あなたの肌悩みに医師がお答えします
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毛穴パックはよくない?角栓や黒ずみに効くおすすめの使い方

更新日:2024年4月19日 金曜日

鼻や小鼻、頬、あごなど、毛穴の黒ずみや角栓が気になるときに使いたいのが「毛穴パック」。ただ、残念なことに毛穴パックを使用しても、角栓や毛穴の黒ずみが解消されず、むしろ以前より毛穴が気になって不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
毛穴パックにはメリットとデメリットが存在します。毛穴パックのさまざまな種類と正しい使い方について詳しく解説しますので、毛穴パックを適切に使用して、角栓の少ないつるつるの素肌を目指しましょう。

 

この記事は、美容皮膚科タカミクリニック副院長の山屋 雅美医師が監修しています。

 

 

毛穴パックとは?
 

毛穴パックは、主に毛穴に詰まった角栓を取り除く毛穴ケア専用アイテムです。毛穴の詰まりやポツポツとした黒ずみが気になるところにパックをすると、パックが角栓をキャッチして取り除いてくれます。

シートタイプや洗い流すタイプなどいくつか種類があり、使い勝手やライフスタイルによって選択することができるのが魅力です。ドラッグストアなど、どこでも手に入れることができ、使用方法も簡単なことから幅広い世代に浸透しているアイテムです。

洗顔や保湿のような毎日のスキンケアとは異なり、10日〜2週間程度に1度の特別なスキンケアとして使用するのが一般的です。

 

 

毛穴パックは良くないって本当?
 

毛穴パックが良くないと言われている理由は主に2つあります。

・毛穴パックでは解消できない悩みに使用している場合
・誤った使用方法で肌に負担をかけている場合
が挙げられます。

毛穴パックは、角栓による毛穴の詰まりや毛穴の黒ずみを取り除くことが目的のアイテムで、どんな毛穴の悩みでも解消できるわけではありません。
角栓が原因ではない毛穴悩みに使用しても解消されず、むしろ悪化させてしまうことがあります。

また、毛穴パックの使い方を誤っていては、肌にとって良いはずがありません。自分の毛穴のタイプをちゃんと見極めて、肌に負担をかけない適切な使い方を知っておく必要があります。

 

毛穴パックの効果がある毛穴タイプ

毛穴パックの使用が効果的な毛穴タイプを紹介します。

詰まり毛穴

詰まり毛穴は、古い角質やメイク汚れが皮脂と混ざって角栓を形成し、毛穴を詰まらせている状態です。
鼻や額など皮脂の多いTゾーンにできやすく、鏡でチェックすると、毛穴のところに白い角栓が見えます。角栓が成長するとともに、肌の表面がザラザラしてくるのが特徴です。
毛穴パックを適切に使用し角栓を取り除くことができると、毛穴の中の汚れがなくなってスッキリします。

黒ずみ毛穴(黒角栓タイプ)

黒角栓タイプの黒ずみ毛穴は、毛穴に詰まった白い角栓が長時間放置されることで酸化して黒くなり、毛穴そのものが黒ずんで見える状態です。
黒い角栓が毛穴からのぞいて見えるため、ポツポツと目立って見えるのが特徴です。皮脂の多いTゾーンに多く、特に鼻や小鼻にできます。いわゆるイチゴ鼻はこのタイプの毛穴を指すことが多いようです。
毛穴パックで黒角栓を取り除くと、肌が全体的に明るくなり透明感が出ます。

 

毛穴パックの効果がない毛穴タイプ

毛穴パックの使用が効果的でない毛穴タイプを紹介します。

黒ずみ毛穴(メラニンタイプ)

メラニンタイプの黒ずみ毛穴は、毛穴周囲の皮膚で増加したメラニンが原因となり、色素沈着を起こして、毛穴の周りがリング状に黒く見えている状態です。摩擦や紫外線のダメージを受けやすい部位によくできます。
毛穴パックで角栓をとっても、黒ずみの原因となっているメラニン色素を取り除くことはできないため、効果はあまり感じられないでしょう。

黒ずみ毛穴(産毛タイプ)

産毛タイプの黒ずみ毛穴は、太い産毛が毛穴を黒く見せている状態です。特に眉間や頬、小鼻などは太い産毛が多く、産毛で毛穴が黒く見えることはよくあります。また、ムダ毛処理などでカットされた産毛の断面も原因のひとつですが、自分で見分けるのは難しいでしょう。
毛穴パックで角栓が取れても、産毛自体が毛穴に残っていると効果は感じられません。

そのほかの毛穴タイプ

毛穴トラブルはほかにも、加齢による皮膚のたるみで毛穴が開く「たるみ毛穴」や、水分不足で肌のキメが乱れて毛穴が目立つ「乾燥毛穴」、ニキビ跡などで皮膚が凹む「クレーター毛穴」がありますが、原因が異なるため毛穴パックをしても効果は感じられないでしょう。

毛穴パックで解決しないタイプの毛穴トラブルは、美容皮膚科などに相談するのがおすすめです。

 

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毛穴パックのメリット・デメリット
 

毛穴パックを正しく使用すれば、角栓を手軽に取り除けてとても便利ですが、使い方や使うタイミングを誤ると肌を傷めてしまうなどのデメリットもあります。

毛穴パックのメリット

毛穴パックを正しく使用すれば、洗顔では落とせない毛穴汚れや角栓も取り除くことができます。角栓が気になっているところだけ集中的にケアができ、その結果が目で見て分かるのも魅力です。

また、角栓を一度に取り除くことができるのも毛穴パックのメリット。毛穴の角栓はひとつだけではなく、多数の角栓を取らなければ肌の印象も改善しないため、上手に使うことができれば肌印象をアップできるでしょう。

 

毛穴パックのデメリット

毛穴パックをすると、汚れを吸着する作用で必要なうるおいまで取り去ってしまったり、粘着作用で皮膚や毛穴を傷つけてしまい、結果として毛穴目立ちを悪化させてしまうことがあります。
また、繰り返し頻繁に使用することで肌に過度な刺激が加わり、炎症を引き起こして黒ずみ毛穴を助長させてしまうこともあります。

毛穴パックを使っても角栓がすべて取れるわけではありません。深い毛穴に詰まってしまった角栓を取り除くのは簡単ではなく、優秀なアイテムを使っても限界があります。

 

 

毛穴パックの種類と正しい使い方
 

毛穴パックは日々新しい製品がでていて、さまざまなタイプがあります。毛穴パックを大きく4つのタイプに分けて、それぞれの特徴とおすすめの使い方などを見ていきましょう。

貼って剥がす
シートタイプの毛穴パック

粘着性のあるシートを気になる部分に貼って剥がすことで、毛穴に詰まった角栓や汚れを一緒に剥がし取ります。
鼻や額、あごなど部分使いができる仕様になっていて手軽なうえ、毛穴に詰まった角栓が奥からごっそり取れているのが見え、スッキリした気持ちになりますが、必要な角質まで剥がして肌に負担がかかってしまうため、あまりおすすめできません。特に敏感肌、乾燥肌の方は肌トラブルになる可能性が高く注意が必要です。

 

貼って汚れを浮かす
シートタイプの毛穴パック

美容成分や炭酸、酵素などの成分を含んだシートを気になる部分に貼ることで、角栓を柔らかくしたり、毛穴の中に入りこんでいる毛穴汚れを浮かせて取り除きやすくします。
パックで角栓や汚れを取りやすくした後は、浮いた汚れを綿棒で優しく取り除いたり水で洗い流したりします。肌をこすったり洗顔に時間をかける必要はありません。

炭酸やピーリング作用のある成分が含まれている場合は、刺激を感じやすく乾燥も起こすこともあるため、使うときは短時間にして、使用後は必ず保湿をしましょう。

 

塗って洗い流す
クリームタイプの毛穴パック

肌にのせてから時間をおき、洗い流すクリーム状の毛穴パックもあります。気になる部分に集中的に使用する他、ボディにも利用可能なのが特長です。
多くの場合、毛穴の汚れや皮脂を吸着してくれる泥などの成分や、古い角質をオフするピーリング成分が配合されています。泥の成分を配合しているものはクレイタイプと呼ばれます。

美肌効果が期待できる保湿成分や美容成分を配合している製品も多いのですが、基本的に皮脂や角質を取り除くタイプのものが多いので、肌の負担にならないよう適切な放置時間、頻度で使いましょう。
洗い流す際は通常の洗顔よりも時間がかかるため肌を摩擦してしまいがちです。少し面倒ですが、肌をこすらずに時間をかけてすすぐように気をつけましょう。

 

塗って剥がす
ジェル・クリームタイプの毛穴パック

塗って剥がすシートタイプの手軽さと、塗って洗うクリームタイプのやさしさを兼ね揃えた毛穴パックです。角栓が気になる箇所にジェルやクリームを塗り、一定時間経過後にその固まった部分を剥がす方法です。

ジェルを塗って肌にうるおい成分などを浸透させつつ、毛穴の角栓や汚れをキャッチして、パックを剥がすときに角栓を取り除きます。

塗ったあとに一定時間置くことが必要のため、気が付くといつの間にか時間が経っていたということも多く見られます。指定の時間よりも放置すると、必要な皮脂まで落として肌を乾燥させてしまうため、使用時間を必ず守りましょう。

どうしても毛穴の角栓をしっかり取りたい場合は、美容皮膚科で角栓を除去してもらうことがおすすめです。

 

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毛穴パックを使用する際に気をつけること
 

毛穴パックは、手軽に角栓を取り除ける便利なスキンケアアイテムですが、使い方を誤ると肌を傷めたり乾燥させたりして、逆に毛穴のトラブルを悪化させてしまう原因にもなります。毛穴パックを使うときには、これから説明する3つを意識して肌を守りましょう。

毛穴パックの使用時間や頻度を守る

毛穴パックは、洗顔よりも肌の汚れを効果的に取り除き、即効性があるため、魅力的に感じるかもしれません。しかし、パックだけでは取り切れない角栓も存在します。その取れない角栓のためにパックの時間を長引かせたり、頻繁に使用すると、肌に余分な負担がかかってしまいます。

角栓が取れる爽快感で毎日使いたいと思ってしまうかもしれませんが、角栓と一緒に肌表面の角質を取り過ぎて、肌のコンディションを悪化させてしまうこともあります。肌に不要なダメージを与えないためにも、推奨されている使用時間や使用頻度を守りましょう。

 

一度で角栓や黒ずみをとろうとしない

1回で毛穴の詰まりを完全に取り除こうとすると、毛穴や肌に過度な負担がかかる可能性があります。毛穴パックで取りきれない角栓が残っていても、肌を無理に擦ったりせず、取れないものは諦めましょう。

また、毛穴の黒ずみは洗いすぎ・擦りすぎなどの刺激によっても発生します。適切なケアを続けていればターンオーバーが正常化し、頑固な角栓も改善が期待できるため、新たな毛穴トラブルを招かないためにも、すべての角栓を一気に取りきろうとするのではなく、ゆっくりとゴールを目指しましょう。

 

毛穴パック使用後は充分な保湿を

毛穴パックを使用したあとは肌が乾燥しやすいため、保湿ケアが必須です。毛穴パックにうるおい成分や美容成分が配合されているものもありますが、角質層が薄くなっていると、保湿力が低下して、補給した成分を逃がしてしまいます。
毛穴パックで角栓を取り除いた後、ぽっかりと開いた毛穴をそのままにせず、毛穴を引き締めるためにも、毛穴パックをして終わりではなく、スキンケアで十分な保湿をおこなうことが重要です。化粧水や美容液でしっかりと保湿た後は、水分を逃さないように乳液も欠かさずに塗布しましょう。

 

 

毛穴パックよりも角栓をつくらないケアが大切
 

洗顔では取れない毛穴の角栓を取り除くには、毛穴パックが有効ですが、正しい使い方をしなければ、肌にダメージを与えて逆効果に。また、毛穴パックは全ての角栓を取り除くことができるわけではありません。無理やり角栓を取ったところですぐに新しい角栓ができてしまい、また毛穴パックで取るケアを繰り返すことになります。

本当に大切なのは、単に角栓をとるだけの部分的なケアではなく、原因となっている角栓をつくらない毛穴のトータルケアです。

 

クレンジングと洗顔で毛穴に汚れが溜まるのを防ぐ

毛穴に角栓をつくらないためには、クレンジングと洗顔のダブル洗顔をおこないましょう。クレンジングで毛穴に入りこんだメイクなどの油汚れを浮かし、洗顔で浮かした汚れを洗い落とします。汚れをしっかり落としきることが角栓詰まりの予防につながります。

クレンジングと洗顔では、摩擦を避けて皮脂を取り過ぎないようにするのが基本。クレンジング剤にはクッションの働きで肌への摩擦を軽減してくれるジェルタイプを使い、肌を擦らないことと、クレンジング剤の量に注意して1分以内に終わらせましょう。

洗顔料は泡立てネットでしっかりと弾力が出るまで泡立てます。手が肌に直接触れないように顔を泡で包み込んでいき、20秒〜30秒を目安におこないます。

すすぎは34℃〜38℃のぬるま湯を使い、クレンジング剤や洗顔泡が残らないように丁寧に洗い流しましょう。

 

ピーリングや角質ケアで毛穴の塞ぎを予防する

クレンジングや洗顔で落とせない汚れには、ピーリングや角質ケアがおすすめです。古い角質を効果的に取り除くことで、肌のターンオーバーを正常化し、毛穴の健康を促進します。

自宅でできるピーリング剤に配合されている成分は、フルーツ酸などのAHAやサリチル酸です。古い角質を柔らかくして剥がれやすくするピーリングに対して、スクラブやゴマージュは粒子で角質をけずっていくため力加減に注意が必要です。

市販されている化粧品は有効成分の濃度が低く副作用が生じにくいですが、週に何度も使用したり長時間使用したりすると、肌のバリア機能を低下させることがあります。角質を取り除いたあとは肌が乾燥しやすくなるため、保湿を忘れないようにしましょう。

また、ピーリング剤を塗ったときに刺激が強いと感じた場合、肌にダメージを与えてしまっているため自分の肌に適したアイテムを選ぶようにしましょう。

 

セラミドケア・ビタミンCケアを取り入れる

肌が乾燥するとキメが乱れて毛穴が目立ちやすくなるだけでなく、肌のうるおいを保つために皮脂が大量に分泌され、毛穴トラブルを招きます。保湿にはバリア機能の改善に効果的な「セラミド」がおすすめです。セラミドは保湿効果が高く、皮脂が過剰に分泌するのを防ぐことができます。

また毛穴ケアには、過剰な皮脂分泌やメラニン生成を抑制し、コラーゲンの生成も促してくれるビタミンCが効果的です。特にビタミンC誘導体は、肌に浸透しやすく安定性に優れているため肌細胞に長時間アプローチします。
乾燥した肌にはビタミンCが刺激になることがあるため、まずはセラミドで肌を整えてからビタミンCと併用しましょう。

 

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毛穴の角栓や黒ずみは美容皮膚科で除去を
 

毛穴の角栓をなくすには、日々のスキンケアで皮脂の過剰な分泌を抑え、ターンオーバーを整えることが大切です。既に毛穴に詰まっている角栓は、皮脂やメイクの油分に加えてタンパク質である角質が多く混ざっているため、クレンジングや洗顔だけでは落としにくい状態です。

ただし、放置するとより目立つ可能性もあるため、毛穴トラブルを改善したい場合は、美容皮膚科での角栓除去を検討することがおすすめです。

 

角栓除去

美容皮膚科でおこなう「角栓除去」は、スキンケアでは落とせない角栓を肌に負担をかけることなく取り除く施術です。毛穴に詰まった角栓による黒いポツポツや表面のざらつきを改善し、ニキビの予防もできます。

まずは角栓を柔らかくする専用溶剤を塗布して密封し、心地よい蒸気を当てて温めることで角栓を浮かせます。そのあとに専用のマシンで角栓を吸引しながら丁寧に取り除きます。

角栓を取り除いたあとの毛穴は開いていて、そのままにすると汚れが溜まりやすい状態になっているため、直後に毛穴を引き締めるイオン導入を組み合わせると効果的です。イオン導入で肌に浸透させるビタミンCやビタミンCEには過剰な皮脂の分泌を抑える効果があるため、角栓ができにくい肌へと整えます。

 

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まとめ
 

毛穴の角栓は、皮脂の過剰な分泌とターンオーバーの乱れが原因で生じ、特に鼻や小鼻、あごなどの皮脂が多いTゾーンに発生しやすくなります。日々、クレンジングや洗顔をしても、毛穴の中に皮脂やメイク汚れが残っていると古い角質と混ざって角栓が形成されます。

角栓ができても、ターンオーバーが正常に働いていれば自然と解消していきますが、毛穴の中に角栓が残ってしまうと、詰まり毛穴や黒ずみ毛穴へと進行します。また、角栓が毛穴に栓をすることで毛穴の中でアクネ菌が増殖しニキビにつながることもあるため、角栓ができてしまった場合は丁寧に取り除いてあげることが必要です。

しかし、自己流のスキンケアだけで角栓を取り除こうとしても、時間がかかり、確実に取れるわけではありません。過剰なケアで肌に負担をかけて悪化させてしまう可能性もあるため、肌を傷めず、効果的に角栓を除去したい場合は、美容皮膚科での角栓除去を検討しましょう。

 

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