まずは知ってほしいニキビのコト

ニキビの種類・症状を知ろう!
あなたはどの状態?

ニキビにはさまざまなタイプがあるのを知っていますか。たくさんニキビができている肌では、いろいろなニキビが混在していることもありますが、それぞれのニキビの種類を知っていると、適切なケアができるようになるので悪化させることなく治すことができます。まずは、自分のニキビの症状や進行段階がどんな状態なのか、知っておきましょう。

美容皮膚科医タカミクリニック副院長の
山屋 雅美医師が監修しています。

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ニキビの種類は?

ニキビの種類は?

ニキビは進行します。肌の内側で起こっている状態も進行段階で違っており、症状はさまざまです。

大きく分けると、「炎症のないニキビ」と「炎症を起こしたニキビ」に分類されます。また、世代や肌質によってもニキビのでき方に違いがあり区別されています。それぞれのニキビには特徴があり、治すためには進行度や症状に合わせたケアが必要です。

進行度や重症度、年齢、肌質からニキビの特徴を見分けることができるので、症状や対策を知っておきましょう。

進行度によるニキビの種類

初期のニキビは出口がつまった毛穴の中に皮脂が溜まっている状態です。初期の段階では炎症は起こっていませんが、そのまま放置されると、毛包の中でアクネ菌が増殖して炎症を伴う赤ニキビとなり、さらに炎症がひどくなると膿をもつ黄ニキビに進行していきます。

炎症のないニキビ
  • 白ニキビ(閉鎖面皰/コメド)
  • 黒ニキビ(開放面皰/コメド)
炎症を起こしたニキビ
  • 赤ニキビ(紅色丘疹)
  • 黄ニキビ(膿疱)

※( )内は医学的な呼称です。

白ニキビ(閉鎖面皰/コメド)

初期段階

「白ニキビ」は、毛穴の中に皮脂がたまっている状態で、ニキビになりたての段階です。毛穴まわりの角質肥厚などによって毛穴がふさがれて、排出できなくなった皮脂が毛穴内にたまることでブツブツと盛り上がっています。毛穴が閉じているため医学的には「閉鎖面皰(へいさめんぽう)」と呼ばれます。

白ニキビ(閉鎖面皰/コメド)

症状

白ニキビには腫れや痛み、かゆみといった自覚症状はなく、ニキビができていることに気づかない方もいます。パッと見では分かりにくいですが、さわるとザラザラしており、放置していると症状が進行していきます。

対策

毛穴をふさいでいる古い角質や皮脂を取り除き、毛穴内にたまった皮脂が排出できるようにする治療やケアが必要です。また、予防のためには、メイクや皮脂の汚れが毛穴に残らないよう、きちんと洗い落とし、保湿をしっかりしていくことが大切です。毛穴をつまらせないように日頃から角質ケアなどをしておくようにしましょう。

黒ニキビ(閉鎖面皰/コメド)

酸化段階

白ニキビが進行すると毛穴の入り口が開き、毛穴に詰まっていた皮脂や古い角質などが空気にさらされて酸化して黒く変色します。この状態が黒ニキビです。毛穴が開いているため、医学的には「開放面皰(かいほうめんぽう)」と呼ばれます。

黒ニキビ(閉鎖面皰/コメド)

症状

白ニキビと同じく、炎症はなく痛みや赤みのような自覚症状は見られません。また、ほくろや毛穴汚れと見間違うとケアが遅れて症状が進行してしまうことがあります。

対策

毛穴が開いてはいますが、毛穴が詰まった状態であることに変わりはないので、古い角質や皮脂を除去して、たまった皮脂が排出できるようにする治療やケアが必要です。白ニキビ同様、肌のターンオーバーを促す角質ケアが有効です。

コメドってなに?

コメドってなに?

コメドとは、毛穴の入り口が詰まり、毛穴内に皮脂が溜まっている状態のことです。日本語で「面皰(めんぽう)」といい、ニキビの初期段階「白ニキビ」や「黒ニキビ」がコメドにあたります。

何らかの理由で肌のターンオーバーがうまくいかず、毛穴まわりの角質が厚くなったり、皮脂や古い角質やメイク汚れなどが混ざって硬くなり、角栓が形成されることによって、毛穴の出口が詰まりコメドに至ります。

また、肉眼では見えないレベルではニキビの周りには、ニキビの赤ちゃんともいえる極小さな面皰(微小面皰)が多数存在していることが分かっています。

コメドなら
皮膚科に行かない?

コメド(白ニキビ)は炎症を起こしていないため、軽く捉えられがちです。しかし進行すると炎症を伴う赤ニキビになることからも、コメド(白ニキビ)の段階から治療を始めることをお勧めします。 今は一般皮膚科で処方される保険適用の薬でも、毛穴の詰まりを改善するコメド治療薬が使えるようになっていますので、コメドの悪化をくい止めて肌をきれいに治すためにも、早期からニキビ治療を開始しましょう。

赤ニキビ(紅色丘疹)

炎症段階

白ニキビの状態が改善されないと、毛包の中でアクネ菌が繁殖し、炎症を引き起こします。炎症によって赤みや腫れが生じたものが「赤ニキビ」です。毛穴の中にたまった皮脂がアクネ菌の栄養源となって増殖させてしまいます。赤ニキビは、医学的には「紅色丘疹(こうしょくきゅうしん)」といいます。

赤ニキビ(紅色丘疹)

症状

炎症が起こり、赤みが強く、皮膚が盛り上がっています。痛みやかゆみを感じる赤ニキビもあります。

対策

炎症を抑える治療が必要です。早く炎症を抑えないと症状が悪化してニキビ跡になってしまうこともあります。皮膚科や美容皮膚科で処方してもらう外用剤や内服薬などの使用や、ケミカルピーリング、イオン導入などの院内施術を行うと治りが早いです。白ニキビの段階で適切なケアを行うことが赤ニキビの予防になります。

黄ニキビ(膿疱)

化膿段階

赤ニキビがさらに進行すると、黄色ブドウ球菌まで増殖して膿ができてしまう「黄ニキビ」になります。炎症が真皮にまで到達してしまうと、クレータ状にデコボコした「ニキビ跡」を作ってしまう恐れがあります。黄ニキビは医学的には「膿疱(のうほう)」といいます。

黄ニキビ(膿疱)

症状

ニキビの中央の皮膚が薄くなっていて、クリーム色の膿が透けて見えている状態です。 赤ニキビと同じく、痛みを感じることがあり、かゆみも伴うことがあります。毛穴の中や周りで炎症が広って毛包壁が破れると、周辺の真皮にまで内容物が漏れ出し、さらに強い炎症を引き起こします。

対策

炎症を抑える外用剤や内服薬が必要です。黄ニキビの中にある膿を出そうとして無理につぶすと、悪化する恐れがあるだけでなく、ニキビ跡の凹みを残すリスクが高まります。ここまで炎症が進むと自分でニキビをきれいに治すことはむずかしいため、美容皮膚科の出番です。

重症度によるニキビの種類

重症度を見分ける方法としては、日本皮膚科学会によるニキビ治療のガイドラインに記されている重症度の判定基準があります。片側の顔面にある赤ニキビの数を数える方法で、重症度は4つに分類されます。

尋常性ざ瘡の重症度の
判定基準
    • 軽症
    • 片方の顔面に炎症性皮疹が5個以下
    • 中等症
    • 片方の顔面に炎症性皮疹が6個以上20個以下
    • 重症
    • 片方の顔面に炎症性皮疹が21個以上50個以下
    • 最重症
    • 片方の顔面に炎症性皮疹が51個以上

重症度が高くなると、痛みやかゆみなど違和感を伴うケースも多くなります。ニキビが深い悩みやストレスとなりQOL(=生活の質)の低下につながる場合もあります。生活に支障がでるようなら、ニキビ治療を専門にしている皮膚科や美容皮膚科などに相談すると安心です。

かゆみのあるニキビ

炎症が進み強い赤みがあるニキビは、細胞からヒスタミンが放出されやすくなっているため、かゆみを誘発することがあります。しかし、実はニキビそのものによるかゆみではなく、乾燥や何らかのアレルギーにより肌がかゆいケースや、塗り薬の刺激でかゆみを生じているケースもあります。

症状

ニキビによるかゆみであれば我慢できる程度のかゆさであることが多いようです。掻かずにはいられないような強烈なかゆみであればアレルギーや乾燥肌が原因である可能性が高いでしょう。

対策

かゆみ止めの市販薬には、油分が多く毛穴をつまらせやすくするものや、ニキビを悪化させる成分が含まれていることがあり要注意です。かゆみの原因がはっきりしないときには、医師に処方してもらいましょう。

痛みのあるニキビ

ニキビは皮膚の深部に向かって炎症が広がります。痛みがあるということは、深部の皮膚組織まで炎症が及んでいることが考えられます。ここまでくるとニキビ跡が残る可能性が高いです。

症状

痛みを感じるのは、炎症が起こっている赤ニキビや黄ニキビです。鼻は皮脂の分泌が盛んでニキビができやすく、炎症による腫れで皮膚が引っ張られるため痛みを感じやすい場所です。ただし、鼻の下や鼻の中にできた盛り上がりは「毛嚢炎(もうのうえん)」といって、ニキビとは別物の可能性が高いです。

対策

できるだけ刺激しないようにし、なるべく早めに医療機関を受診してニキビ治療をスタートさせましょう。痛みがあるニキビに刺激を与えると炎症がさらに悪化し、痛みがひどくなるだけでなく、ニキビ跡が瘢痕として残ってしまったり、しこりニキビになってしまうこともあります。

しこりニキビ(硬結)

強い炎症を伴った赤ニキビや黄ニキビが同じところに繰り返しできると、硬く盛り上がった「しこりニキビ」になっていくことがあります。医学的には「硬結(こうけつ)」といいます。

症状

炎症が毛穴の周りや皮膚の深い部分まで広範囲に広がり、ニキビを繰り返した部分が一時的に線維化し、硬く盛り上がった状態です。痛みやかゆみを伴うことがあります。
しこりニキビは、顔ならフェイスライン、身体なら肩やデコルテにできやすいです。とくにケロイド体質の方はしこりになりやすい特徴があります。

対策

触ったり刺激を与えたりせずに、早めに受診し治療を開始しましょう。炎症がおさまれば腫れが引いて徐々に平らに戻っていきますが、治療には時間がかかり、おさまった後も凹凸の瘢痕や炎症後色素沈着となって残ってしまうことがあります。
額や頬などほかの場所にできたニキビや小さなニキビでも、気にしてさわったり、潰していると繰り返し炎症がおこってしこり化する可能性があるので注意が必要です。

年齢によるニキビの種類

年齢によってもニキビは分類できます。10代にできる「思春期ニキビ」や、20代以降の大人になってからできる「大人ニキビ(吹き出物)」は、ニキビができる原因や場所、効果的なケア方法も異なります。正しいケアができれば、ニキビを繰り返さない肌にすることが可能です。

思春期ニキビ

思春期ニキビ

10代にできるニキビは「思春期ニキビ」と呼ばれ、子供の体から大人の体へと変わる「第二次性徴」によるホルモンバランスの変化で皮脂の分泌が過剰になることが原因でニキビが発生します。思春期ニキビは、体質や遺伝的な影響も受けるため、誰しも必ずニキビができるというわけではありません。

症状

思春期ニキビは皮脂腺が多く分布し、皮脂の分泌が多いTゾーン(額や鼻)にできやすい特徴があります。数年のうちに第二次性徴が終わり、ホルモンのバランスが安定し、皮脂の分泌量が正常になると、自然と思春期ニキビも発生しなくなっていきます。

対策

過剰な皮脂分泌が原因のため、洗顔で肌を清潔に保つことが思春期ニキビケアの基本ですが、洗い過ぎると肌が乾燥して症状が悪化します。皮脂の分泌を増やす恐れのあるスイーツや揚げ物の食べ過ぎは控えて、肌への刺激を避けることも大切です。

大人ニキビ

大人ニキビ

大人ニキビは、20代以降にできるニキビで「吹き出物」とも呼ばれます。ストレスによるホルモンバランスの乱れや偏った食事、睡眠不足、飲酒など日常生活の中で起こる要因が複雑に影響しあって発症します。

症状

大人ニキビはUゾーン(あごや口周り、フェイスライン)にできやすく、首やデコルテにもできることがあります。思春期ニキビと違って乾燥している肌にもでき、同じ場所にくり返しできるのが特徴です。

対策

肌をキレイに洗うことと、保湿をして肌を乾燥させないことが大切です。また、生活習慣の乱れやストレスはホルモンバランスや肌のターンオーバーの乱れを起こすため、生活を見直して改善しましょう。リラックスやリフレッシュでストレスを溜めないことも大切です。

肌質によるニキビの種類

ニキビは肌質によっても分類され、原因や特徴が異なります。
肌タイプは角質層の皮脂量と水分量、炎症の有無の観点から「脂性肌(オイリー肌)」「乾燥肌」「混合肌」「普通肌」「敏感肌」の5つのタイプに分けることができます。ニキビを治す・予防するためにも自分の肌タイプを知り、ニキビのできにくい肌へと整えていきましょう。

脂性肌(オイリー肌)のニキビ

症状

脂性肌は、皮脂の分泌量が多くニキビができやすい肌の代表です。肌が過剰な皮脂で覆われているため汚れが付着して刺激を受けやすく、アクネ菌が増殖しやすい環境も整っています。アクネ菌の栄養となる皮脂が豊富にあるため、ニキビがたくさんできやすく、治しても新しいニキビができます。

対策

肌のべたつきを解消しようと、洗浄力の強い洗顔料を使用したり、1日に何度も洗い過ぎて肌を乾燥させてしまうと逆効果です。洗顔のあとは必ず保湿をして、肌表面のうるおいを逃がさないようにしましょう。皮脂の分泌を抑える効果のあるビタミンCが配合されている化粧水を使うのもおすすめです。

乾燥肌のニキビ

症状

水分量、セラミド量ともに不足し、肌のうるおいが不足している乾燥肌は、肌の乾燥を補うために過剰に皮脂が分泌されます。また、乾燥した肌ではターンオーバーが乱れて毛穴も詰まりやすくなり、ニキビが発生します。乾燥肌の方はバリア機能が低下し刺激を受けやすい肌状態のため、炎症のあるニキビができると、痛みを感じやすいのが特徴です。

対策

乾燥肌に必要なのは肌のうるおいです。化粧水と乳液でしっかりと保湿してあげると、皮脂の過剰分泌を抑えたり、ターンオーバーが整います。乾燥しているからとオイルやクリームを塗ると、かえってニキビができやすくなるので注意が必要です。セラミド美容液などを取り入れて、バリア機能を回復させるケアもおすすめです。

混合肌のニキビ

症状

混合肌は、額や鼻のTゾーンはべたついているのに頬や口周りのUゾーンはカサカサしている肌質のことです。肌の部位により水分量、皮脂量のバランスが異なるため、顔全体に対して同じケアをすることで、肌の乾燥や過剰な皮脂分泌などを招きニキビができてしまいます。

対策

混合肌はべたついている場所と乾燥している場所それぞれに合ったケアが必要です。顔全体は化粧水と油分の少ないゲルを塗り、乾燥する部位には乳液を重ね付けをする保湿ケアがおすすめです。肌のバリア機能も不安定なため、肌への刺激は避けるようにしましょう。

普通肌のニキビ

症状

普通肌は、水分量、皮脂量のバランスがよい健康的な肌質ですが、毛穴汚れやターンオーバーが乱れるとニキビができます。生理前など一定の周期でニキビができているようなら、ホルモンバランスの乱れが関係していることが考えられます。

対策

生理周期に合わせてニキビができるようなら、生理がはじまる2週間前から角質ケアを始め、毛穴のつまりを予防するのがおすすめです。また、疲れやストレスがたまらないように十分な休息をとるように心がけることも必要です。

敏感肌のニキビ

症状

「敏感肌」に明確な定義はありませんが、少しの刺激でも赤みやかゆみが出たりピリピリとした刺激を感じる場合は敏感肌といえます。肌のバリア機能が低下していて、季節の変わり目や紫外線、乾燥、花粉などの肌影響だけでなく、あわない化粧品やスクラブなどスキンケア時の過剰な摩擦によって引き起こされることも多いです。さまざまな外的刺激に対して刺激を受けやすい肌のため、炎症が起きやすくニキビも治りにくい特徴があります。

対策

敏感肌は刺激にデリケートなので、市販薬を使うと悪化する可能性があります。悪化させないようにきれいに治すためにも、自分で判断せずに医療機関を受診して肌に合う薬を処方してもらいましょう。アトピー肌の方も、肌が乾燥してバリア機能が低下していますので、保湿と刺激に十分注意しニキビができたら医師に相談しましょう。

ニキビはひどくなるほど
治すのが難しい

進行度や重症度、年齢や肌質などさまざまなニキビの種類を紹介しましたが、その特徴や原因もそれぞれに違いがあることを知っていただけたでしょうか。一度ニキビができると、赤みがでたり化膿したり、さらにはニキビ跡へと進行してひどくなっていきます。

また、炎症が起こると治すのに時間がかかり、肌にもダメージが残ってしまうため、炎症や進行度に合わせたケアをして悪化しないように予防していくことが大切です。

ニキビはできる場所によっても原因や症状が異なり、ケアや治療の方法も違います。ニキビができやすい場所に合わせたケアもチェックしていきましょう。