毛穴洗浄の効果と自宅・美容皮膚科でのおすすめの方法

美しい素肌を保つためには、毛穴ケアは欠かせません。しかし、普段のケアでは限界があり、一度毛穴トラブルが発生してしまうと、日々のスキンケアや生活習慣の見直しだけでは改善が難しい場合も少なくありません。

毛穴ケアにおいて、毛穴に詰まった汚れを除去することで、毛穴トラブルを改善へと導く「毛穴洗浄」は効果が高いと人気があります。毛穴洗浄の効果やメリット、自宅でできるおすすめの方法をご紹介しますので、間違った毛穴洗浄で肌を傷めてしまうことがないように、注意点も理解しておきましょう。

この記事は、美容皮膚科タカミクリニック副院長の山屋 雅美医師が監修しています。

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• 毛穴洗浄とは？
• 毛穴洗浄で除去できる毛穴汚れの原因は？
• 毛穴洗浄で期待できる効果
• 毛穴洗浄での注意点
• 自宅でできる毛穴洗浄の種類とおすすめの方法
• エステでできる毛穴洗浄の方法
• 美容皮膚科でできる毛穴洗浄の種類とおすすめの方法
• 毛穴洗浄の効果を高めるにはケアが大切
• まとめ

毛穴洗浄とは？
　

毛穴洗浄とは、日々のクレンジングや洗顔では落としきれない角栓など毛穴に詰まった汚れを、専用の機械を使用して取り除く美容施術を指します。毛穴洗浄は専用の機器を使用しておこなうのが一般的です。角栓や毛穴汚れを吸引して取り除く施術のほか、水流の力で皮脂や不要な角質を取り除く施術、ピーリング剤の作用によって角栓や不要な角質を除去する施術、超音波振動で汚れを取り除く施術などが挙げられます。

肌悩みの原因に多い「詰まり毛穴」「黒ずみ毛穴」「開き毛穴」がある肌に毛穴洗浄をおこなうと、毛穴汚れを効果的に落とす事ができるため、透明感のあるつるんとした美肌を目指すことができます。

美容皮膚科やエステサロンでおこなう毛穴洗浄は、皮膚へのダメージを抑えながら毛穴汚れを効果的に取り除くことができるため、非常に人気が高い施術です。

毛穴洗浄は美容皮膚科やエステサロンだけでなく、自宅でおこなうことも可能です。毛穴汚れが蓄積すると、ニキビやニキビ跡、角質肥厚などの肌トラブルに進行する可能性があるため、毛穴洗浄は予防美容として有効と言えるでしょう。

毛穴洗浄で除去できる毛穴汚れの原因は？
　

毛穴洗浄を目的に美容皮膚科やエステサロンに訪れる方は、さまざまな毛穴悩みを抱えて来院されます。毛穴汚れの主な原因には、過剰な皮脂の分泌、お手入れ不足、ターンオーバーの乱れなどが挙げられます。

毛穴汚れの原因① 過剰な皮脂の分泌

皮脂の過剰な分泌は毛穴に詰まる角栓の原因になるため、毛穴汚れに直結します。角栓は、皮脂や剥がれ落ちた角質、メイク汚れなどが混ざりあって形成されます。特に皮脂分泌の多いTゾーンは、角栓や毛穴汚れが溜まりやすい部位です。

皮脂の分泌量は、ストレスや睡眠不足、ホルモンバランスや食生活の乱れなどが影響して増加します。

寝不足や疲れが溜まったときに、皮脂で顔がべたついた経験はありませんか？睡眠不足が続くと自律神経のバランスが乱れ、交感神経が優位になり皮脂分泌が増加して、毛穴汚れが蓄積しやすくなります。

女性の場合は、月経前になると増加するプロゲステロン（黄体ホルモン）の影響によっても、皮脂分泌が増加します。

毛穴汚れの原因② お手入れ不足

「メイクがきれいに落ちていない」「うるおい不足によって乾燥している」といったお手入れ不足の状態は、毛穴汚れの原因になります。

ファンデーションや下地の粒子が毛穴に蓄積すると、毛穴が塞がり、汚れが溜まります。また、簡素なスキンケアでは肌のうるおい不足が起こり、乾燥が進むと、うるおいを補うために皮脂分泌が促進されます。その結果、メイク汚れと皮脂が毛穴に溜まり、角栓ができやすくなります。

クレンジングや洗顔でメイクや皮脂汚れが十分に落ちているか、また肌のうるおいを保つスキンケアが効果的におこなわれているか、一度ご自身のお手入れを見直してみましょう。

毛穴汚れの原因③ ターンオーバーの乱れ

ターンオーバーとは、表皮の基底層で生まれた肌細胞が角質層まで押し上げられ、垢となって剥がれ落ちるまでのサイクルを指します。

老化角質が蓄積した肌や、角質肥厚を起こした肌は、正常なサイクルでターンオーバーがおこなわれなくなってしまいます。ターンオーバーが乱れると、皮脂の排出口である毛穴も、古い角質でふさがれやすくなります。すると、角栓の元となる皮脂や汚れが毛穴の中に溜まりやすくなり、角栓や毛穴汚れの原因になります。

「ファンデーションを塗ってもくすんで見える」「洗顔後も肌がごわつく」と感じる方は、ターンオーバーが乱れている可能性があります。

毛穴洗浄で期待できる効果
　

毛穴洗浄にはさまざまな効果が期待できます。

①セルフケアだけよりも美肌効果を期待できる

毛穴洗浄は、日常のセルフケアよりも美肌や毛穴目立ちの改善に期待できます。実際、クレンジングや洗顔などの日常のセルフケアのみで、毛穴に溜まった汚れを落とすのは難しいのです。

また、スクラブやゴマージュなどを使用した角質ケアを過度におこなった場合、肌を傷めたり必要な角質を剥がしたりしてしまう可能性があります。角栓を取り除く、剥がすタイプのパックは、角栓を除去できる一方で、肌の角質も剥がしてしまうリスクがあります。その結果、肌が傷つき、ターンオーバーが乱れる可能性があり、悪循環に陥りやすくなりますので、注意が必要です。

毛穴洗浄は、毛穴の奥に詰まった汚れや角栓を肌に負担をかけずに取り除けるため、毛穴を目立たなくすることが可能です。

②化粧水・美容液の成分の浸透力が高まる

毛穴洗浄をおこなうと毛穴詰まりや老化角質が除去され、化粧水や美容液が肌に浸透しやすくなります。

毛穴に汚れが詰まった肌や角質肥厚の肌は、スキンケアをおこなっても浸透しにくいため、スキンケア効果が半減する可能性があります。

毛穴洗浄は、個々の毛穴状態に合わせた施術をおこなうことで、効率的に毛穴汚れを除去できます。さらに、毛穴洗浄に加えてイオン導入や、肌悩みに応じた薬剤を使用した施術も可能。自宅でのスキンケアをより効果的におこなうためには、毛穴洗浄によって毛穴の詰まりや肌に残った不要な古い角質を落とすことが効果的です。

③ニキビの予防にもつながる

大人ニキビ、思春期ニキビ、どちらのニキビも原因は、毛穴の出口が塞がって毛包内に皮脂が溜まることです。
角質肥厚などによって毛穴の出口が塞がると、皮脂腺から分泌された皮脂が毛包内にたまり、ニキビ（白ニキビ）となるのです。
さらに、アクネ菌は酸素のない環境と皮脂を好むため、皮脂＋毛穴詰まりはアクネ菌にとって絶好の場となります。アクネ菌が毛包内で増殖すると、白ニキビから赤ニキビへと進行します。

毛穴詰まりやニキビができやすい人は、毛穴洗浄をおこなうと皮脂や角栓が取り除かれて、毛穴の詰まりを改善できるため、ニキビの予防につながります。

ニキビができると色素沈着やクレーターになる場合があり、さらに深刻な悩みに陥りやすいですが、毛穴洗浄をおこないニキビを未然に防ぐことが出来れば、これらの肌トラブルも回避できます。

ニキビや肌トラブルの予防として、ご自身の肌に合った適切な方法で毛穴洗浄をおこなうことをおすすめします。

毛穴洗浄での注意点
　

毛穴汚れを落とすのにおすすめの毛穴洗浄ですが、誰でもいつでもできるわけではありません。毛穴洗浄をしたあとに肌が乾燥したり、やりすぎると肌にダメージを与えてしまったり、肌の状態によっては施術ができない場合があります。
毛穴洗浄のデメリットや注意点も合わせてチェックしていきましょう。

①肌が乾燥しやすくなる

毛穴洗浄にはさまざまな種類がありますが、水流の力で洗浄する方法や、超音波の振動で汚れを取り除く方法は、肌に必要な皮脂や、角質を取り除きすぎてしまうこともあるため、乾燥しやすくなります。

特に施術直後は、肌や毛穴が無防備になりがちです。
汚れが落ちるとすべすべして肌がトーンアップしやすいものの、しっかりと保湿ケアをおこなわないと、乾燥して肌トラブルを起こしやすいため注意しましょう。

②やりすぎると肌にダメージを与えてしまう

毛穴汚れは一度取り除いても、時間が経つと再発し、繰り返す場合が多く見られます。そのため、定期的におこなうことが前提になりますが、短期間で施術を繰り返すと、肌にダメージを与える可能性もあります。顔全体をケアするタイプを頻度高くおこなうと、角質層がどんどん薄くなり外的刺激を受けやすくなるため、肌状態を見ておこなうようにしましょう。

特に、水流の力や超音波の力で落とす毛穴洗浄は、過度におこなうとバリア機能が低下する可能性があります。

タカミクリニックでは、毛穴汚れに直接アプローチする「角栓除去」をおこなっています。毛穴詰まりを直接吸引して取り除く方法のため、バリア機能低下のリスクが軽減されます。クリニックであれば、医師が肌状態を見ておこないますが、自宅ケアの場合はついやりすぎて肌を傷めるケースもあります。

③肌の状態によっては毛穴洗浄ができない場合がある

毛穴洗浄は、ニキビや肌荒れなど、肌の状態によっては施術ができない場合があります。毛穴洗浄はニキビ予防に効果的ですが、ニキビができてしまった肌におこなうと、炎症を起こしたり、負担になったりする場合があります。

また、肌荒れ時はバリア機能が低下しているため、老化角質を除去するタイプの毛穴洗浄はおすすめしません。

自宅で毛穴洗浄をおこなう場合は、肌荒れやニキビが出ているときや肌が敏感になっているときの使用は控えることが重要です。

美容皮膚科では適切な毛穴洗浄方法を指導してもらえるため、不安な人はクリニックでの相談をおすすめします。

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自宅でできる毛穴洗浄の種類とおすすめの方法
　

毛穴洗浄は自宅でおこなうことも可能です。
自宅での毛穴洗浄は比較的低コストで、気になるタイミングで手軽におこなえるのが魅力です。ただし、使用方法や回数を守らないと肌を傷めてしまう可能性があるため、注意点を必ず確認してください。

毛穴吸引器

毛穴吸引器は、角栓や毛穴汚れが気になる部分に専用の機器をあて、毛穴汚れを直接吸引して取り除くアイテムです。

顔全体に使用するのではなく、鼻やあごなどにスポットでおこないます。吸引器により吸引できる強さが異なりますが、家庭用美顔器の場合は吸引力が弱めのものが一般的。吸引器の選び方は、吸引モードが選べるものや部位ごとのアタッチメントがあるものがおすすめです。

角栓が取れないからと長時間おこなうと、肌が赤くなったり炎症を起こしたりする可能性があるため、使用法やケアの頻度を必ず守っておこないましょう。

ウォーターピーリング

ウォーターピーリングは、肌に水をつけて超音波の振動で汚れを浮かして落とすアイテムです。ヘラのように薄い形状になっているタイプが多く、使用後は肌がすべすべになるのが特徴です。

肌表面の角質や毛穴汚れは落とせますが、毛穴吸引器のように毛穴の奥まですっきりと落とすのは、難しい場合が多いです。

また、超音波マシンを肌に当てる角度を間違えると肌に負担がかかってしまうなど、扱い方も難しいため、動画などできちんと使い方を調べてからケアを開始するようにしましょう。

酵素洗顔

酵素洗顔は、たんぱく質や皮脂を分解する酵素が配合された洗顔料で、低コストでおこなえる毛穴ケアです。

すぐに効果は得られにくいですが、続けておこなうことで徐々に毛穴汚れを取り除くことができます。

酵素洗顔は、通常の洗顔料よりも洗浄力が高いため乾燥しやすく、基本的には週に1回～2回程度の使用が推奨されます。まずは、メーカー推奨の使用頻度よりも少ないペースでケアをはじめるようにしましょう。

エステでできる毛穴洗浄の方法
　

毛穴洗浄はエステサロンでも実施できます。エステでできる毛穴洗浄の方法を見ていきましょう。

毛穴吸引

エステサロンの毛穴吸引は、毛穴詰まりや角栓を除去するケアです。業務用の機器でおこなうため、家庭用の吸引器よりも吸引力が強く、肌へ負担がかかりやすくなることもあります。

ウォーターピーリング

ウォーターピーリングは、超音波の力で肌の汚れや毛穴汚れを落とす機器で、スクライバーとも呼ばれています。毛穴の奥の汚れまでは落ちにくいことがあり、どちらかと言えば肌表面に蓄積した汚れを除去するケアです。

AHAフルーツ酸ピーリング

AHAフルーツ酸ピーリングは、肌を柔らかくし、古い角質を取り除く施術です。
フルーツ酸を用いたピーリングは、肌質によっては刺激を感じることもあり、使用できる肌かどうか技術者の見極めが難しいため、エステでの施術は基本的にはおすすめしません。フルーツ酸のピーリングをしたい場合は美容皮膚科で肌を診てもらいましょう。

美容皮膚科でできる毛穴洗浄の種類とおすすめの方法
　

美容皮膚科では、毛穴悩みや肌質に合わせた毛穴洗浄の治療を推奨しています。
タカミクリニックでおこなっている、効率よく毛穴汚れを除去するオリジナルの治療法をご紹介します。

角栓除去

角栓除去は、普段のお手入れでは落としきれない角栓汚れを取り除く施術です。タカミクリニックでおこなう角栓除去は、肌に負担なく、丁寧な施術が特徴。スチーマーの蒸気をあてながら、複数本の吸引管を使用することによって、肌に負担をかけずに角栓の詰まりを取り除きます。さらに、導入治療やフラクショナルレーザー、ヴェルベットスキンなどの毛穴を引き締める治療と組み合わせることで、治療効果を高め、毛穴の目立ちを改善することができます。

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ピーリング

ピーリングは、肌に蓄積した不要な角質を取り除くことで肌の再生を促す治療法です。皮脂分泌抑制の効果もあり、継続してお受けいただくことで、角栓が詰まりにくい肌へ改善できるため、いちご鼻の改善におすすめです。
特にトリクロロ酢酸を含む「マッサージピール」や「ペパーミントピール」は、優れたピーリング効果とともにコラーゲン生成を促進し、肌にハリやツヤを与えます。毛穴のざらつきを解消しながら、滑らかな美肌を目指すことができる施術方法です。また、美白成分も含まれており、毛穴周りの色素沈着にも効果が期待できます。2週間～3週間おきに5回の治療をおこなった後は、月に1回程度の定期的な治療で効果を維持できます。比較的費用が安く、頑固ないちご鼻改善の近道とされています。

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毛穴洗浄の効果を高めるにはケアが大切
　

毛穴洗浄の効果を高めるためには、適切なスキンケアを継続することが大切です。

うるおい不足になってしまうと皮脂の過剰分泌を促し、毛穴詰まりを起こしやすくなるため、肌が乾燥しないように丁寧なスキンケアを心掛けましょう。

毛穴に汚れを溜めないためのW洗顔によるケア、うるおいをチャージする保湿ケアの両方が欠かせません。良質な睡眠やバランスの取れた食生活などのインナーケアにも目を向けると、より効果が期待できるでしょう。

まとめ
　

毛穴洗浄は、多くの人の肌悩みである毛穴トラブルを解決するためのおすすめの施術方法です。しかし、セルフケアでおこなう毛穴洗浄は、適切な頻度を把握することが難しく、肌を傷つけてしまうことがあるかもしれません。たとえば、ピーリングをおこなう場合でも、週に1回～2回の頻度が推奨されていますが、肌の状態や季節によって適切な頻度が異なる可能性があります。そのため、自分の肌状態を見極めながらケアをおこなうことが重要です。

美容皮膚科は毛穴洗浄の施術だけでなく、一人ひとりに合わせた自宅でのお手入れ方法も指導しています。毛穴汚れや角栓を徹底的に綺麗にしたい方は、ぜひ美容皮膚科にご相談ください。