まずは知ってほしいニキビのコト

ニキビを予防する
方法を知ろう!
毎日の対策で悩まない肌へ

ニキビで悩まない生活を手に入れるためには、ニキビのできにくい状態へ肌を整えていく必要があります。ニキビを治すには時間がかかるため、ニキビを招く原因をつくらないようにしていくことが大切です。日々の習慣の中でできるニキビの予防方法を知って、今の生活に取り入れていきましょう。

美容皮膚科医タカミクリニック副院長の
山屋 雅美医師が監修しています。

タカミクリニックのニキビ治療 タカミクリニックのニキビ治療
ネットで通院タカミクリニックのニキビ治療をご自宅で ネットで通院タカミクリニックのニキビ治療をご自宅で

予防の前に!ニキビのできやすい
人の特徴を知ろう

予防の前に!ニキビのできやすい人の特徴を知ろう

ニキビができやすい人、できにくい人の違いは肌質や体質が挙げられますが、それだけではありません。毎日のスキンケアや生活習慣、いつの間にかしているクセなど、普段何気なく行動している習慣がニキビをつくる原因になっていることが多々あります。

心当たりがないかチェックしてみよう

早速ですが、自分のいつもの生活を思い出しながらニキビの原因になっている習慣をチェックしていきましょう。

ニキビをつくる習慣
チェック20項目
  • 肌をゴシゴシこすって顔を洗っている
  • 毎日たっぷり時間をかけてクレンジングする
  • 化粧水はコットンを使ったり、パチパチ叩き込む
  • いつもクリームやオイルで保湿している
  • ファンデーションはリキッドやクリームタイプが好き
  • ケーキ、チョコレート、アイスクリームを毎日たくさん食べる
  • 普段から水分補給は甘いドリンク
  • 生野菜を毎日は食べない
  • アルコールを頻繁に飲んでいる
  • 就寝時間や食事時間など生活リズムが不規則
  • 職場あるいは家庭でストレスを感じることが多い
  • スマホをよく見ていて、寝るときも枕元に置いている
  • 紫外線対策はついつい忘れがち
  • 睡眠時間が6時間未満の日がよくある
  • デスクワークなどであまり体を動かさない
  • 湯船につかることがほとんどない
  • 夜中まで起きていることがよくある
  • 手を洗わずに肌を触っている

日常の生活でできる
ニキビの予防方法

ニキビを予防する方法には、「正しいスキンケアを行う」「規則正しい生活習慣を心がける」「ストレスを溜めない」の3つがあります。

ストレスやホルモンなど内因的要素を改善することはなかなか難しく時間を要しますが、日々のスキンケアや生活習慣を改善することは、少しの努力と工夫で今日からでも始められます。さらに、ストレスをためない習慣が身につけば、身体の調子が整ってニキビができにくい体質になるだけでなく、健康的な肌を維持できます。

ニキビ予防方法①
正しいスキンケア

ニキビ予防方法①正しいスキンケア

ニキビは、①毛穴がふさがり、②皮脂が毛穴にたまることで発生し、③アクネ菌が増殖することで悪化します。そのため「毛穴をつまらせない」「過剰な皮脂を分泌させない」正しいスキンケアを行うことが、根本的なニキビ予防につながります。

刺激の強いスキンケアは行わない

スキンケア時に起こりやすい刺激は、「摩擦による肌刺激」と「過度な洗浄による肌刺激」です。
肌を清潔に保とうとして洗顔時にゴシゴシ擦る、皮脂汚れを毛穴に残さないためにスクラブ洗顔をする、化粧水を浸透させるためにコットンを使ってパッティングをするケアは、皆さんが思っている以上に肌に摩擦刺激を与えています。

私たちの皮膚は、このような外的刺激から肌内部を守る防衛反応が備わっており、刺激から肌を守ろうとして角質が厚くなる「角質肥厚」が起こります。毛穴まわりの角質が厚くなると、毛穴の出口が狭くなり、皮脂のつまりを招きます。また、皮脂汚れをしっかりと落とすために洗浄力や脱脂力の強い洗顔料を使って、1日に何度も洗顔をすることで肌が乾燥してしまうと、皮脂の過剰分泌を招いてしまいます。
スキンケア時はさまざまな面で肌に刺激を与えないことが必要になります。

肌は清潔に保つ

肌を清潔にするためにきちんと洗顔をしていても、洗顔前に手を洗わずに雑菌のついた手で洗顔をしたり、何日も使いまわしたタオルで顔を拭いていては意味がありません。顔に雑菌が繁殖するとニキビの炎症が悪化しやすくなります。寝具、メイク道具など肌に直接ふれるものは清潔にしておき、雑菌が肌に付着するのを避けましょう。

うるおいを逃さない

皮脂分泌が盛んな思春期のニキビとは異なり、大人ニキビは肌の乾燥によっても引き起こされます。乾燥した肌はバリア機能が低下して、外部からの刺激を受けやすくなっています。外部の刺激を受けるようになると肌を守るために防衛反応が働き、角質を厚くします。また、肌が乾燥していると保護機能が働き、皮脂が過剰に分泌さてしまいます。これらのことから、肌の乾燥は「毛穴をつまらせ」「過剰に分泌された皮脂が毛穴にたまる」環境をつくり、ニキビのできやすい肌状態に陥ります。

そのため、大人ニキビの予防には、肌のうるおいを逃さない保湿ケアが大切です。肌がしっかりと保湿されていれば、過剰な皮脂が分泌されることはなく、肌のバリア機能がちょっとした刺激から守ってくれます。

バリア機能ってなに?

バリア機能とは、皮膚の一番外側にある「角層」に備わっている、体(皮膚)を守るための皮膚の働きの1つです。

肌のバリア機能には大きく分けて2つの働きがあります。

【1】体内の水分が蒸発しないように防ぎ、皮膚の水分量を保つ

【2】外的刺激から肌内部を守るバリア機能

※紫外線、大気汚染物質、花粉などのアレルゲンなど バリア機能ってなに?

バリア機能は皮膚の健康を守るための大切な働きです。バリア機能が正常に働くことで、皮膚の水分を保つとともに、外的刺激から肌内部を守ってくれます。バリア機能を正常に保つことがニキビの予防にもつながります。

このバリア機能は、皮膚のうるおい成分(細胞間脂質、NMF、皮脂膜)によって保たれています。

ニキビ予防方法②
規則正しい生活習慣

ニキビ予防方法②規則正しい生活習慣

ニキビの予防には規則正しい生活習慣が大切です。寝不足や偏った食生活、運動不足など、不健康な生活習慣は自律神経のバランスが崩れやすい状態になり、肌の不調や免疫力の低下などを招いてしまいます。規則正しい生活はニキビのできにくい体質になるだけでなく、健康にも欠かせません。ニキビのないきれいな肌を目指すなら、生活習慣を見直していきましょう。

十分な睡眠をとる

「睡眠不足が続いたら、ニキビができてしまった」という経験をしたことはありませんか?睡眠は免疫低下など体の機能に加え、肌状態にも大きな影響を与えます。 しっかりと質の良い睡眠をとることは、ニキビ予防のほかにも健康的で美しい肌づくりには欠かせないものです。

睡眠不足が引き起こすニキビの原因

慢性的な寝不足は、肌のターンオーバーの乱れや皮脂の過剰分泌、角化亢進(角質がどんどん作られること)を引き起こすため、「毛穴に皮脂がつまりやすい肌状態」になりやすく、ニキビを引き起こす要因となります。

睡眠中に分泌される成長ホルモンには、肌のターンオーバーを正常に整える働きを持つとされています。寝不足になるとこの成長ホルモンの分泌が減ってしまうため、新陳代謝の活動が衰えてターンオーバーに悪影響を与えます。ターンオーバーが乱れて古い角質が蓄積すると毛穴が詰まりやすい状態になり、さらに睡眠不足から生じる自律神経の乱れによって男性ホルモンの分泌が活発になることで、皮脂の過剰分泌や角化亢進が引き起こされてより毛穴を詰まらせてしまいます。
ニキビのできにくい肌をつくるためには、質の良い睡眠が必要となるのです。

質の良い睡眠を確保するには?

ニキビ予防のためには睡眠時間だけではなく、睡眠の質が大切になります。さまざまなライフスタイルが存在する現代では、毎日決まった時間に寝られないこともありますが、ある程度同じ時間帯に就寝するようにし、きちんと熟睡する「質の良い睡眠」をとることが大切です。寝る前の1時間はスマートフォンを極力使わないなど、睡眠の質を高める工夫をしましょう。

栄養バランスのとれた
食事を心掛ける

ニキビを予防するためには、バランスのよい食事が大切です。ビタミンやたんぱく質、ミネラルは肌の代謝を高めたり、炎症を抑えたりする働きがあります。外食が多い方や生野菜が不足している方は、ニキビができやすく要注意です。ニキビを予防するには、身体をつくる栄養素を意識して摂取し、栄養バランスが偏らないよう気を配りましょう。

ニキビ予防に悪い食べ物

油分の多いジャンクフードやスナック菓子、動物性脂肪の多い食事やスイーツの食べ過ぎは皮脂分泌を活発にする要因の1つです。また、白米やパンなど主食となる炭水化物、アルコールも糖質が多く含まれているため、過度な摂取には注意が必要です。

ニキビ予防によい食べ物

ビタミン類やミネラルなどは肌を美しく保つために必要な栄養素です。生野菜や果物を摂るように意識して、肌の新陳代謝を助けましょう。また、肉や魚に多く含まれるタンパク質も肌を新しく作る材料です。脂質を抑えながら上手に摂りましょう。

適度に運動を取り入れる

ニキビの予防には適度な運動も効果的です。適度な運動は血行を促して代謝を高めてくれます。さらに自律神経を活性化し、ホルモンバランスを整えたり、ストレスの解消にもつながります。身体を動かすことが健康に良いように、肌にとっても良い影響を与えるのです。

運動不足が引き起こすニキビの原因

運動不足により血行不良になると、肌細胞へ十分な酸素や栄養が行き渡らず、健全な肌細胞の育成を妨げてしまい、ターンオーバーの周期が乱れてしまいます。また、老廃物の排出の停滞にもつながるため、ニキビや肌トラブルが起こりやすくなります。

適度な運動を取り入れるには?

ニキビ予防に適した運動は、ヨガやジョギングなどの有酸素運動です。長時間にわたって軽めに運動をすると、血流が良くなって酸素や栄養を全身に運んでくれます。肌の代謝が高まって老廃物が排出されます。

ニキビ予防方法③
ストレスを溜めない

ニキビ予防方法③ストレスを溜めない

ニキビは心や身体がストレスを受けたときにもできやすくなります。長期間のストレスや強いストレスを受けると、ホルモンバランスが崩れて、皮脂分泌を促す男性ホルモンが増えてしまうだけでなく全身の免疫力も低下させてしまいます。身体の機能を高めるためにもストレスの緩和は役立ちます。

ストレスをためないためには、定期的にリフレッシュするように心がけておくことです。手軽にできるリフレッシュ方法に入浴があります。入浴は副交感神経を優位にし、ストレスを解消してくれます。毎日は難しくとも週1回~2回は湯船につかるようにしましょう。また、できる範囲でスマホ・パソコンを使わない時間をつくり、ストレスになる環境から身を遠ざけるのも効果的です。

ストレス発散のために取り入れている方も多い運動ですが、激しい運動は身体にとっては大きな負担になります。身体と心はつながっているので、知らず知らずのうちに過度な運動がストレスになっていることがありますので注意しましょう。心と身体の休息が大人ニキビの予防につながります。

ニキビ予防は日々の行動や
習慣の改善の積み重ねが大切

何気ない習慣や生活環境が、身体の機能に影響を及ぼしてニキビを作り出すことがあることをお伝えしてきました。精神面を含めたトータル的なアプローチを行い、意識してスキンケアや生活を改善すればニキビができにくい肌もつくれるということです。
間違っているところは、ひとつひとつ改善してニキビを予防していきましょう。

ニキビができやすいと感じている方は、「毎日の肌のお手入れ方法」についても理解を深めておくとニキビ予防に役立ちます。正しいお手入れ方法が身についていれば、たとえニキビが出来たとしても、治りやすくなるはずです。