ニキビのできにくい肌を目指そう

ニキビに効く食べるべきもの
と肌に悪い食べ物は?

ニキビは、スキンケアと同時に体の内側からもケアをしてあげることが重要です。とくに肌の状態と食事は密接に関係していて、健康な肌は食事で摂る栄養素からつくられています。つまり、栄養バランスが偏った食事は肌の環境を悪化させます。繰り返すニキビに悩んでいる方は「ニキビに良い食べ物と悪い食べ物」を知って、毎日の食生活から少しずつ生活習慣を見直していきましょう。

美容皮膚科医タカミクリニック副院長の
山屋 雅美医師が監修しています。

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ニキビに良い食べ物とは?

肌にいいとされる栄養素はニキビにも効果が高く、ニキビ予防やニキビを減らす、または治す手助けをしてくれます。

忙しくて食事が作れない方や外食が多い方は、肌にいい食材を使ったメニューを選んでうまく取り入れていきましょう。無理をしても続かないので、飲み物やコンビニ食から手軽に栄養補給するのもおすすめです。

まずは、肌にいい食べ物の成分とその効果やおすすめの食材を紹介します。

タンパク質

働き・効果

タンパク質は肌の材料となり、健康な皮膚を保つために重要な成分です。新しい細胞ができるとターンオーバーが促され、肌のバリア機能を整えますのでニキビケアには不可欠な栄養です。また、体の機能を調整するホルモンや酵素をつくる材料にもなっています。

含まれている食べ物

タンパク質が豊富に含まれている食材は、肉や魚、卵、大豆製品、乳製品です。また、タンパク質を効率的に摂取できる栄養補助食品として「プロテイン」があり、植物性プロテインがおすすめです。

とくに大豆からできたソイプロテインには、女性ホルモンのバランスを整えるイソフラボンが含まれていてニキビケアにピッタリです。逆に、乳由来のホエイプロテインは、皮脂の分泌が活発になって肌が炎症を起こしてニキビが出来やすくなるという研究結果もあるので、ニキビに悩んでいる方は避けたほうが良いでしょう。

必須脂肪酸

働き・効果

いわゆる“質の良い油”と言われる必須脂肪酸は脂質のひとつで、代表的な成分は「オメガ3脂肪酸」です。血流を促して細胞の機能を高める作用があり、肌や粘膜を強化して乾燥などのダメージから肌を守りニキビや肌荒れを防ぎます。
「オメガ6脂肪酸」も必須脂肪酸ではありますが、マヨネーズやポテトチップスなどの加工食品にも多く使われるため、むしろ取り過ぎに注意が必要です。

含まれている食べ物

必須脂肪酸は魚や植物油に多く含まれています。オメガ3脂肪酸にはα-リノレン酸やEPA、DHAなどがありますが、マグロやブリ、サンマなどの青魚やアボカド、ナッツ類、植物油などに多いです。

食物繊維

働き・効果

食物繊維は、便秘解消などに効果的で腸内環境を整えてニキビケアをサポートします。食物繊維はコレステロールなどの排出も助けてくれるので、脂っぽい食事と合わせて摂るのがおすすめです。

含まれている食べ物

食物繊維はキノコや海藻、こんにゃくなどに多く含まれているほか、ゴボウやサツマイモ、レンコンなどの根菜類にも豊富です。サラダや煮物などを意識して選ぶと摂取できます。

ビタミンB群

働き・効果

ビタミンB群のなかでも、ビタミンB2とビタミンB6はニキビ予防に大きく関係している栄養素です。ビタミンB2・ビタミンB6は皮脂の分泌をコントロールする働きがあり、さらにビタミンB6はタンパク質や脂質の代謝をうながして、皮膚や粘膜を強くします。

含まれている食べ物

ビタミンB2はレバーや卵、納豆に多く、ビタミンB6は魚や豚肉、レバー、玄米、大豆製品に多く含まれています。どちらも水溶性ビタミンなので、スープや煮汁などもそのまま食べられる料理がおすすめです。

ビタミンC

働き・効果

ビタミンCは抗酸化作用でニキビの大敵となる活性酸素を除去したり、コラーゲンの生成を促したりと、肌のさまざまな機能をサポートしてくれます。炎症を防いでニキビができにくい状態にするだけでなく、ニキビ跡が残るのも防いでくれる栄養素です。

含まれている食べ物

ビタミンCが豊富に含まれる食べ物の代表には、ブロッコリーやピーマン、レモン、キウイ、イチゴなどがあります。茹でるとビタミンCが流れ出ていくので、水を使わないもしくは短時間に茹でるのがおすすめです。

ビタミンA

働き・効果

ビタミンAは、脂溶性のビタミンで、皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあります。不足すると角質が硬くなって毛穴が詰まりやすくなり、ニキビを引き起こす要因になります。脂溶性ビタミンは過剰に摂取すると、体内に蓄積されて過剰症を引き起こすため、摂取目安量を守るようにしましょう。

含まれている食べ物

ビタミンAが豊富な食べ物には、モロヘイヤ、ニンジン、ほうれん草などの緑黄色野菜やウナギ、鶏のレバーなどがあります。ビタミンAは脂溶性ビタミンなので、炒め物や揚げ物で調理すると効率的です。

ビタミンE

働き・効果

ビタミンEには強い抗酸化作用があり、ニキビに悪影響を及ぼす“酸化ダメージ”から細胞を守る働きがあります。さらに、血の巡りがよくなることで肌細胞が活性化してターンオーバーを助ける働きも。ビタミンCと合わせて摂ると相乗効果が得られます。

含まれている食べ物

ビタミンEの多い食材には、アーモンドなどのナッツ類や緑黄色野菜、ウナギやはまちなどがあります。手軽に取り入れるなら、ツナ缶やオイルサーディン(イワシ)でサラダをつくるなどもおすすめです。

亜鉛

働き・効果

亜鉛はタンパク質の合成やホルモンバランスのコントロールなどに作用して、身体の機能を助ける働きがあります。体内の細胞分裂をサポートして新しい肌を作り出したり、ホルモン分泌の機能を正常化することで、ニキビのできにくい環境にします。

含まれている食べ物

亜鉛は、牡蠣や豚レバー、牛肉の赤身、卵、カシューナッツなどに豊富に含まれています。動物性タンパク質と亜鉛を組み合わせると吸収率が高くなりますが、食物繊維は吸収を妨げる可能性があります。

食べ過ぎに注意!
ニキビに悪い食べ物とは?

実は、特定の食品が直接的な原因となり、ニキビを悪化させるということはありません。特定の食品を食べ過ぎることで栄養のバランスが崩れてしまうことや、肌にいい栄養素の働きを妨げたり、身体の不調を起こしたりすることでニキビを誘発させてしまうのです。

ニキビを悪化させる栄養素としてよく知られている「糖質、脂質」も、摂り過ぎるために身体の機能が不安定になってニキビの原因を招いているのです。どんな栄養素も摂り過ぎないように注意し、必要な栄養素は日々の食事で適切な量を摂取すれば、健康的な肌になります。

カフェイン

原因

カフェインには利尿作用があり、ビタミンB群やビタミンCなどニキビケアに必要な栄養素を身体から排出してしまいます。いくら食事に気を付けても、カフェインを毎日大量に摂るとニキビができやすい状態に逆戻りです。

含まれている食べ物

カフェインはコーヒーや紅茶、緑茶(玉露)、エナジードリンク、カカオ含有率の高いチョコレートに多く含まれています。1日にたくさん摂り過ぎていないかが重要です。

脂質

原因

脂質をたくさん摂取すると、皮脂量が増えてニキビができやすくなります。また、脂質の代謝にはビタミンB群が不可欠。そのため、脂質を大量に摂取するとビタミンB群が大量に消費されてしまい、ニキビをつくる可能性が高くなるのです。

含まれている食べ物

スナック菓子や揚げ物は、脂質が豊富に含まれる食べ物です。外食で洋食やファーストフードなどを食べていると必要以上に脂質を摂ってしまう傾向があります。

炭水化物(糖質)

原因

炭水化物には糖質が含まれており、糖質を分解するときにビタミンB群とミネラルを大量に消費して不足させてしまいます。また、糖質を摂りすぎると、皮脂の量を増やしてしまうこともあるので、食べ過ぎに注意をしましょう。

含まれている食べ物

炭水化物はご飯やパン類、麺類などの主食やイモ類や春雨などに含まれています。炭水化物には糖質が含まれているため、おやつに砂糖をたっぷり使ったお菓子やドライフルーツを摂取すると、糖質が過剰になりやすくなります。

塩分

原因

過剰な塩分は、内臓に大きな負担をかけて新陳代謝を低下させます。また、身体の塩分濃度を保つために、肌の水分も身体の中へと移動して水分が不足した状態になり、ニキビを誘発します。

含まれている食べ物

塩分は味噌や醤油など調味料の使い方次第で、いつの間にかたくさん摂っていることがあります。外食だけでなく、和食も塩分が多くなりがちです。

カプサイシンなどの辛味成分

原因

カプサイシンを摂取しすぎると、辛み成分の刺激によって胃腸の機能を低下させてしまうことがあります。胃腸の働きが弱ると、必要な栄養素を吸収できなくなったり、便秘を招いてニキビのできやすい肌になります。

含まれている食べ物

カプサイシンはトウガラシなどに含まれる辛みをもたらす成分です。そのため、唐辛子が使われている料理に多く含まれています。コショウやワサビ、からしなどの刺激物も、胃腸に負担をかける恐れがあるので、かけ過ぎに気をつけましょう。

チョコレートや
アルコールは
ニキビに良くない
って本当?

チョコレートやアルコールを摂取したあと、ニキビができたという話を聞くことがあるかもしれませんが、特定の食材が直接ニキビをつくることはありません。

確かに、チョコレートには糖分と油分が多いのですが、適量を食べる分にはストレスを減らして幸福感をもたらせるとも言われています。

また、アルコールも糖分が多いのでニキビができやすい状態になりやすいのですが、取り過ぎなければ問題ありません。むしろ、夜更かしや寝不足、メイクを落とし忘れるといったことがニキビにつながっていると考えられます。

どの食べ物でも摂りすぎや不足すると、栄養バランスを崩して逆にニキビや病気を招くため、適度に摂取しましょう。

コンビニで済ませる場合も
ニキビに効く食べ物を選ぼう!

自炊をするのが面倒だったり、忙しさで料理をつくる時間がなかったりして、3食をコンビニで済ませている方もいるでしょう。そんなときも、脂質や糖分を控え、ビタミンやタンパク質など不足しがちな栄養素をしっかり補い、栄養のバランスが偏らないよう商品を選ぶようにするとニキビをできにくくすることができます。

朝食を食べない方も、プロテイン入りドリンクや野菜や果物入りのスムージー、ヨーグルトなどで栄養補給するようにしましょう。納豆巻きやアーモンドミルク、野菜ジュースなど、栄養バランスを考えた食べ物や飲み物を取り入れ、タンパク質やビタミン類を補うようにしましょう。

毎日の食生活に
ニキビに良い食べ物を
取り入れることから始めよう

外食や暴飲暴食、お酒の飲み過ぎは、栄養バランスの乱れを引き起こしてニキビを悪化させる原因になります。ニキビになりにくい肌作りのために、バランスの良い食事を意識することはとても大切です。食材に含まれる栄養素を意識しながら、毎日の食生活にニキビによい食べ物を取り入れ、少しずつバランスを改善していきましょう。