ニキビができやすい肌に
おすすめのケア方法を
知ろう!
ニキビができやすい肌だと分かっていても、やっぱりニキビのないきれいな肌に憧れますよね。肌質や体質によってニキビのできやすさに差はありますが、どんな肌質でも適切なケアでニキビができにくい状態へと近づくことができます。ニキビのない肌を目指すなら、毎日のケアで正しいお手入れと予防をしましょう。
美容皮膚科医タカミクリニック副院長の
山屋 雅美医師が監修しています。
ニキビができやすい肌と
できにくい肌の違いは?
ニキビができやすい肌とは「毛穴がつまりやすく、皮脂の分泌が多い肌」、反対に「毛穴つまりがなく、皮脂の分泌が正常な肌」は、毛穴から皮脂がスムーズに排出されるため、ニキビができにくい肌と言えるでしょう。
毛穴のつまりやすい肌
肌のターンオーバーが乱れがちだと、古い角質が剥がれ落ちず厚く重なっていき、毛穴の出口を詰まらせやすくなります。皮脂・汗やメイク汚れの長時間放置も毛穴つまりの原因になります。
皮脂の多い肌
ホルモン分泌量が急増する成長期や、不規則な生活習慣やストレスによってホルモンバランスが崩れたときに皮脂の過剰分泌が起こります。肌の乾燥を補うために皮脂が過剰に分泌されるケースもあります。
ニキビができにくい
肌にするには?
ニキビは毛穴がつまって皮脂が溜まることから始まります。そのため、ターンオーバー(肌の新陳代謝)が正常に行われていて、毛穴のつまりがなく、皮脂がスムーズに排泄されている健康な肌状態であれば、基本的にはニキビが出来ることはありません。
また、健康な肌は角質層の水分と油分のバランスがよく、バリア機能も正常に働いているため、外部からのちょっとした刺激でニキビを悪化させることもありません。
ニキビができにくい肌環境をつくるためには、ニキビの発生に関わっている肌の機能を正常に機能させることが近道です。5つのポイントを意識しながら日々のケアを行っていきます。
- ①洗浄(洗顔・クレンジング)
- ②肌のターンオーバー対策(角質ケア)
- ③保湿(化粧水・乳液・美容液)
- ④紫外線対策(日焼け止め)
- ⑤悩みのカバー(メイク)
ニキビケア方法①
洗浄(洗顔・クレンジング)
ニキビの発生原因である「毛穴の詰まり」を防ぐには、洗顔やクレンジングなどの洗浄が大切です。
余分な皮脂やメイクの洗い残しは毛穴をつまらせる直接的な原因になります。また、気付かないうちに肌に付着しているホコリ、花粉、黄砂、PM2.5など様々な微粒子や化学物質は刺激や炎症を引き起こしニキビ悪化の要因になることがありますので、洗浄して清潔にすることが必要です。
ただし、1日に何度も洗顔する、ゴシゴシこすって洗うなど、洗いすぎはニキビケアにとっては逆効果です。刺激から守るために角質が厚くなってしまい、毛穴がつまる原因になってしまいます。洗浄行為そのものが刺激にならないように、優しくていねいに洗うのがコツです。
クレンジング
クレンジング(メイク落とし)は、洗顔料では落とせないメイクや日焼け止めを除去することが目的です。メイク汚れや日焼け止めが十分に落とせていないと、残った汚れで毛穴がつまったり、肌の刺激になってニキビの原因になってしまいます。また、クレンジングの後におこなう洗顔洗浄もうまくいきません。
ニキビケアのクレンジング方法
肌の汚れをしっかり落としたくても、肌を直接ゴシゴシこするのは厳禁です。わずかな摩擦も肌刺激となるため、クレンジング剤は適量を使い、メイク汚れを浮かせるように、肌の表面に手のひらをすべらせ、円を描くようにやさしく40秒~50秒を目安に馴染ましょう。洗い流しはぬるま湯を使います。
ニキビケアのクレンジング料の選び方
クレンジングは肌に合ったアイテムを選ぶのが鉄則ですが、とくにニキビケアでは肌のうるおいを残しつつ、すっきりと汚れを落としてくれるオイルフリーのクレンジングがおすすめです。
クリームタイプのクレンジングは毛穴つまりの原因に、オイルタイプのクレンジングは必要な皮脂まで落とし、肌のバリア機能を低下させてしまうため控えましょう。
洗顔
洗顔は、余分な皮脂や、皮脂に付着したホコリ、不要な角質、汗などを除去することが目的で、ニキビケアにおいてとても重要なケアです。
ニキビケアの洗顔方法
洗顔のときも肌を摩擦しないように最大限の配慮が必要です。肌にできるだけ刺激を与えないためにも、洗顔料をよく泡立ててしっかりと弾力のある泡をつくります。泡で肌を包み込むように、優しく洗いあげましょう。泡立てネットを使うと、簡単にもちもちの弾力泡を作ることができます。
すすぎのお湯は、人肌くらいのぬるめの温度に調節し、生え際などにすすぎ残しがないよう丁寧に流しましょう。
体を洗うときにも、意識してできるだけ摩擦を起こさないようにします。ニキビのある部位は、ボディタオルで肌を直接こするのではなく、弾力泡をつくって手でやさしく洗いましょう。
ニキビケアの洗顔料の選び方
必要な皮脂まで落としてしまうような洗浄効果が高すぎる洗顔料は避けて、うるおいを残して汚れを落とす肌に優しい洗顔料を選びましょう。抗炎症成分を配合した敏感肌向けの洗顔料もおすすめです。
石鹸の場合、浴室に石鹸を置きっぱなしにせず、浴室の外で保管しましょう。石鹸に菌が付着していると、泡と共に雑菌が肌についてしまうことがあります。
「角栓」ケアについて
毛穴つまりの原因となる「角栓」ですが、できてしまった角栓は日常のクレンジングや洗顔だけでは、なかなか取り除けません。
そのため、「角質ケア」でターンオーバーをコントロールし、角栓の形成を予防することがニキビのできにくい肌状態に近づけるポイントとなります。できてしまった角栓を取り除きたいときは、美容皮膚科など専門家の力を借りるとよいでしょう。
ニキビケアの方法②
肌のターンオーバー対策
(角質ケア)
ニキビを発生させる毛穴の詰まりを防ぐには、角質ケアで古い角質が溜まらないようにして、毛穴をつまらせないようにすることです。
私たちの皮膚は、「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層から成り、角質は表皮の一番表面にあります。健康的な肌では古い角質が定期的に剥がれ落ちて、常に新しい角質へと入れ替わる「ターンオーバー」が起きています。ターンオーバーのサイクルが乱れると古い角質が剥がれなくなって、角質に厚みが生じて毛穴がふさがりやすくなり、ニキビを発生させます。
普段のスキンケアの中に角質ケアを取り入れることで、ターンオーバーをサポートしてニキビのできにくい健康的な肌にできます。
ニキビで悩む人にとって効果的な角質ケアですが、スクラブやゴマージュなどで肌をこすって角質を取り除く角質ケアはニキビの炎症を悪化させてしまう可能性があります。肌をこすったり、汚れを無理にふき取ったりするアイテムは避け、塗るだけで角質ケアができるアイテムを選んで、ニキビができにくい毛穴環境に整えましょう。
ニキビケアの方法③
保湿(化粧水・乳液・美容液)
肌が乾燥するとバリア機能の低下を招いて、紫外線や摩擦など外からのちょっとした刺激でも炎症を起こしやすくなるだけでなく、ニキビの原因となる皮脂の過剰分泌を誘発させて「ニキビのできやすい肌状態」を招きます。
肌の水分は洗顔直後から蒸発しはじめて、5分後には乾燥していますので、洗顔後すぐに保湿アイテムでケアしましょう。
保湿ケアには化粧水だけで充分だと思っている方もいるかもしれませんが、乳液、美容液も用いて水分と油分のバランスを整えることで肌のうるおいがキープされ、ターンオーバーが適切な周期で起こり、健康的でニキビができにくい肌状態へと近づきます。シワやたるみなどのエイジングサインの予防もできます。
化粧水
化粧水は、角層へ水分を与える役割があります。
ニキビケアの化粧水選び方
ニキビケアに使う化粧水は、角質層内の水分をキープする働きのあるセラミドやヒアルロン酸や、天然保湿因子の構成成分であるアミノ酸を配合したものがおすすめです。角質層のうるおいや肌のバリア機能を高めてくれます。
アルコールやサリチル酸などを含んだニキビ用化粧水は、肌を乾燥させたり刺激になることがあるので避けましょう。グリチルリチン酸など抗炎症成分を配合したものや、肌の負担となる成分が入っていない無添加化粧品や低刺激性の化粧水を選ぶと安心です。
ニキビケアの化粧水の使い方
化粧水は手のひらを使ってやさしく押さえるようにたっぷりと浸透させます。コットンを使って肌にこすり付けたり、パチパチと叩きつけるとニキビ肌には刺激になるのでやめましょう。
乳液
化粧水で与えた水分の蒸発を防ぐために、乳液を使います。化粧水だけの保湿では、肌のうるおいを充分に保つことはできません。化粧水を肌の内側へ浸透させたあと、乳液で肌表面に膜をしてあげることでしっかりと保水できて乾燥ニキビができにくくなります。
ニキビケアの乳液の使い方
こってりしすぎず、油分が少なめの乳液やゲルを選びましょう。クリームやオイルは油分が多くてアクネ菌の栄養になったり、毛穴の詰まりを招く危険があります。
ニキビケアの乳液の選び方
化粧水、美容液のあと、顔全体に乳液を使用します。皮脂の分泌が少なく乾燥しやすい口元や目元などはクリームを使って保護します。皮脂が分泌される量に合わせて乳液とクリームを使い分けるのがポイントです。
美容液
美容液は有効成分を肌に補う目的で使用します。
ニキビケアの美容液の選び方
肌の乾燥が気になる時はセラミドが高配合されているもの、ニキビ跡の色素沈着の予防・改善をしたい時はビタミンCが高配合されているものなど、美容液はその時々の肌状態に合わせて選びましょう。
ニキビケアの美容液の使い方
化粧水を肌に浸透させた後に、美容液を補います。比較的サラっとしたテクスチャーの美容液なら、皮脂やベタつきが気になる人でも取り入れやすいです。
ニキビケアの方法④
紫外線対策(日焼け止め)
紫外線を浴びると、活性酸素が発生してニキビを誘発したり、紫外線から肌を守ろうと角質が厚くなって毛穴が詰まりやすくなることがあります。また紫外線は、ニキビのあとに色素沈着が残る原因になりますので、日焼け止めを毎日欠かさず塗る、帽子や日傘などで紫外線をカットする、を習慣にしましょう。
日焼け止め
ニキビケアの日焼け止めの選び方
日焼け止めを使ったらニキビが悪化したという方は、オイルフリーの日焼け止めを選ぶのがおすすめです。皮脂が多くベタつきやすい肌でも毛穴が詰まるのを軽減できるでしょう。
日焼け止めの「SPF」や「PA」は、紫外線を防ぐ効果を表しています。アウトドアなど外で活動するとき、日常生活など、生活シーンに合った数値を選ぶと肌の負担を最小限に抑えられます。室内でも紫外線の影響は受けるので、外出しない日でも日焼け止めを塗っておきましょう。
ニキビケアの日焼け止めの塗り方
メーカー推奨量を、少量ずつ均一に肌を擦らないように伸ばします。量が少なかったり塗りむらがあると効果が発揮されないため、2回~3回重ね塗りをしましょう。
ニキビケアの方法⑤
悩みのカバー(メイク)
ニキビ肌への負担を考えると、メイクは控えるのがベターです。しかし、女性にとっては肌を美しく見せる身だしなみでもあります。クレンジングで落としやすいアイテムや油分が少なめのもの、毛穴に詰まりにくいアイテムなど選びましょう。
ファンデーションだけでカバーすると厚塗りになりがちで、毛穴つまりの原因となるため、化粧下地をうまく活用して厚塗りにならないように工夫しましょう。
赤みにはグリーンのコントロールカラー、茶色い色素沈着には黄色のコントロールカラーを重ねると、色みが目立たちにくくなります。下地やファンデーションはこすらず軽く押さえるように塗布します。
アイメイクやリップなどのポイントメイクでニキビから視線をそらす方法にもチャレンジしてみましょう。
毎日のケアで
二キビのできにくい健康肌へ!
ニキビができやすい肌は、肌の水分と油分のバランスが崩れていて、バリア機能やターンオーバーがうまく働いていない状態です。
今回紹介したスキンケア方法で肌機能をサポートし、ニキビができにくい健康的な肌へとステップアップしていきましょう。