ニキビのできにくい肌を目指そう

医師が教えるニキビ肌に
おすすめのスキンケア方法

ニキビがくり返しできる肌の状態はとてもデリケートで、ニキビができやすい悪循環が起きています。逆に、ニキビのできにくい肌は水分と皮脂のバランス、ターンオーバーやバリア機能も正常な状態で健康的な肌です。
肌を変えるのは難しそうに感じるかもしれませんが、うまくポイントを押さえれば、日々のスキンケアでニキビ肌を健康的な肌にしていくことができます。美容皮膚科タカミクリニックの医師が、ニキビ肌におすすめのスキンケア方法を伝授します。

美容皮膚科医タカミクリニック副院長の
山屋 雅美医師が監修しています。

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どんなタイプのニキビでも
スキンケアの基本は同じ

ニキビは症状によって白ニキビ・黒ニキビ・赤ニキビ・黄ニキビに分けられますが、どのニキビにおいてもスキンケアの基本は同じです。ただし、ニキビができているときの基本ケアには押さえるべきポイントがいくつかあります。

まずは、クレンジングや保湿に使うアイテムにオイルやクリームを選ばないようにすることです。皮脂が多いニキビ肌では油分が増えすぎて毛穴が詰まりやすくなり、さらにニキビができやすくなってしまいます。

肌に摩擦を与えるケアもやめましょう。ふき取りの必要な化粧品やスクラブ、洗顔ブラシなどは、すべて肌に摩擦などの刺激を与えるリスクが高いアイテムです。肌のバリア機能低下や角質肥厚を招きます。

クレンジングは40秒~50秒程度、洗顔は20秒~30秒程度におさめることも大切です。顔を洗うケアは、肌に直接的な刺激を与えやすいため、肌への摩擦を抑え、皮脂を落としすぎないためにも短時間で行うように意識します。

また、水分と油分のバランスをとる保湿も欠かせません。たっぷりの化粧水をハンドプレスで浸透させた後に、ゲルやミルクなど軽めの油分が配合されたアイテムで肌をしっかりと保護します。スキンケア時にコットンを使用すると、肌に摩擦が生じてニキビを刺激してしまうため避けましょう。

ニキビ別のスキンケア方法

ニキビができているときには基本ケアのポイントを守りつつ、自分のニキビの症状に合った、タイプ別のお手入れを併せて行うことで、ニキビが治りやすくできにくくなっていきます。

白ニキビ(閉鎖面皰/コメド)

Uゾーンやこめかみにできる白ニキビはホルモンが影響していることが多く、角質が厚くなりやすい状態になっています。古い角質を取り除いて毛穴つまりを解消するには、角質ケアがおすすめです。

オイルやクリームで保湿したりスクラブを使用すると、悪化するため注意しましょう。ケアをしても治りにくい場合には、ピーリング作用のある塗り薬やケミカルピーリングが効果的です。ニキビ治療に特化した美容皮膚科などで相談してみましょう。

黒ニキビ(開放面皰/コメド)

白ニキビが進行すると毛穴の入り口が開き、毛穴につまっている皮脂や古い角質が酸化して黒ニキビになります。原因となる毛穴のつまりは基本のケアだけでは解消されないことが多いため、肌のターンオーバーを促す角質ケアがおすすめです。

ターンオーバーが促進されると、詰まりを起こしている表面の角質が剥がれ落ち、毛穴つまりが改善されます。

赤ニキビ(紅色丘疹/炎症段階)

炎症の起こった赤ニキビには、敏感肌用化粧品を使って肌をやさしくケアします。また、ニキビの炎症を抑える成分などが配合されている大人ニキビ用の化粧品も適しています。スペシャルケアとして、ビタミンC誘導体入りの化粧水をコットンに含ませてパックするのもおすすめです。

それぞれライン使いをして、1ヵ月経ってもニキビが改善しなければ、皮膚科や美容皮膚科などの専門的なクリニックへ相談しましょう。

黄ニキビ(嚢胞ニキビ/化膿段階)

黄ニキビまで進行するとスキンケアではうまく治せません。肌にデコボコしたニキビ跡ができる可能性もありますので、早めにニキビ治療を専門にしている皮膚科や美容皮膚科クリニックを受診して、ニキビのタイプに適した抗生物質の塗り薬や飲み薬を処方してもらいましょう。繰り返し治らない難治性のニキビには、ピルやビタミンA誘導体の飲み薬も効果的です。

ニキビ肌に使うべき
スキンケアアイテム

ニキビ肌の方に選んでいただきたいアイテムや、ニキビ改善が期待できる成分、ニキビ肌に必要なケアについてご紹介します。

セラミドやアミノ酸は、肌の内側にもともと備わっている保湿成分です。角質層の水分保持や細胞の機能を高めて肌のバリア機能を整えます。また、ビタミンCには肌の炎症を抑えたりコラーゲンの生成を促したりする働きがあり、ニキビ跡のへこみ予防にも効果的です。

それぞれの成分による働きを知ったうえで、自分の肌に適した成分が配合されている化粧水や美容液を積極的に取り入れましょう。

潤いを与えたあとは、ゲルや乳液で肌全体を保護してあげると肌が乾燥しにくくなります。軽めの油分で肌表面に膜を張ることで、肌の水分が蒸発するのを防げます。二キビがあまりできないところには、さらに油分をプラスしてあげましょう。クリームやオイルは肌の油分が増えすぎてしまうため、顔全体に使うのは避けます。

角質ケアに使用するアイテムは、肌に摩擦を与えないように塗るタイプを選びます。また、茶色いニキビ跡を残さないためにも、1年を通して日焼け止めを塗ることが大切です。自分の生活に合ったSPF・PA値の日焼け止めを使い分けましょう。

ニキビ肌に敏感肌用コスメは
使用して大丈夫?

一般的に、敏感肌用のアイテムは保湿成分を豊富に配合し、刺激性のある成分は配合しないようにつくられています。肌のダメージを抑えるために「グリチルリチン酸ジカリウム」などの炎症を抑える成分も配合されていて、ニキビを予防しながら肌を整えてくれるため、ニキビ肌でも安心して使用できます。

逆に、ニキビ用化粧品のなかには肌にとって刺激になる成分や、皮脂の分泌を過剰に抑えてしまうものもあります。使用することで、肌が乾燥してバリア機能が低下してしまい、化粧品そのものが刺激となって大人ニキビを招いてしまうことがあります。

10代で皮脂分泌の多い人はニキビ用でも良いですが、30代以降の大人の女性はニキビ用ではなく敏感肌用のスキンケアアイテムを選ぶようにしましょう。

ニキビ肌に使ってはいけない
スキンケアアイテム

ニキビができやすい肌にとって、避けた方がいいスキンケアアイテムの一つが、油分の多いオイルやクリームです。皮脂がたくさん分泌されている肌に油分をさらに追加することになるため、油分が多くなりすぎて毛穴に詰まってニキビの発生を促します。

また、角質ケアはニキビ肌の改善に必要なケアですが、摩擦をすると肌を傷つけニキビを悪化させてしまいます。角質ケアをするときには、肌をダイレクトに摩擦して使うスクラブやゴマージュなどは避けましょう。酸が配合されている化粧液タイプやピーリングジェルなど、肌に塗って角質に作用するアイテムがおすすめです。

ニキビ用コスメは成分を
よく見て使おう

ニキビ用コスメは成分表を見てから購入しましょう。たとえば、ピーリングジェルのなかにはピーリング成分の入っていない物が売られている場合があります。「乳酸」「グリコール酸」など、ピーリング成分が含まれているかをチェックします。

ニキビ肌用のスキンケア製品によく含まれている「エタノール」は、乾燥肌にはピリピリとしみる可能性があります。皮脂が多い10代の肌ならエタノールの刺激を受けにくいですが、30歳以降の女性には刺激が強すぎて、ニキビ肌に悪い影響を及ぼします。皮膚が腫れたり、赤みが強くなるリスクがあるため避けたほうがいいでしょう。

洗顔フォームに含まれる成分では、泡立ちをよくするために「ラウリン酸」がよく配合されていますが、肌刺激やかゆみを誘発しやすい成分です。また「界面活性剤」が過剰に配合されていると、皮脂が落ちすぎてニキビ肌を悪化させる可能性があります。サリチル酸や硫黄など刺激のある成分は避け、抗炎症成分を配合している低刺激性の製品を選びましょう。

ニキビ肌のための正しい洗顔方法

洗顔時は、できるだけ肌へ摩擦を与えないようにします。正しい洗顔を行うためのポイントは3つです。

正しい洗顔を行うための
ポイント
  • ①洗顔を20秒〜30秒程度で終わらせる
  • ②肌と手が直接触れないくらい弾力のある泡をつくる
  • ③すすぎの水温にも注意して優しく洗う

この3つのポイントに注意して、下記の「正しい洗顔」を行いましょう。

正しい洗顔方法

①洗顔料で顔を洗う前に34°C~38°Cくらいのぬるま湯で予洗いをして、汚れをある程度落とします。これにより約7割の汚れが落ちるといわれています。

②洗顔料をしっかりと泡立てコシのある弾力泡をつくります。この弾力泡が肌と手のひらが直接触れないようにクッションの役割をしてくれます。手で泡立たない場合は洗顔ネットを活用しましょう。

③ピンポン玉大以上の泡で顔を包み込むように顔全体を優しく洗います。常に肌と手のひらの間に泡のクッションを挟み、直接肌に触れないよう注意を。

④ぬるま湯で、洗顔料が残らないようしっかりとすすぎます。40°C以上のお湯ですすぐと、皮脂が落ちすぎて肌が乾燥するので注意しましょう。清潔なタオルを使って、水分を吸収させるように軽く押し当てて拭き取ります。最後まで肌をこすらずに行いましょう。

ニキビ肌は保湿ケアを重視して

肌が乾燥すると、バリア機能が低下して、肌のうるおいがなくなるだけでなく、紫外線や摩擦、細菌など外からのさまざまな刺激に対しても敏感になり、ニキビや湿疹、皮膚炎などの肌トラブルにもつながります。また、バリア機能が低下すると肌のゴワつきやくすみ、キメの乱れや毛穴の開きなど、見た目にもマイナスの印象を与えるようになります。

さらに、肌にダメージが蓄積されてくると、シワやたるみなど年齢サインもあらわれて見た目に大きな変化を及ぼします。

これらのように、乾燥は肌トラブルを起こす原因となるため、しっかりと保湿ケアをして肌を乾燥させないようすることが大切です。日頃から保湿がしっかりできていると、ニキビや肌荒れなど今肌で起きているトラブルを早く治すこともでき、将来起こるであろうシワやたるみなどエイジング症状の予防にもなります。

正しいスキンケアで
ニキビになりにくい肌に!

ニキビになりにくい肌を目指すなら、毎日のスキンケアを正しく行うことが大切です。基本的なスキンケアとニキビに合わせたタイプ別の方法が分かったら、次は自分の肌に合ったスキンケア用品を探しましょう。適切なケアを行っていても、なかなかよくならない場合は、ニキビを専門とする医師を見つけて診察を受けるのが近道です。皮膚科や美容皮膚科などの病院やクリニックで相談してみるといいでしょう。