じて対面診療に切り替えるなど、うまく使い分けるようにしましょう。
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メリット・デメリットを理解してオンライン診療を有効活用しよう!
オンライン診療が自分にとってメリットが大きいと感じられればオンライン診療を活用してみる価値はあります。ただし、オンライン診療にはデメリットもあるので、メリットとデメリットの両方を理解しておくことが大切です。
オンライン診療と対面診療のどちらか一方にこだわらず、状況に合わせて使い分けができれば時間や費用を節約できます。
まずは、オンライン診療を導入している病院やクリニックを利用してみて、自分にとって有効な活用方法を見つけていきましょう。
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